新型コロナウイルスが出現するまでの社会では、それが良いかどうかは別として、ちょっと鼻水が出たり、軽い咳だったり、のどがイガイガするようなレベルの風邪であれば、普通に仕事をしていました。それがたとえ医療従事者であってもです。
さすがにインフルエンザでは最近は休んでいるでしょうが、それよりもかなり以前ではインフルエンザであっても仕事をしなければなりませんでした。
現在のオミクロン株はまさに軽い風邪症状がメインのようです。これは新型コロナウイルスの変異株というよりも、従来の風邪のコロナウイルスに非常に近いと考えられます。つまり、このオミクロン株では社会を止める必要もなければ、恐怖を抱く必要もありません。インフルエンザでは多い時では1週間で200万人以上感染(陽性者を調べていればその何倍にもなると思います)しています。でも社会活動に混乱はありませんでした。
もちろんこれまでにも風邪をこじらせて亡くなる人もいたでしょう。風邪で亡くなる人をゼロにするまで経済活動に大きな影響を与えて戦うことは無理ですし、無駄です。風邪を世の中からなくすことはできません。
ワクチンがこれまでのデルタ株などに効果があり、重症者や死者が減少したことは、私は否定しません。しかし、大きく変異したオミクロン株に対してワクチンを勧めることは、現状では意味がないと思っています。オミクロン株にはワクチン効果は大きく減少しているという研究もいくつも出てきています。(ここなど参照)
そして何より、軽い風邪症状に対してワクチンは必要ではありません。オミクロン株の感染力は非常に強く、デルタ株のおよそ2.8倍という研究もあるので、感染者および陽性者は今後も爆増するでしょう。そしてこれまでのように濃厚接触者も隔離してしまっていれば社会は大混乱です。
風邪をあえてひきたい人はいないでしょうけど、これまで風邪をひくことに過剰な恐怖心を持っている人は非常に少なかったはずです。「うつっちゃった」レベルの話であったはずです。もうそろそろその頃に戻るべきでしょう。
社会がオミクロン株を受け入れれば、この騒動は収束に向かうのではないかと思います。それにはまず5類に早急に変更すべきです。混乱するだけのPCR検査もやめるべきです。症状があるかないかで十分でしょう。症状があればとりあえず5日間休むとか、というルールにすればいいと思います。
これまでの新型コロナウイルスは肺まで到達して感染することも多かったでしょう。そして重篤な症状も示していました。しかし、どうやらオミクロン株は上気道。つまり鼻や喉などに感染するようです。(この記事参照)つまり、普通の風邪と同じです。上気道に感染するウイルスを、インフルエンザウイルスと同様に通常ワクチンでは感染は防げません。
もちろんそれでもできる限りオミクロン株で風邪症状も出ないにこしたことはありません。拙著「肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか 「糖質過剰」症候群II 」でも書いたように、最初の防御をするのは、鼻や喉や口などです。糖尿病や高血糖、糖質過剰症候群であれば、そこの気道表面液(ASL)も高血糖になり、防御機能が低下します。またそこの細菌叢も変化してしまうでしょう。
口腔の粘膜の表面での抗ウイルス免疫は、抗ウイルスサイトカインとして機能するインターフェロン(IFN)の産生によって主に調節されています。糖質過剰摂取、高血糖で歯周病が起こると考えられますが、その歯周病の原因菌の一つである、ポルフィロモナスジンジバリスはインターフェロン(IFN)の産生を低下させ、抗ウイルス免疫を低下させてしまいます。
つまり、糖質過剰摂取はやはりオミクロン株にも弱くなる可能性があります。(と言っても重症化するリスクは低いと思われますが)口腔内や上気道などの細菌叢を良質に維持するために、糖質過剰摂取をやめて糖質制限して、イソジンなどのうがいや殺菌作用のあるマウスウォッシュなどの使用も控えたりする方が良いでしょう。
それでもオミクロン株に感染してしまったら、家で寝ていれば良いのです。これまでしてきたように。オミクロン株に過剰に対応する必要はないと思います。戦う相手ですらありません。
「Microbiome-mediated incapacitation of interferon lambda production in the oral mucosa」
「口腔粘膜におけるインターフェロンラムダ産生の微生物叢媒介性の無能力化」(原文はここ)
ここぞとばかり、医師会会長が張り切ってらっしゃいました。
清水先生、こんにちは。
先生も、“ 混乱するだけのPCR検査もやめるべき”と言われていますが、ほとんど意味のない検査をして、無理やり病気を作っているように思います。
じょんさん、コメントありがとうございます。
PCR検査は恐らく儲かるんでしょうね。