高血圧は慢性疾患の代表と考えられています。多くの人が一旦薬を飲み始めたら、ずっと飲まなければならないと思い込まされています。しかし、慢性にしているのは多くは医療側であり、早い段階で原因を改善すれば慢性にはならないはずです。逆転が可能な疾患です。

血圧の薬の降圧薬は以前から、様々ながんとの関連を指摘されてきました。

今回の研究では高血圧で降圧薬を長期間使用し続けることと、がんのリスクの関連を分析しています。平均年齢62.3歳の6万人以上の日本人が対象です。

降圧薬の使用期間に応じて4つのグループに分けました。

1.ベースライン、5年間の追跡調査、または10年間の追跡調査で降圧薬を服用しなかった人

2.ベースラインおよび5年間の追跡調査では服用せず、10年間の追跡調査では降圧薬を服用したが5年未満の人

3.ベースラインでは服用しなかったが、5年間の追跡調査および10年間の追跡調査で降圧薬を服用し、服用期間が5~10年の人

4.ベースラインから10年以上降圧薬を服用している人

長期間降圧薬を使用している人の方が、BMIが高く、年齢も高く、女性も多い傾向がありました。しかし、喫煙とアルコールについては長期間使用している方がこれまで喫煙をしたことがない人が多く、アルコールも飲まない人が多い傾向がありました。(表は原文より改変)

なし<5年5〜10年> 10年
すべてのがん
多変量HR(95%CI)11.07(0.996-1.16)1.06(0.98-1.16)1.08(1.01-1.16)
肺がん
多変数HR(95%CI)10.81(0.64-1.07)0.87(0.67-1.11)0.94(0.77-1.14)
胃がん
多変量HR(95%CI)10.93(0.77-1.13)0.97(0.79-1.20)1.06(0.90-1.24)
結腸直腸がん
多変量HR(95%CI)11.12(0.94-1.33)1.07(0.88-1.29)1.18(1.01-1.37)
肝臓がん
多変量HR(95%CI)11.45(1.04-2.02)1.31(0.92-1.88)1.18(0.86-1.62)
腎がん
多変量HR(95%CI)11.29(0.66-2.54)3.76(2.32-6.10)2.14(1.29-3.56)
膵臓がん
多変量HR(95%CI)11.30(0.91-1.87)0.94(0.60-1.47)1.20(0.86-1.68)
前立腺がん
多変量HR(95%CI)10.99(0.79-1.25)0.87(0.67-1.14)1.16(0.95-1.41)
乳がん
多変量HR(95%CI)11.21(0.88-1.67)1.00(0.69-1.46)0.73(0.51-1.05)

上の表は降圧薬の使用期間別のがん発生率リスク比です。降圧薬を10年以上長期に使用するとすべてのがんのリスクは8%増加、結腸直腸がんは1.18倍、腎がんは5~10年で3.76倍、10年以上で2.14倍でした。

逆に降圧薬の使用がリスクを減少させたがんはありませんでした。

どんな薬も、人間本来の様々なメカニズムを変更してしまいます。それによりある部分は改善したように見せかけられますが、そのしわ寄せが他の部分に起こることは十分に考えられます。

以前の記事「治さない治療」で書いたように、高血圧の代表的な薬のARBやACEIを長期間使用すると、腎障害が起こる可能性があります。今回の研究でも一番リスクの高いがんは腎がんでした。

薬そのものの有害性により、腎がんをはじめいくつかのがんのリスクが増加する可能性があります。しかし、それよりも根本原因を改善しないがためにがんのリスクが増加している可能性も高いでしょう。

糖質過剰摂取は人間の初期設定ではありません。それを無視して、糖質過剰摂取を続ければ、高血圧も起きてきます。そして、がんも起きてきます。がんも高血圧も糖質過剰症候群です。まずは糖質制限で本来の初期設定に近い状態に戻すことが重要でしょう。

糖質制限をすると多くの人は血圧が正常化します。高血圧は糖質過剰症候群の一つの症状、疾患にすぎません。放っておいたら、次の糖質過剰症候群の症状や疾患が襲ってくるでしょう。

 

「Long-term antihypertensive drug use and risk of cancer: The Japan Public Health Center-based prospective study」

「長期の降圧薬の使用とがんのリスク:日本公衆衛生センターに基づく前向き研究」(原文はここ

2 thoughts on “長期の高血圧の薬の使用とがんのリスク”
  1. 電子血圧計で計測していた時期があって、高値が続いた時は逆にストレス要因になって
    しまったので計測中断しました。

    歳を重ねた現在、家電コーナーで、安静にもしないで計測しても120/80以下が多いです。

    以前との生活習慣の変化は糖質制限です。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      糖質制限をすると血圧が改善するのに、多くの医師はそのことすら知らないでしょうね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。