糖質摂取と軽度認知障害、認知症の関連

アルツハイマー病は3型糖尿病と言われています。認知症は糖質過剰症候群だと考えています。

今回の研究では、ベースラインで認知的に正常であった937人の高齢者(年齢中央値79.5歳)を追跡(追跡期間中央値3.7年)しました。合計200人の人が軽度認知障害または認知症を発症しました。食事と認知症の関連を分析しています。ただし、今回も食事アンケートのデータなので、データの質は低いです。(表は原文より改変)

変数四分位数


Q1Q2Q3Q4
%総炭水化物
 カットポイント(%)<4747 – 5253 – 58> 58
 HR(95%CI)1.00.91(0.55〜1.50)1.23(0.76–1.99)1.89(1.17–3.06)
% 総脂質
 カットポイント(%)<2727 – 3132 – 35> 35
 HR(95%CI)1.00.78(0.52–1.19)0.52(0.32–0.84)0.56(0.34–0.91)
%総タンパク質
 カットポイント(%)<1616〜1819〜20> 20
 HR(95%CI)1.00.60(0.39–0.91)0.57(0.36–0.89)0.79(0.52〜1.20)
%総砂糖
 カットポイント(%)<1919〜2324〜27> 27
 HR(95%CI)1.01.18(0.74–1.87)0.84(0.51〜1.36)1.51(0.94–2.41)

上の表は主要栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、砂糖)と軽度認知障害との関連です。炭水化物の摂取割合によって4つに分けた場合、最も多い割合(58%より多い)人では軽度認知障害のリスクが1.89倍にもなっていました。一方、脂質の最も多い割合(35%より多い)人ではリスクは44%低下していました。

軽度認知障害と認知症を合わせた場合には、最も炭水化物の摂取割合の多い(59%より多い)人で3.55倍もリスクが高くなっていました。

もちろん、このデータはすべて糖質過剰摂取の人であるし質も低いので、糖質制限をすればもっと認知症を予防できるという結論には結びつけることはできません。

しかし、糖尿病に認知症が多いことを考えれば、今回の研究には納得できます。

高齢になるほど、なぜか白米と野菜がヘルシーな食事と思い込む傾向が強くなると思います。完全に脂質とタンパク質が不足し、糖質過剰摂取になっています。

高齢者ほど筋肉量と認知機能を維持するために高脂質、高タンパクの糖質制限が健康的な食事であると考えます。

 

「Relative intake of macronutrients impacts risk of mild cognitive impairment or dementia」

「主要栄養素の相対摂取は、軽度認知障害または認知症のリスクに影響を与える」(原文はここ

2 thoughts on “糖質摂取と軽度認知障害、認知症の関連

  1. 「高齢者ほど筋肉量と認知機能を維持するために高脂質、
    高タンパクの糖質制限が健康的な食事」
    高齢者に理解してもらうことは難しく、認知症状まっしぐらの方多そうです。

    人の名前などが出てこなくて、検索に頼ったりすることは気持悪いものです。
    認知症になると常にもどかしい思いをしながらの生活、それどころか自力で普通の生活
    を送ることも困難になります。

    ここでも糖質制限は有効かつ、簡単な予防法だと思います。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      高齢者だけでなく、多くの人に理解してもらうことは難しいです。
      自分で判断しなければなりませんが、情報源がテレビや新聞だけの人では、なかなか正解にはたどり着けないでしょう。

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