肥満になるといたるところに脂肪が付いてきます。でも首の周囲(首の太さ)の測定は、あまり行われないでしょう。肥満では首が太くなることは当たり前のように思えます。
今回の研究では、首の周囲を測定するだけで太りすぎや肥満の患者を特定する方法をテストするための観察研究を実施しました。でも、正直な話、首の周囲を測定などしなくても、その人を見れば肥満かどうかは判定できますが…まあ、それは置いておいて。(図は原文より、表は原文より改変)
BMI(kg / m 2) | 首周囲長(cm) | |||
---|---|---|---|---|
男性(n) | <37 | 37~39.5 | > 39.5 | 合計 |
<25 | 80 | 23 | 12 | 115 |
25~<30 | 0 | 79 | 66 | 145 |
≥30 | 0 | 1 | 91 | 92 |
合計 | 80 | 103 | 169 | 352 |
女性(n) | <34 | 34~36.5 | > 36.5 | 合計 |
<25 | 95 | 15 | 3 | 113 |
25~<30 | 2 | 120 | 11 | 133 |
≥30 | 0 | 6 | 119 | 125 |
合計 | 97 | 141 | 133 | 371 |
上の表、図はBMIと首周囲長の関係を示してます。図の上が女性、下が男性です。かなり見事に首の周囲長の範囲によりBMIの過体重、肥満が分かれています。
BMI25以上を決定するための首周囲長の最良のカットオフレベルは、男性で37cm以上、女性で34cm以上でした。BMI30以上を決定するための首周囲長の最良のカットオフレベルは、男性で39.5cm以上、女性で36.5cm以上でした。
当然、首の周囲長はBMIだけでなく、体重や腹囲とも非常に関連していました。
首が太くなるということは、その分、空気の通り道の気道も細くなります。また以前の記事「肥満は舌まで太って呼吸を止める」で書いたように、舌も太ります。これでは睡眠時無呼吸になるのも当然でしょう。
私はペインクリニックや麻酔のときに首にブロック注射を行いますが、その時も肥満の人は首が短く感じ、穿刺部位の確認も大変になることもありますし、深さも痩せている人よりの当然深くなります。首が太く、肥満であることは麻酔やブロックを受ける際に様々なリスクが高くなります。肥満は糖質過剰摂取で起こります。糖質制限をしてスッキリとした首を目指しましょう。
「Neck Circumference as a Simple Screening Measure for Identifying Overweight and Obese Patients」
「太りすぎや肥満の患者を特定するための簡単なスクリーニング手段としての首周囲」(原文はここ)
中高年になると男女問わず、
ドラム缶のような体型に
なる人が多いです。
余りに多いので、歳をとるとそれが
当たり前とも感じでしまいますが、
不健康なのは間違いないですね。