中性脂肪値の基準値は一応、30~149mg/dLとされています。つまり、150以上が異常値ですが、私は100を超えたら患者さんに指摘しています。

中性脂肪値が基準値にある人を中性脂肪値により3つのグループに分けたときに、そのグループの2型糖尿病の発症リスクはどうなるでしょうか?

28歳から75歳までの2085人が対象です。もちろんメタボや糖尿病の人は除外されています。

3つのグループの中性脂肪値の平均値はそれぞれ、57.6、82.4、116でした。追跡期間中央値11.4年の間に3.4%が2型糖尿病を発症しました。中性脂肪値の増加は最も関連している順に、インスリン、HOMA-IR(インスリン抵抗性)、総コレステロール、HDLコレステロール、eGFRでした。意外にも総コレステロールが入っていますね。(図は原文より)

上の図は中性脂肪値と2型糖尿病の発症リスクです。全体の中央値である82.4を基準として、それよりも中性脂肪が高くなると、リスクは増加し、低くなるとリスクは低下していました。

中性脂肪の正常の範囲は150未満ですが、中性脂肪が140程度でも、中性脂肪80くらいの人の2倍以上の糖尿病リスクがあるのです。

以前の記事「中性脂肪は糖尿病の死亡率を予測する」でも書いたように、中性脂肪値は糖尿病の死亡率にも関連しています。

一般の人ではもちろん、一部の医師はいまだに中性脂肪の増加は脂質摂取量の増加によるものだと思い込んでいます。中性脂肪は糖質摂取で増加します。そして通常中性脂肪が増加するとHDLコレステロールは低下します。糖尿病は糖質過剰症候群ですし、高中性脂肪も糖質過剰摂取で起きます。まずは糖質制限です。

 

「Normal fasting triglyceride levels and incident type 2 diabetes in the general population」

「一般集団における正常な空腹時中性脂肪値と2型糖尿病の発症」(原文はここ

5 thoughts on “正常な範囲の空腹時中性脂肪値と2型糖尿病の発症リスク”
  1. 非常に紛らわしいし、思考の切り替えが追いつかないですが、
    中性「脂肪」増加の原因は「脂肪」摂取ではなく
    「糖質」摂取なのですね。

  2. 私は中性脂肪は正常範囲を超えた事はなく130台が生涯の最高値ですが、糖尿病を発症しました。ドックのエコー検査で軽度の脂肪肝と診断されていたのでそれも原因のひとつかと思われます。
    現在、糖質摂取量は40g/日前後で脂質の割合は70%以上なのですが中性脂肪は60、脂肪肝もなくなりました。中性脂肪や脂肪肝の原因が脂質ではなく糖質である事は体験からも明らかです。因みにアルコール量は以前から変わっていないので私の場合は、アルコールが原因ではないことも明らかです。

    1. 西村典彦さん、コメントありがとうございます。

      私も恥ずかしながら、以前は脂質の摂り過ぎで中性脂肪値が上がると思っていました。
      しかし、糖質制限をした数か月で大きく中性脂肪値が低下しました。
      糖質制限をやってみると本当に今までの常識がウソであったことがわかりますよね。

  3. 映画『スーパーサイズ・ミー』で、「マクドナルドのメニューだけを30日間食べ続けたらどうなる?」を行ったモーガン・スパーロックさんは見事な肥満体になり、「脂肪肝」と診断されました。彼の身体を診察した医師の1人は、劇中で「まさか脂肪の取り過ぎでこうなるとは・・・」と発言していました。この医師も、「脂肪肝の原因は脂肪の摂取にある」と思い込んでいたようです。実際の主犯格は炭水化物であり、脂肪には何の責任も無いのに。
    この映画では「カロリー」と「(食べ物に含まれる)脂肪」ばかりが強調され、炭水化物の毒性についてはほとんど触れられていませんでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。