インスリン抵抗性と大腸がん

2022年11月23日ワールドカップ日本対ドイツ、歴史的な勝利となりました。おじさんは久しぶりに大興奮しました。なかなか寝付けず、朝起きてもなんかぼーっとした感じ。サウジアラビアのように今日を休みにして欲しかったですね。

今の若い人たちは凄いですね。物怖じせず、後半は見違えるように切り替え、自分たちを信じて戦っていました。そんな若者たちの可能性もこの2~3年、過剰な感染対策などで抑えつけられていました。爺さんたちがこの国の方向性を決める時代は早くやめなければなりません。これからの若い人たちにとって良い国になるように若い人たちの意見をもっと取り入れる必要があります。高齢者の方ばかり見ている政治はいりません。

マスコミもワールドカップとなると、コロナのことなんてすっかり忘れたふりをして、若者が大勢集まってノーマスクで大騒ぎしていても、マスク、密にならない、大声で話さないなど、くだらない煽りのメッセージは全く発しません。都合が良いですね。

さすがに、ワールドカップを見ていると、現在の日本が異常だということに気付くでしょう。ワクチン、マスク、アルコール消毒、すべていりません。

そんな話題で今回の記事は始まりましたが、内容は全く別のことです。

インスリン値を測定することは通常ではハードルが高いでしょう。逆に言えばインスリン抵抗性が軽視されている証拠でもあります。内科医も関連学会もインスリン測定を強く求める動きはありません。ただ、他の検査で代用ができます。一つは空腹時血糖と中性脂肪値から求めるTyGインデックス、もう一つは中性脂肪値とHDLコレステロールから求める中性脂肪/HDLコレステロール比です。

この2つの指標と結腸直腸がんの発生リスクの関連はどうなっているのでしょうか?

今回の研究では、がんのない93,659人(平均年齢51歳)を対象として、追跡期間中央値13.02年で結腸直腸がんの発生リスクとインスリン抵抗性の2つの指標との関連を分析しました。(図は原文より)

上の図は横軸がTyGインデックスと中性脂肪/HDL比、縦軸が結腸直腸がんのリスクです。TyGインデックスの場合、単位は日本の単位mg/dLで計算されていますから、そのままでいいのですが、中性脂肪/HDL比はmmol/Lで計算されているので、日本の単位にするには2.23をかけます。

TyGインデックスが8.19以下のグループと比較すると、TyGインデックスが増加するにつれリスクは増加し、9.06以上ではリスクが1.53倍になっていました。

また、中性脂肪/HDL比が0.57(日本の単位で1.27)のグループと比較して、比が増加するにつれリスクは増加し、中性脂肪/HDL比が1.36(日本の単位で3.03)以上ではリスクは1.4倍でした。

インスリン抵抗性は高インスリン血症、高IGF-1血症となり、それらはがん細胞の成長も促進します。インスリン抵抗性を改善することは非常に意味があることです。しかし、多くの医師はインスリン抵抗性に無頓着です。どれだけの患者が医師にインスリン抵抗性について話をされたことがあるでしょう。医師自身がインスリン抵抗性のある体である場合も珍しくないので、軽視されても仕方がないのかもしれません。糖尿病専門医でさえインスリン抵抗性について言及することは少ないでしょう。がんのエサは糖質であり、がんは糖質過剰症候群です。

ご自身のTyGインデックスを計算したい方は「中性脂肪値と血糖値だけで様々な疾患のリスクを評価できる」で計算してみてください。私は8未満を推奨します。

中性脂肪/HDL比はそのまま中性脂肪値をHDLコレステロール値で割ってください。私は1.3以下を推奨します。

 

「Association between the TyG index and TG/HDL-C ratio as insulin resistance markers and the risk of colorectal cancer」

「インスリン抵抗性マーカーとしてのTyGインデックスとTG/HDL-C比と結腸直腸がんのリスクとの関連」(原文はここ

One thought on “インスリン抵抗性と大腸がん

  1. 医療の専門家ほど、糖尿病治療は
    カロリー制限と運動、そして
    インスリン注射や内服などの治療
    で血糖値を下げる事に固執。

    何故か糖質制限の話を専門家に振ると
    鼻であしらわれてしまいます。

    どうぞ、ご勝手に。

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