インフルエンザワクチン接種は重症化を予防していない

新型コロナウイルスのワクチンでもインフルエンザのワクチンでも、高齢者や基礎疾患(そもそも基礎疾患ってどこまでの疾患?)のあるリスクのある人に対して、強く接種が推奨されています。

それなのにコロナワクチンの「予防接種を受けることができない人、注意が必要な人」の項目には、

注意が必要な人
・抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害(血友病など)のある人
・過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
・心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人

と書かれており、基礎疾患のある人はそもそも注意が必要な人と定義されています。接種に注意が必要なのに、接種が推奨されるというのはなんだか矛盾しています。高齢者なら心臓、腎臓、肝臓などのどこかに一つくらいの疾患を抱えていることは少なくないでしょう。ワクチンで思い副作用、死亡等があった場合にはマスコミは基礎疾患があったと強調します。変な話です。

同様に、インフルエンザワクチンの添付文書にも同じことが書かれています。

9.1 接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)

9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者

9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者

恐らく、ワクチン接種に対して注意が必要なのに、9.1.1に書かれている心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、などの基礎疾患はほとんどスルーされ、当たり前のように接種されています。

また、9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者、と書かれているのですが、新型コロナのワクチンでは発熱は当たり前のようなもので、それは注意すべき人には当たらないというのが非常に不思議です。そもそもワクチンで高熱が出ること自体がおかしいのです。

本当に効果があるでのあれば、ワクチン接種に意味はありますが、コロナワクチンの効果は感じられず、逆に様々な副作用、後遺症が起きているのが現状です。インフルエンザワクチンについては、ほぼ儀式的になっており、効果を評価するという姿勢はなく、医療従事者でも当たり前のように接種しています。接種しても感染する人が大勢いるにもかかわらずです。

インフルエンザワクチンは重症化を防ぐなんて言われていますが、眉唾です。私は信じていません。もちろん感染予防効果はほとんどゼロでしょう。以前の記事「インフルエンザワクチンの効果は如何ほど?」で書いたように、コクランでも成人では1例のインフルエンザ発症予防に71人のワクチン接種が必要としています。

重症化を防ぐのであれば、ワクチン接種により入院や死亡を減らせるはずです。

さらに「インフルエンザワクチンは新型コロナウイルスの感染のリスクを上げているかもしれない」でも書いたように、あの「8割おじさん」として有名になった西浦先生の名前も論文の中に認められる研究では、インフルエンザワクチンを接種した子供では、ウイルス学的に確認された非インフルエンザ感染のリスクが4.4倍も増加しました。また、従来のコロナウイルス感染はインフルエンザワクチンによって1.36倍増加します。新型コロナはすでに普通の風邪のウイルスとなったことを考えると、インフルエンザワクチン接種は逆効果かもしれません。インフルエンザワクチン接種で別のウイルスに感染しやすくなる可能性は十分にあるのです。彼は自分の研究にもかかわらず、こういう時はダンマリですね。

今回の研究では、2000年から2014年の間で、55歳から75歳のデータを使用して分析されました。イギリスでは65歳以上にインフルエンザワクチン接種が推奨されているため、65歳以上と65歳未満では大きく接種率が異なります。ワクチンが有効だとすると、65歳以降ではインフルエンザや肺炎の入院率や死亡率が急激に変化してもおかしくありません。ではどうでしょう。(図は原文より)

上の図は入院率です。男性も女性も65歳で変化はありません。

上の図は死亡率です。これも同様に65歳で変化していません。それをグラフにすると下の図のようです。

全ての原因、肺炎やインフルエンザによる入院や死亡は年齢と共に増加していますが、非常にグラフは滑らかであり、65歳を境に急激な変化はありません。

以前の記事「インフルエンザワクチンは高齢者の死亡率を低下させない」でも書いたように、いくつもの研究でインフルエンザワクチンの有効性を否定しています。

さらに、医療従事者は患者にインフルエンザを感染させる可能性があるので、医療従事者がワクチン接種をすると、患者の感染による重症化を低下させることができるかというと、それは全くない可能性があります。(ここ参照)長期介護施設において、医療従事者のインフルエンザワクチン接種は入院や死亡のリスクに全く利点を見出せませんでした。

新型コロナウイルスのワクチン接種において、周りのためにとか、思いやりとかいう言葉で、ワクチン接種をしないことが自分本位で、周りに迷惑をかけているような印象を与えて、ワクチン接種を促進しようとしています。インフルエンザワクチンも同様でしょう。病院などでは医療従事者がワクチン接種をしないことが倫理的な問題だと考える人もいるでしょう。これは非常に馬鹿げた考えです。ワクチン接種によって周りの人の感染を防げるという根拠はありませんし、自分に有害かもしれないワクチンを、自分を犠牲にしてまで接種する必要はありません。

現在、新型コロナウイルスの陽性者がまた増加傾向です。様々な病院でも医療従事者の陽性者、感染者が増加しているでしょう。ワクチンを接種したのに?ワクチンを接種したから?コロナもインフルエンザもワクチンって効果があると思いますか?現実を見れば答えは明らかでしょう。

 

「The Effect of Influenza Vaccination for the Elderly on Hospitalization and Mortality: An Observational Study With a Regression Discontinuity Design」

「高齢者のインフルエンザワクチン接種が入院と死亡率に及ぼす影響:回帰不連続性デザインを用いた観察研究」(原文はここ

4 thoughts on “インフルエンザワクチン接種は重症化を予防していない

  1. ワクチン効果への疑義意見は、反社会的。
    逆にワクチン効果について「丁寧な(肯定的な)」説明をしている医療関係者は
    常識的(良心的)、という風潮は何なのでしょうか?
    やはり経済第一なのでしょうか。

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      今回のワクチンに対する各国政府や専門家たちの異常なまでのワクチン絶対主義は何なのでしょうね?
      それでも多くの国の一般市民は気づいてほとんどの接種がされなくなってきていますが、
      日本人だけはまだまだ大騒ぎしている人もいます。
      日本人の多くがコントロールされやすい国民なのでしょう。

  2. 清水先生、おはようございます。

    インフルエンザワクチンは、ジェンナーの種痘と同じようなものと思っていて、何らかの効果があると思い込んでいました。また、長年の使用実績があるので、安全性にも問題もないと。

    医療の世界、色々と単に思い込んでいることが多そうです。

    インフルエンザの薬、タミフルなどは服用することで、症状の速やかな改善が見られるように思います。服用に意味はあるように思う一方で、ほとんどの方は服用しなくても寝ていればよくなるようにも思います。高齢の方のような体力がない方には意味があると思いますが。

    1. じょんさん、コメントありがとうございます。

      種痘とインフルエンザのワクチンとは雲泥の差があると思います。インフルエンザワクチンの安全性はコロナのワクチンと比べれば
      かなり安全だと思います。しかし、ワクチンなので、中には思い副作用を示す人もいます。
      それと、インフルエンザワクチンは大して効果がないばかりか、毎年接種していると、感染しやすくなるとも考えられています。

      タミフルを使っているのはほとんど日本人だけです。
      この薬も使用すると免疫ができずに、次の年にも感染すると考えています。せっかく感染したなら、しっかり免疫ができるのが理想です。
      そうすればずっと感染から守られます。
      タミフルなどは製薬会社や医師にはおいしい薬なのです。
      さらにやはりインフルエンザの薬は異常行動の問題があります。子供や健康な大人などには全く使う必要のない薬です。
      高齢の方に使うかどうかは意見の分かれるところですね。
      速やかな症状の改善を得たいのであれば麻黄湯などで十分です。しかも免疫も得られます。

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