ビタミンDの低下は様々な疾患に影響を与えると考えられています。
ビタミンD(25(OH)D)の血中濃度は過体重の人(36ng/mL)と比較して、肥満の人(19ng/mL)の方が低くなっています。(この論文参照)25(OH)D 濃度と肥満関連パラメーター(体重、BMI、腹囲、脂肪量、内臓脂肪、総コレステロール、LDL コレステロール)および糖代謝関連パラメーター(空腹時血糖、OGTT120分の血糖値、インスリン、HOMA指数)、血圧との間に負の相関が観察されています。つまり、糖質過剰摂取がビタミンDの低下の原因とも考えられます。
糖質制限(ケトン食)でビタミンDはどうなるでしょう。
例えばある研究では、肥満の人を対象に、総エネルギー摂取量は600~800kcal/日で、最大炭水化物摂取量1日あたり50g未満の超低カロリー糖質制限を10~12週間行ったところ、ビタミンD(25(OH)D)は21.6から25.8ng/mLに増加しました。そして、下の図のようにビタミンDは脂肪量およびBMIが増加するほど、減少してしていました。さらに、糖質制限で脂肪が減少する量が多いほどビタミンDの増加量が多くなりました。(図はこの論文より)
また、別の研究では、過体重と肥満の男性を対象にして、少なくとも8週間の超低カロリーケトン食(ただし徐々にカロリー量を増やす方法)を行ったところ、ビタミンDは19.9から38.5ng/mLに増加しました。さらに、ビタミンDが30ng/mLを超える人の割合は、5.4%から81.1%に増加しました。
さらに別の研究では、伝統的な標準的な低カロリー地中海食と超低カロリーケトン食のいずれかを食事介入を12か月行った肥満の人で、ケトン食ではビタミンDが18.4から29.3 ng/mLに増加しましたが、地中海食では有意には増加しませんでした。
さらにさらに、2型糖尿病の人を対象とした別の研究では、糖質制限を行っている人と行っていない人を比較しています。(図はこの論文より)
上の図はビタミンDレベルを示していて、左からコントロール、糖質制限の糖尿病、糖質制限を行っていない糖尿病の人です。糖質制限を行っていない人ではビタミンDが25.1でしたが、糖質制限を行っている人では53.5とコントロール群とほとんど同じでした。
つまり、これらの研究から考えると、血中のビタミンDの低下は糖質過剰摂取によるものだと推測されます。そう考えると、ビタミンDのサプリを飲むことが大事なのではなく、糖質制限が重要なのです。そして、もしかしたら、ビタミンD不足によりリスクが増加している様々な疾患は、本当はビタミンDではなく糖質過剰摂取でリスクが増加しているだけでなく、糖質過剰摂取そのものが原因となっている可能性があります。
何かが足りないときに補うだけでなく、なぜ足りなくなるかを考える必要があります。
まずは糖質制限でしょう。
栄養素にしても薬にしても
摂れば摂るほど身体に良い
なら簡単ですが、
ファスティングなど、摂らない
方が身体に良い事も多いと思います。
医療でも体調が悪くなると絶食指示
したりしますもんね。
薬を足し算で処方する医師がいますが、私は引き算で考える医師の方を信用します。
副作用があるとそれを抑える薬を足し算で処方していくとイタチごっこで結局何が原因なのかわからない症状を発症します。
食べ物も同じで悪いものを食べた結果、体調不良を招き、それに気づかず、◯◯が効くと言って足し算で食べても効果は限定的でしょう。その代表が糖質だと思います。やめればいろんな症状が嘘のように改善します(しました)。こんなに体に悪いものを食べていたのかと恐ろしくなります。ただ、実践したことのない人にはいくら説明しても伝わりません。
幸い、私の体調が改善していくのを目の当たりにしていた息子(30歳)は、現在、一人暮らしで自炊ですが自ら糖質制限食を作っています。すでに数年前から我が家には炊飯器がありません。
西村典彦さん、コメントありがとうございます。
医学部では引き算は教えていません。
医療自らの利益を最大にするには足し算しかありません。