北海道マラソン2017 分析という名の言い訳

今年も北海道マラソンが終わってしまいました。毎年、このマラソンに1年をかけて挑んでいるのですが、今年は惨敗でした。関門を越えられるかどうかという不安ははじめての体験でした。2年間サブ4で走ってきたのですが、今年はサブ4どころかサブ5がやっと。目標はサブ3.5だったので、いまだに落ち込んでいます。

どうしてこのようになってしまったのかを分析してみます。

本にも書いたように、糖質制限を徹底した「ケトラン」で大幅に記録が伸びました。しかし、人間欲が出るもので、次の目標を目指したくなります。あと少しでサブ3.5まで来ていたので、やはり1度はサブ3.5を達成したいと思ったのです。さらに「ケトラン」でもっとすごい記録を伸ばした人の話を聞いて触発されました。しかし、年齢は年々年を取っていくのは当たり前で、50歳過ぎて記録を伸ばせるかは不安でした。公式な記録をみても30~40代の方と、50以上ではやはり、50代以上になると記録が落ちてきているようです。

だから、サブ3.5を目指せるのもあと数年だと思っていて、今年の冬からスピードアップのためにフォームの改善を行いました。春のハーフマラソンでは、フォームを意識しなければ、元のフォームに戻ってしまうような感じで、まだ自分に身に付いていませんでしたが、かなりレース中に意識をして、実際にハーフマラソンの自己ベストを出しました。

それに気を良くして、5月のフルマラソンでは、あまり意識せずに改良したフォームで走ることができ、前半は非常に順調でした。30kmまでは行けましたが、その後急ブレーキがかかりました。原因は恐らく、心拍数が非常に上がったこと、つまりオーバーペースです。自分ではオーバーペースという感覚ではなかったのですが、心拍数を後で見てみると、その前の年と比較してかなり上がっていました。

速く走れるようになったけど、その分心拍数が上がったのです。自分なりには楽にスピードが出せている感覚だったのですが、いわゆるランニングエコノミーは悪くなったのかもしれません。そして、その速くなった心拍数はやはり50歳の心臓には良くないと思われます。ここで非常にジレンマに陥ってしまいました。記録を取るか、記録は望めないが体の負担を減らして走るか、です。

ただ、走りのフォームを変えたことによって、感覚は良くなりましたが、心臓が追い付いていないのはまだそのフォームが自分に馴染んでいないからとも考えていました。だから、もう少しそのフォームで続けていれば、だんだん心拍数も落ち着くことを願っていました。

そして、6月の100kmウルトラマラソンで、低体温に震えながらなんとか完走しましたが、そのときの無理で故障をしてしまいました。「ケトラン」は非常に炎症を起こしにくく、故障をしにくいと考えていますが、当然全く故障しないわけではありません。また、フォームを変えたことはかなり影響した可能性があります。これまで全く痛めたことのない部位でしたので。8月の北海道マラソンに向けて、どんどん走りたい時期だったので、故障を気にしながらも走ることをやめませんでした。

その無理がたたり、かなり悪化しました。練習の途中に痛みが強く、走ることだけでなく、歩くことさえままならない状況となってしまったのです。そしてさらに、それをかばうためにフォームがバラバラになったのか、別の個所も痛み始めました。まだ、北海道マラソンには1か月以上ありましたが、かなり不安になりました。休むべきか、無理をしてでも走るべきか。しかし、無理さえできないほどの悪化だったので、休みました。完全に1週間休み、その後ちょっと走ってみました。そのちょっとがダメだったのか、すぐに痛みが出てしまいます。そして、また1週間休み、少し改善しましたが、20kmの手前で痛みが出てしまいます。

ラジオの収録のときはカッコつけて、「サブ3.5を狙う」と言ったのですが、体は全くそのような状況にありませんでした。

走っている間痛みが出なくても、走り終わったらかなりの痛みで、次の日まで歩くのも痛いぐらいでした。なので、練習は痛みが引くまでできず、1週間に1~2回、しかも距離は15km走るかどうか、20km走っても最後は歩くというレベルでした。最後の1か月の走行距離はいつもの3分の1以下になりました。圧倒的は練習不足です。

そして、直前の1週間は全く走らずに本番を迎えました。無理をして、痛みが出てスタートラインに立てないことや、本番で途中リタイヤにならないことを考えたのです。

そして、迎えた北海道マラソン。ペースは春よりも1km20秒程度遅い、楽なペースで走ることとしました。無理に記録を狙える体ではなかったからです。しかし、この計算が全く狂っていました。記録を狙えるどころか、もっと体のレベルは下がっていました。気温がそれなりに高く、直射日光がきついとはいえ、練習では無理のないペースで、心拍数も最初はあまり上がっていませんでした。そして、通常私は10~20kmはランナーズハイなのか、最も楽に走れる距離です。それが15km付近ですでにへばって来ています。ここからは脳との戦いだと思って、脳に言い聞かせていましたが、全くダメでした。

30km付近でへばるのはわかりますが、こんなに早く体がついていかないなんて初めてでした。そこで心が折れてしまったので、リタイヤか完走か、というレベルの話になり、なんとか完走だけは、と思い最後まで何とか頑張りました。故障している部位は20数キロぐらいから少しずつ痛みが増加してきましたが、最悪の状況にはならず、最後まで持ってくれました。

DNS(出走取消)にすべきだったのか、それともこれで良かったのか、今でもわかりません。ただ、今考えると、やはり症状が出た時にしっかりと休むべきでした。中途半端に練習で走ったので症状が続く原因となったと考えられます。やはり練習はうそをつかないというのは本当かもしれません。

完走することは大事ですが、たぶん、この満身創痍の体をもとに戻すのにもかなりの時間が必要です。そして、今回のフォーム改造をどうするかという悩みもあります。このまま続けていけば自分のフォームとなり、体への負担が軽減するのかどうかはわかりません。

本に書いたように、糖質制限で、パフォーマンスは向上します。しかし、無限に向上するわけではないのは当然なので、それ以上を求めるなら、何かしなければなりません。

次のステージに上がるために新しいことに挑戦した1年でしたが、結果はボロボロです。しかし、後悔はしていません。パフォーマンスが上がったからこその挑戦だったからです。過渡期というものはこのようなものだと思います。来年に向けてまた新たなる挑戦をします。

 

2 thoughts on “北海道マラソン2017 分析という名の言い訳

  1. 北海道マラソン、お疲れ様でした。下痢気味を改善したく、今年5月よりグルテンフリー→糖質制限にたどり着いた40代女性ランナーです。糖質制限を開始してはじめてのレースである北海道マラソンで、スポーツドリンクは一切飲まずに走り切り(スイカを3切れいただきましたが…)、糖質制限ランナーとしてやっていける自信がつきました。糖質制限していてもフルを走るパワーは落ちませんし、真夏の大会でもゴール後は疲労はほとんどありませんでした。次回は信越五岳を走ります。今後も先生のブログや著書を参考にさせて頂き、ラン生活を楽しみたいと思います。

    1. あんままさん、コメントありがとうございます。
      北海道マラソン良かったですね。私も本読んでいただき、それでいい走りをしていただけたことは非常にうれしいです。
      「信越五岳」って160kmのトレイルですか?すごいですね!
      今後も「ケトラン」頑張ってください。私も負けないように頑張ります。

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