カフェイン、ドーピングとも思えるくらい効果を感じることがあります。(ドーピングしたことはありませんが)以前の記事「コーヒーを飲むとパフォーマンスが向上する」でもカフェインの効果を書きました。
私はレースで苦しいときに、カフェイン入りのサプリ(ジェル)をよく使っています。そうすると、1時間くらい蘇る気がします。プラセボかもしれませんが。いつも使っていたカフェイン200mg入りサプリが製造終了となってしまい、どうしようかを思っていましたが、別の企業が出してくれました。
「メダリストカフェイン200冴」という商品です。以前使っていたものよりも断然飲みやすい。以前のものは薬のような味で、仕方がなく使っていましたが、今回はサッパリ、スッキリです。
今回の研究では、カフェインの急性の筋肉への効果の研究のメタアナリシスです。筋力と筋持久力を評価し、筋力は、1 回の努力で持ち上げられる最大負荷を使用して測定され、筋持久力は、固定負荷で達成される最大反復回数を使用して測定されました。(図は原文より)
上の図はプラセボ摂取群と比較した、カフェインカプセルの急性摂取の筋力への影響です。有意にカフェインで改善しています。
上の図はカフェインカプセルの急性摂取の筋持久力への影響です。これも有意にカフェインで改善しています。
上の図はカフェインカプセルの急性摂取が 上半身と下半身の筋力に及ぼす影響のメタアナリシスの結果です。カフェインは下半身の筋力に対してより顕著な効果を示しました。
上の図は、筋力に対するカフェイン摂取量の影響です。7つの研究では6mg/kg体重のカフェイン摂取に関するデータが提供され、5つの研究では3mg/kg、2つの研究では2mg/kg、2つの研究では5mg/kg、1つの研究では、カフェイン摂取量 4、8、9、11mg/kgのデータが提供されました。6mg/kg以上のカフェインでは筋力が有意に改善されましたが、6mg/kg未満では改善は得られませんでした。
上の図は運動の何分前にカフェイン摂取をすると筋力に効果があるかです。45分では有意に筋力が改善し、60分前では効果が認められませんでした。微妙ですね。
上の図はカフェインの筋力への効果の性差です。男性のみ筋力が有意に改善しました。なぜかな?
上の図はカフェインの上半身と下半身の筋持久力に及ぼす影響です。上半身も下半身も有意に改善しましたが、下半身の筋持久力の方がさらに顕著な効果を示しました。
上の図はカフェインの運動強度に対する筋持久力の影響です。低強度、中強度 、高強度の筋持久力テストに分けると、低強度では効果が無く、最も効果があるのは中強度でした。
上の図は筋持久力への効果の性差です。筋力と同様になぜか男性のみ効果がありますが、女性では効果が認められませんでした。
私はフルマラソン、ウルトラマラソンでのカフェイン使用を考えているので、上の結果がすべて当てはまるわけではありません。でも、カフェイン摂取後に下半身の筋持久力が10%前後増加するのであれば、使う意味があるでしょう。でも持久力ではなく筋力の分析では6mg/kg以上摂取しないと意味がないようです。持久力では分析が無かったのでわかりませんが、私が摂取している200mgカフェインでは全く足りないのかもしれません。私がカフェインの効果を感じていたのはプラセボ効果だったのかもしれません。まあ、プラセボでも効果があれば良いのです。薬だって多くはプラセボ効果ですから。
カフェインの摂取は、血中のβ-エンドルフィンの濃度を高めることで筋肉の不快感や痛みを軽減し、それによって筋肉の持久力を向上させ、さらに、カフェインは血液脳関門を通過してアデノシン受容体に結合し、アデノシンの抑制効果を軽減し、その後筋持久力を向上させるそうです。
日ごろから、コーヒーをがぶ飲みしている私にとって、レース中のカフェインがどれほどの効果があるのかは疑問ですが、マラソン、特にウルトラマラソンはメンタルのスポーツです。脳の罠が何回も襲ってきます。その時に少しでもカフェインの効果があればそれで私はいいんです。
その前に練習です。
「Effects of Acute Ingestion of Caffeine Capsules on Muscle Strength and Muscle Endurance: A Systematic Review and Meta-Analysis」
「カフェインカプセルの急性摂取が筋力と筋持久力に及ぼす影響:システマティックレビューとメタアナリシス」(原文はここ)
清水先生、いつもありがとうございます。
私は糖質制限を1年以上はしてるのですが、血液検査でΒヒドロキシ酪酸の濃度がいつも5000μmolを超えていて、ケトジェニックの人の中でも特に高いのは何故だろう、体質かなと不思議に思ってました。
一方で私はブラックコーヒーを馬鹿みたいに飲んでまして、大体3リットル近くは一日で飲んでいます。
もしかしたらブラックコーヒーを大量に飲んでる事がケトン体濃度に影響してるのかもしれません。
いのっちさん、コメントありがとうございます。
その可能性は高いかもしれませんね。
「カフェインはケトン体を増加させるかもしれない」をご参照ください。
私もバカみたいにコーヒー飲んでます。
コーヒー身体に良い説と、
カフェイン断ち推奨説もあって
迷いますが、
コーヒー制限は中々出来ない。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
私もコーヒー依存症です
カフェインの耐性ない人は飲み過ぎは危険だと思いますが、こんなに馬鹿みたいに飲んでも眠れてるので問題ないと思ってますw
よく緑茶の効果が強調されますが、コーヒーのクロロゲン酸の抗酸化力はカテキンに負けてないですし、ニコチン酸の効果も高いといろいろ書かれてるので。
それにカフェインの健康効果も高いと思ってるのです
「メダリストカフェイン200冴」試してみました。マラソン時ではなくて、通常の仕事の時に試してみました。効きますね。長距離を走るときに試してみます。
三世 敏彦さん、コメントありがとうございます。
カフェインは半分ドーピングですね