匂いを感じなくなることは、認知症の前触れかもしれない

匂いを感じる嗅神経は、環境に直接さらされる唯一の脳神経です。その匂いを検出する細胞は脳底の嗅球という部位と直接つながっています。嗅覚障害は、パーキンソン病またはアルツハイマー病の初期兆候であるとも言われています。

57歳から85歳の約3000人を対象とした5年間にわたる調査では、5つの一般的な臭い(ペパーミント、魚、オレンジ、バラ、レザー)のうち4つ以上を特定できなかった人は、匂いをすべて特定できるか1個しか間違えなかった正常の人と比べて、5年以内に認知症を発症するリスクが2倍以上でした。

5年後に、すべての匂いがわかたなかった人のほとんどすべてが認知症と診断され、1つか2つ正解だった人の80%近くが認知症でした。嗅覚喪失の程度が多いほど認知症の発生率が高くなっているのです。

たかが匂いと思わずに、認知症の早期発見には役立つ可能性があります。家族の方が匂いに鈍感になってきたなら気をつけましょう。

「Olfactory Dysfunction Predicts Subsequent Dementia in Older U.S. Adults」

「アメリカの高齢者における嗅覚機能不全がその後の認知症を予測する」(原文はここ

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