少しずつ秋めいてきましたが、そうなるとマスコミはインフルエンザをどんどん煽ってくると思われます。
日本臨床内科医会がどのような集団かはよく知りませんが、インフルエンザワクチンに関しては十分に利益相反がありそうに思えます。その日本臨床内科医会が出してきた研究で、インフルエンザワクチンの効果が非常に疑わしいことを示しています。
今回の研究では、日本臨床内科医会が毎年実施している、インフルエンザの多施設コホート研究をもとに、年齢や基礎疾患の有無などについて、ワクチン効果を分析しています。2002~2003年から2018~2019年までの各インフルエンザ流行前に、日本国内543医療機関から計148,108人の外来患者が登録されました。全体の年齢中央値は58歳でした。
ワクチンの有効性(VE)は(1 – OR)× 100%として計算されました。(OR:オッズ比)(図は原文より、表は原文より改変)
発生率(%) | 調整なしOR | 調整OR | 調整VE | |||
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グループ | ワクチン接種済 | ワクチン非接種 | (95%信頼区間) | (95%信頼区間) | VE(%) | p値 |
すべての患者 | 3.3 | 3.9 | 0.83 (0.79–0.89) | 0.56 (0.52–0.61) | 44 | < 0.001 |
女性 | 3.0 | 3.6 | 0.83(0.76–0.90) | 0.59 (0.53–0.66) | 41 | < 0.001 |
男性 | 3.7 | 4.3 | 0.86 (0.79–0.94) | 0.52 (0.47–0.59) | 48 | < 0.001 |
年齢層 | ||||||
0~15歳 | 9.1 | 14.2 | 0.65 (0.59–0.70) | 0.44 (0.40–0.50) | 56 | < 0.001 |
16~64歳 | 2.5 | 3.2 | 0.81 (0.73–0.89) | 0.59 (0.52–0.67) | 41 | < 0.001 |
65歳- | 1.4 | 1.1 | 1.22 (1.01–1.47) | 1.0 (0.78–1.27) | 0 | 0.97 |
基礎疾患なし | 3.2 | 4.0 | 0.80 (0.75–0.85) | 0.53 (0.49–0.58) | 47 | < 0.001 |
0~15歳 | 8.2 | 12.9 | 0.64 (0.58–0.70) | 0.46 (0.40–0.52) | 54 | < 0.001 |
16~64歳 | 2.5 | 3.2 | 0.77 (0.70–0.86) | 0.56 (0.49–0.63) | 44 | < 0.001 |
65歳- | 1.2 | 1.2 | 1.02 (0.82–1.23) | 0.86 (0.65–1.15) | 14 | 0.31 |
基礎疾患あり | 3.7 | 3.7 | 0.99 (0.86–1.15) | 0.76 (0.62–0.94) | 24 | 0.01 |
0~15歳 | 16.5 | 23.9 | 0.65 (0.55–0.78) | 0.40 (0.29–0.55) | 60 | < 0.001 |
16~64歳 | 3.1 | 2.6 | 1.18 (0.87–1.58) | 1.04 (0.68–1.58) | −4 | 0.86 |
65歳- | 1.8 | 1.0 | 1.02 (0.87–1.58) | 1.40 (0.90–2.19) | −40 | 0.14 |
気管支喘息 | 9.1 | 10.9 | 0.84 (0.71–0.99) | 0.55 (0.42–0.71) | 45 | < 0.001 |
0~15歳 | 16.7 | 24.2 | 0.69 (0.58–0.82) | 0.40 (0.29–0.54) | 60 | < 0.001 |
16~64歳 | 5.6 | 4.3 | 1.30 (0.86–1.97) | 1.04 (0.68–1.58) | −4 | 0.86 |
65歳- | 2.1 | 1.4 | 1.47 (0.53–4.09) | 1.47 (0.40–5.47) | −47 | 0.57 |
上の表のように、全体で見るとワクチンの有効性は40%以上に見えます。しかし、年齢別で見ると、65歳以上ではVEはゼロです。つまり効果なしです。さらに基礎疾患のある65歳以上では、有意ではありませんが、VEは -40%、つまり有害である可能性があります。気管支喘息のある65歳以上でも −47%と有害である可能性があります。ワクチンを接種した方が感染しやすくなる可能性があるということです。
上の図はシーズン別、年齢層別のインフルエンザ感染のオッズ比(OR)です。15歳以下では比較的VEが高いシーズンが多いですが、16歳から64歳では、およそ半分のシーズンで有意差はなく、65歳以上ではほとんどのシーズンで有意な効果はありません。2014‐2015シーズンでは65歳以上の感染の可能性が3.19倍、VEは −219%です。
上の図は、もう少し年齢層を細かくしたものです。50代以上ではワクチン効果は有意ではなく、70歳以上ではVE −17%、80歳以上ではVE −89%、90歳以上ではなんとVE −731%です。超高齢者を減らすためのワクチンなんでしょうか?
上の図は基礎疾患の有無によるワクチンの有効性です。右の基礎疾患ありのグループの80歳以上ではVE −115%です。ワクチンは逆効果ですね。10歳以上の基礎疾患のある人でも有効性はありません。
上の図は、シーズン別、インフルエンザのタイプ別の有効性です。B型には効果があるシーズンの方が珍しいほどです。A型でも半分近いシーズンで有意な効果はありません。
上の図は、年齢層別、インフルエンザのタイプ別の有効性です。A型では50歳以上で有意な効果はなく、80歳以上は有害で、VEは −102%です。B型では30歳以上では効果なしですね。
上の図は、シーズンを2つに分けたときの感染リスクを示しています。2002‐2009年までの方が効果があったように見えますが、2010年以降では全体で有意な効果はありません。
専門家やマスコミは、インフルエンザ感染予防にワクチンを強く推奨しますが、特に高齢者や基礎疾患のある人はワクチン接種が必要であるかのように煽ります。
しかし、日本の内科医自身が出した研究でさえ、ほとんどの基礎疾患のある人に対して有効性は認められず、高齢者、基礎疾患を有する高齢者では、有害性さえ認められているのです。
恐らく内科医としては1粒で2度おいしいのでしょう。ワクチン接種で儲け、高齢者の感染増加でさらに儲けられるのです。
以前の記事「インフルエンザワクチンを接種するとインフルエンザにかかるリスクが高まる」でも書いたように、アメリカの研究での、2024~2025年のインフルエンザワクチンの有効性は-26.9%でした。(図はここより)
別の研究で、インフルエンザワクチン接種は、非インフルエンザ感染症のリスクが4.40倍増加するという研究もあります。(ここ参照)
また、この研究は、恐らく今のインフルエンザワクチンでは限界だから、これからはmRNAワクチンに使用という、mRNAベースのインフルエンザワクチンへ導くためのものなのでしょう。
若年者への有効性も私は信じていませんが、非常に大規模な研究でこのような結果が得られたのですから、専門家もマスコミも、少なくとも高齢者はインフルエンザワクチンを接種しないように注意喚起すべきでしょう。
「Influenza vaccine effectiveness over 17 seasons in a large Japanese cohort: Analyses by age, virus type, underlying diseases and seasons before the COVID-19 pandemic」
「大規模日本人コホートにおける17シーズンにわたるインフルエンザワクチンの有効性:年齢、ウイルスの種類、基礎疾患、COVID-19パンデミック前の季節による分析」(原文はここ)
色々理屈はあるのでしょうが、
個人的な経験では、
仕事柄インフルワクチン接種してますが、
関係無く罹患しました。