短期間のジャンクフードでも長期的に脳のインスリン感受性を低下させる

ご褒美にスイーツを食べている人もいるでしょう。なんのご褒美?ファストフードやジャンクフードが好きで、頻繁に食べている人もいるでしょう。これらの食べ過ぎは、お腹周りにを太くするだけでなく、代謝にダメージを与えます。そして、最もダメージを受けたくない脳にも影響をもたらします。

今回の研究では、BMI 19~25の若く健康な男性29人を対象としています。 通常の食事に加えて広く入手可能で一般的に消費されている高カロリーの超加工スナックを含む5日間の高カロリー食(HCD)と通常の食事とを比較しています。

HCDグループは、フォローアップ 1 訪問の5日前に、高カロリーの超加工スナックを食べて、5 日間連続で毎日のエネルギー摂取量を1,500kcal 増やすように指示されました。栄養士が5日分のパッケージを準備し、それぞれ異なるスナック(例えば、スニッカーズ、ブラウニー、チップスなど、栄養成分当量で脂質47~50%、炭水化物40~45%)を渡しました。

その後、HCDグループの参加者はフォローアップ 2 訪問前の7日間通常食を再開しました。食事日記によると、HCD群はベースラインとフォローアップ 1 回目の訪問の間で1日の総エネルギー摂取量が平均1,200kcal増加したことがわかりました。

どうなったでしょう?(図は原文より、表は原文より改変)

コントロール HCD
ベースライン フォローアップ1 ベースライン フォローアップ1
体組成
体重(kg) 73.9 ± 7.1 74.6 ± 7.0 72.3 ± 9.1 72.8 ± 9.4
BMI(kg/m2 22.15 ± 1.4 22.35 ± 1.3 21.82 ± 2.4 21.95 ± 2.5
ウエストヒップ比 0.85 ± 0.1 0.86 ± 0.1 0.86 ± 0.1 0.86 ± 0.04
総脂肪組織、MR由来(l) 18.85 ± 5.7 18.16 ± 5.2 16.93 ± 4.7 17.43 ± 4.6
皮下脂肪組織、下肢、MR由来(l) 8.74 ± 2.5 8.40 ± 2.3 8.04 ± 2.2 8.28 ± 2.1
内臓脂肪組織、MR由来(l) 1.60 ± 0.7 1.63 ± 0.6 1.70 ± 0.87 1.69 ± 0.9
肝脂肪、H-MRS由来(%) 1.08 ± 0.6 1.22 ± 1.1 1.55 ± 2.2 2.54 ± 3.5
代謝パラメータ
追跡調査2では、空腹時インスリン、グルコース、CRP、γGTのみが利用可能であった。
ベースライン フォローアップ1 ベースライン フォローアップ1
フォローアップ2 フォローアップ2
HbA1c(%) 5.16 ± 0.2 5.15 ± 0.2 5.08 ± 0.3 5.09 ± 0.2
HbA1c(mmol/mol 32.82 ± 2.3 32.82 ± 2.5 32.12 ± 2.6 31.94 ± 1.9
松田インスリン感受性指数(OGTT由来) 18.15 ± 6.9 15.70 ± 5.7 18.12 ± 6.5 16.27 ± 6.2
HOMA-IR 1.9 ± 0.8 2.1 ± 0.7 1.7 ± 0.7 1.9 ± 0.7
1.6 ± 0.9 1.7 ± 0.5
空腹時インスリン(pmol/ l 54.82 ± 22.5 61.09 ± 18.1 47.44 ± 17.8 54.67 ± 18.6
46.60 ± 23.5 48.65 ± 14.3
空腹時血糖値(mmol/ l 4.68 ± 0.4 4.77 ± 0.4 4.77 ± 0.3 4.64 ± 0.3
4.67 ± 0.3 4.61 ± 0.3
空腹時グルカゴン(pg/ ml 84.18 ± 6.3 85.82 ± 7.3 85.78 ± 5.8 83.5 ± 5.7
空腹時中性脂肪(mg/dl 69.18 ± 23.1 68.36 ± 29.1 65.61 ± 22.2 73.11 ± 33.1
IL-6-HS(pg/ml 1.08 ± 0.70 0.96 ± 0.62 1.01 ± 0.92 0.84 ± 0.43
CRP(mg/l 0.04 ± 0.06 0.07 ± 0.13 0.06 ± 0.08 0.05 ± 0.06
0.10 ± 0.17
γ-GT(U/l 21.00 ± 6.6 19.82 ± 7.3 21.39 ± 15.7 19.94 ± 13.1
20.24 ± 15.9
テストステロン(nmol/ l 17.49 ± 4.2 17.51 ± 4.5 19.18 ± 7.1 19.08 ± 5.2
18.76 ± 5.4
間接熱量測定
安静時エネルギー消費量(kcal) 2,115 ± 219 2,166 ± 216 2,195 ± 260 2,155 ± 275
呼吸商 0.85 ± 0.1 0.89 ± 0.1 0.86 ± 0.1 0.88 ± 0.1

上の表のように、体重と体組成はグループ間および訪問間で差はありませんでした。つまり、5日間エネルギー摂取量を爆増しても、体重はほとんど変化なないということです。面白いことに、HCD群と比較して、コントロール群の体重の方が増加してしまっています。ここでもカロリー神話は崩れていますね。ただ、肝臓の脂肪量はHCDグループで増加しています。肝臓脂肪率が64%増加しました。見えない部分に大きな影響がありますね。

代謝のパラメータにはほとんど変化はありませんでした。

では、5日間の高カロリーの超加工スナックの摂取は脳にどのような影響があったでしょうか?HCD前(ベースライン)、5日間の高カロリー摂取直後(フォローアップ1)、および通常カロリー食再開1週間後(フォローアップ2)の鼻腔内インスリン投与による、インスリン誘発性脳活動を、通常食を維持した対照群と比較して評価しました。

難しいことはわかりませんが、上のaおよびbに示すように、HCD群は、フォローアップ1で、対照群と比較して、右島皮質、左ローランド蓋、右中脳/橋の一部において有意に高いインスリン活性を示しました。そして、cに示すように、通常食再開7日後の2回目のフォローアップでは、HCD群は対照群と比較して右海馬と両側紡錘状回で脳のインスリン活性が有意に低下していました。これらの脳領域は、記憶、学習、自己制御などに非常に重要な領域です。

これらの領域におけるインスリン活性低下は、視覚的な食物刺激および記憶プロセスに対する神経反応を減弱させる上で重要な役割を果たしていると考えられます。健常条件下では、鼻腔内インスリンは学習および記憶課題の成績を向上させ、海馬血流および海馬の機能的連結性を増加させることがわかっています。注目すべきは、海馬および紡錘状回におけるインスリン反応の減少は、HCDの消費期間よりも長く持続したということです。特に、海馬のインスリン抵抗性は、末梢のインスリン感受性とは独立して発症する可能性があります。また、アルツハイマー病患者の死後脳組織でも同様の結果が得られています。

今回の研究でも、海馬における脳のインスリン反応性の低下は末梢の代謝の顕著な変動を伴わずに存在したことから、食事誘発性の脳のインスリン反応性の変化が末梢インスリン抵抗性に先行することが示唆されます。

通常、脳内のインスリンは食欲を抑えるのに役立ちます。しかし、脳インスリン抵抗性が増加すると、インスリンのシグナルが伝わりにくくなり、食欲が増し、よりジャンキーな食べ物を選んでしまうことになる可能性が高まるでしょう。つまり、数日間でもジャンクフードを口にするだけで、脳にダメージを与え、それによりさらにジャンクフードを求めるという悪循環に陥り、不健康な食事がやめられなくなると考えられます。

食欲がないことは問題ですが、食欲があることは良いことであるとは限りません。異常な食欲、抑えられないような衝動はすでに脳のインスリン抵抗性が起きている可能性があります。

食品業界と医療業界、マスコミが一体になって、我々を抜け出せない蟻地獄に落としているのです。病院内になぜコンビニがあり、そこで超加工食品やジャンクフードが売られているのでしょう?自動販売機の飲み物は甘いものばかり。テレビではスイーツの特集が頻繁に放送され、ジャンクフードのCMが垂れ流しです。知らず知らずのうちに脳が抗えない状態にさせられています。

抜け出す方法はたった一つ、自分で悪循環を断ち切ることです。本物の食べ物を食べ、糖質制限をしましょう。

「A short-term, high-caloric diet has prolonged effects on brain insulin action in men」

「短期間の高カロリー食は男性の脳のインスリン作用に長期的な影響を及ぼす」(原文はここ

One thought on “短期間のジャンクフードでも長期的に脳のインスリン感受性を低下させる

  1. Instagramでインフルエンザで喉が痛い時はバニラアイスが良い!
    と医師が推奨している動画アップされていました。
    「なんでも良いから食べられるものを!」神話も根強いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です