以前の記事「糖質制限による高LDLコレステロールは心疾患の予測因子ではない」や昨年11月の講演会で取り上げた、KETO-CTA試験ですが、その後の情報です。
講演会では、AI企業Cleerlyによる分析に問題があるのでは?と言いました。KETO-CTA試験は100人の参加者を募集し、それぞれ1年の間隔を置いて2回のCT血管造影を受けました。Cleerlyの追跡調査でプラークレベルが低下した参加者は一人もいませんでした。論文発表後まもなく、Cleerly社が解析していたスキャンが完全に盲検化されていなかったことが判明しました。適切に盲検化されたスキャンセットを用いてCleerly社に再解析を依頼しましたが、Cleerly社は、盲検化による再解析の実施を拒否しました。
複数の参加者が研究のためにスキャン画像を要求し、担当の心臓専門医を通して直接提出したのです。Cleerlyの適切なアカウントを持つ心臓専門医であれば、誰でも患者に代わってスキャン画像を適切に提出できます。
つまり、ある意味では、当初この研究者が依頼していた盲検化解析の一部を、参加者自身が提供したのです。こうした個別の提出は合計19件で、これはこれまでの研究で使用したスキャンデータ全体の約10%に相当するそうです。ベースラインとフォローアップの両方のスキャンを個別に提出した 8 人の参加者に焦点を当てました。(図は一番下のXより)
上の図はKETO-CTA試験でCleerlyのオリジナル解析で報告された軟性プラーク(非石灰化プラーク量、NCPV、赤いバー)の変化と、各参加者の個別提出結果(青いバー)を比較したものです。8人の参加者のうち4人は、両方のデータセットでソフトプラークの増加を示しましたが、そのうち3人は、個々の提出物では研究データよりも進行度が大幅に低いと報告されていました。残りの4人は、研究データでは全員が進行を示しましたが、個々の提出物ではいずれも減少を示しており、完全に逆転しています。最も大きな食い違いは、研究データでは32 mm³の増加と報告されていたのに対し、個々の提出物では48 mm³の減少と報告された1人の参加者で、その差はなんと約80 mm³です。
上の図は8 人の参加者のソフトプラークの変化の中央値です。中央値は、元の研究データでは +20.6 mm³ (31% 増加) でしたが、個々の提出物ではわずか +0.7 mm³ (約 2% 増加) でした。大きく違います。
上の図は変化の平均値です。平均値はさらに顕著で、研究データでは平均+20.9 mm³(42%増加)でしたが、個々の提出物では平均-5.1 mm³(8%の減少)と、減少を示しています。増加と減少、全く逆の結果です。
上の図は、分析方法による違いを示しています。左側はCleerlyのオリジナルの分析です。スキャンの間に処置を受けた1人を除いた99人の参加者を対象に分析したところ、98%でソフトプラークの増加が見られました。変化が見られなかったのはわずか2人でした。退縮が見られたのは0人でした。
真ん中は8つの個別の提出物の分析です。50%が進行、50%が退行を示しています。右側には、95人の参加者を対象としたHeartflowという分析の完全な分析結果が示されています。進行が53%、退行が35%です。右側の結果は真ん中の8人の結果とよく似ています。左側のCleerlyのオリジナルの分析だけが異質です。
実に奇妙な結果です。
オリジナルの Cleerly の分析は非盲検化されたことにより、何らかの力が働いたのでしょうか?
いずれにしても、結局のところ、すべての分析において、ApoB レベルまたは LDL 曝露とプラークの進行の間に関連性は見つからなかったという事実は変わりません。
安心して糖質制限をして、LDLコレステロール値の上昇を静観して下さい。
I want to share a crucial update on our study, KETO-CTA.
(The video for this article is in the next tweet)
Our study recruited 100 participants, each undergoing two high-resolution heart scans, known as CT angiograms, one year apart. (For more background on this study design,… pic.twitter.com/SWOBxg6Ah2
— Dave Feldman (@realDaveFeldman) March 2, 2026



