椎間板変性は糖質過剰症候群

私はほとんどの整形外科疾患を代謝疾患、もっと言えば糖質過剰症候群だと思っています。以前の記事「椎間板ヘルニアの痛みにはまず糖質制限」でも書いたように、椎間板ヘルニアの痛みにも糖質過剰摂取が関係しています。

私も糖質過剰摂取時代の20代のころに椎間板ヘルニアを発症しました。しばらくつらかったのですが、手術もせずに済みました。

長時間のデスクワーク、運動不足、肥満の増加で、腰椎椎間板ヘルニアの発生率が増加していると言われていますが、根本原因は糖質過剰摂取でしょう。

糖質過剰摂取では、高血糖になります。高血糖は終末糖化産物(AGEs)を形成します。AGEsは組織の細胞外マトリックス内に広範囲に沈着し、コラーゲンの架橋を破壊し、生体力学的完全性を損ないます。椎間板は、線維輪、髄核、軟骨終板から構成され、脊椎の安定性と可動性を維持する上で重要な構造物です。

繊維輪の細胞外マトリックスは約20%のプロテオグリカンと60%のコラーゲンから構成され、同心円状の層に組織化されたI型コラーゲン線維が優勢です。過剰なAGEsの蓄積は、病的なコラーゲン架橋を介して有害な構造変化を引き起こし、本来の線維組織を破壊するだけでなく、異常な架橋形成を促進し、最終的に機械的負荷に対する繊維輪の適応能力を損ないます。

椎間板の中心領域である髄核は、非常に機能的な髄核細胞と細胞外マトリックスで構成されています。AGEsの蓄積は髄核細胞に直接的な損傷と機能障害を引き起こし、髄核細胞の生存率を低下させ、増殖を抑制し、アポトーシスを誘導し、それによって細胞数を減少させます。また、細胞外マトリックス合成能力を低下させ、著しい変性につながります。

軟骨終板は椎間板への必須栄養素の輸送を促進するだけでなく、椎間板の内部恒常性も維持する役割があります。軟骨終板もコラーゲンとプロテオグリカン含有量が高く、半減期が長いため、AGEsの蓄積に対して特に脆弱です。AGEsの蓄積は、最終的には椎間板内への栄養素の拡散を損なう可能性があります。

AGEsは活性酸素種(ROS)の生成を促進し、酸化ストレス、小胞体ストレス、コラーゲン架橋およびマトリックス硬化、炎症反応を起こします。

例えば、日本のある研究(ここ参照)では、糖尿病の人では、上部腰椎(L1/2~L3/4)における椎間板変性の発生の可能性を6.83倍でした。

またある研究(ここ参照)では、糖尿病患者は対照群と比較して、腰椎椎間板障害の可能性が1.11倍、腰椎症性神経根症が1.12倍、脊椎すべり症は1.05倍、脊柱管狭窄症は1.1倍で、さらに、糖尿病患者は腰椎に対し注射(ブロック)を受ける可能性が1.13倍、椎弓切除術は1.1倍、脊椎固定術1.35倍でした。

一般の人たちが、椎間板変性疾患など脊椎の疾患が糖質過剰摂取による代謝障害によって起こることに気付くまでは、整形外科は安泰かもしれません。外来で食事の影響について患者さんに説明しても、ほとんど受け流されてしまいます。

痛くなってからでは遅いのです。痛くなったということはすでに変性してしまっています。もちろん、そこから食事を大きく改善すると、少しずつ身体も改善するでしょうけど、ほとんどの人は糖質依存から抜け出ることができません。

身体に異常が来る前に糖質制限を始めましょう。

「Targeting advanced glycation end products: potential therapeutic approaches for mitigating diabetic intervertebral disc degeneration?」

「終末糖化産物を標的とする:糖尿病性椎間板変性を軽減するための潜在的な治療アプローチ?」(原文はここ

One thought on “椎間板変性は糖質過剰症候群

  1. 加齢に伴って、筋力低下や関節痛を実感してますが、ふと辺りを見渡せば
    同年代(アラ還)で自分位
    運動継続できていて通院も不要な
    のは寧ろ希少なのかもしれません。
    糖質制限のおかげです!

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