運動量と消費エネルギーは比例しないのかもしれない

ケアネットに面白い内容の記事があったので紹介します。

運動量が増えれば消費するエネルギーも増えると思い込んでいましたが、違うのかもしれません。

この記事の内容が本当だとすれば、人間の体の適応力は本当にすごいものです。

運動を多くすれば、燃費が良くなり、消費エネルギーがあまり増えないなんて、マラソンをやっている人には実に興味深い話ですよね。

じゃあ、どこからエネルギーを調達するのか?それとも少ないエネルギーで体を動かすことができるのか?

やっぱり、机上の空論ではわからないことばかりですね。何キロをどれぐらいのスピードで走ったから、消費したカロリーは

いくつです、なんてわかったような計算をしていましたが、ちょっと恥ずかしいです。

また、さらにレース中のエネルギー補充があまり意味のないことだと思うようになりました。どうなのかまだわからないことだらけですが、

人間の体は単純ではないことだけは確かです。

激しい運動をしても減量につながらないかもしれない

公開日:2016/02/12  Care Net

Tough Workouts ‘May Not Lead to Weight Loss’

Peter Russell / Medscape 2016/01/29

今回発表されたこの新しい研究結果は、「より多く運動することは体重減少に役立つ」という一般的に抱かれている通念に対して、疑問を投げ掛けるものである。

Current Biology誌で報告された本研究では、より長くジョギングをしたり、ジムでより多く汗を流すことで、体が高い活動レベルに適応し、それ以上のカロリー消費を抑えてしまう可能性を示唆している。

減量のための2つの異なる手段

研究者らは、「本研究で示された結果は、減量や体重維持を図るならば運動は食事療法と一緒に行うべきだ、ということをあらためて認識させるものになるだろう」と述べている。

「運動が心身の健康維持に重要であることを示すエビデンスは多数あり、われわれの研究は、決してそのメッセージを変えるものではない。とりわけ体重を管理したり、不健康な体重増加を予防、改善するためには、食事療法にも注目する必要があることを付け加えるものである」と、本研究を指揮したニューヨーク市立大学のHerman Pontzer教授は言う。

本研究は、アフリカと北米の5ヵ国(米国、ガーナ、ジャマイカ、セーシェル共和国、南アフリカ共和国)から参加した332人の成人を対象とし、1日のエネルギー消費量を1週間にわたり測定した。

エネルギー消費量は横ばい

本研究の結果、より運動することは、測定可能なエネルギー消費量のわずかな増加につながることが示され、この関連性は軽度、あるいは中程度の運動を行った群で、最も強かった。一方、最も激しい運動を行った群のエネルギー消費量はプラトーに達した。

身体活動レベルが中程度の群は、座っていることが多い最低レベルの群よりも、エネルギーを約200kcal多く消費していた。しかし、最も激しい運動をした群では、エネルギー消費において、それに見合う効果が得られなかったようであった。

「最も身体活動レベルが高い群の1日のカロリー消費量は、中程度群と同程度であった」と、Pontzer氏は話す。しかし、と同氏は言う。「過去に、タンザニア北部に古くからいる狩猟採集民族“Hadza”の中で仕事をした経験からすると、この結果は特別驚くにあたらない。Hadzaの人々は信じられないくらい活動的で、彼らは、日常生活の中で毎日長距離を歩き、多くの激しい身体活動を行っている。それだけ高い活動レベルであるにもかかわらず、彼らの1日のエネルギー消費量は、米国やヨーロッパの、座っていることが多い現代的なライフスタイルの人と同程度であった」。彼はさらに続ける。「これは実に驚くべきことであり、それが、私が“活動とエネルギー消費量”の関連を考え始めるきっかけになった」。

Pontzer氏らは今、“人体がどのようにして、追加のカロリーを消費せずに、より高い身体的要求に適応しているのか” についての研究を計画中である。

運動の役割

Pontzer氏は、本研究で、“運動が体重を減少させる役割”については評価項目に入れていなかったが、“運動が減量を成功させる1つの方法になりうる”ということは信じている。「運動と食事療法は2つの異なる手段であると考える必要がある。運動は、心臓の健康を維持するなど、さまざまな利点がある。そして、食事療法は、体重管理をするうえで、より良い手段になる」と彼は述べている。

共同研究者であるコロラド大学 Anschutz Medical Campus(コロラド州オーロラ)のEdward Melanson氏は、「公衆衛生上のメッセージを変える必要はまったくない。なぜなら、運動は糖尿病の予防や正常血圧の維持、ストレスの軽減に役立つからだ。運動は、体重を減らすかどうかにかかわらず、“全般的な健康に”影響を及ぼしている」と述べた。

2 thoughts on “運動量と消費エネルギーは比例しないのかもしれない

  1. こんにちは

    カロリー神話が崩壊していることは私のような末端まで伝わってきましたが、このようなショッキングな情報に際して、人体のホメオスタシスは想像以上に機能していると考えればいいのでしょうか?

    情報ありがとうございます

  2. ささきさん

    今まで常識と思っていたことが、本当は常識でなかったということです。誰かが都合よく考え、その考え方がわかりやすいので、いつの間にか常識と考えられるようになったことは本当に多いですね。

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