以前の記事「LDLコレステロール値が高いだけではアテローム性動脈硬化は起こらない その1」では、LOX-1という受容体が酸化LDLを動脈壁に取り込むのに重要な役割を果たし、LOX-1が活性化されると、内皮機能障害、単球接
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スタチンがHDLコレステロールを低下させることは珍しくない
スタチンはコレステロールの合成を抑制するので、通常はLDLコレステロールが低下します。一方でHDLコレステロールはどうでしょうか? 以前の記事「糖質制限ではどうしてHDLコレステロール値が増加し、中性脂肪値が低下するのか
赤肉や加工肉は本当に悪いか?
アメリカ内科学会は2019年に赤肉と加工肉の摂取に関するガイドラインを出しています。その内容は現在のまま継続して摂取してOKというものです。肉の摂取量を心臓病、がん、または全死亡率に関連付ける証拠が不十分であり、その結果
高齢者は血圧が高い方が死亡率が低下する
これまでも、高齢者の血圧に関して記事にしてきました。(「高齢者の血圧を下げると死亡率が上がる」「高齢者は血圧を下げすぎてはいけない! その1」など参照)80歳を超えていても、若い成人と同じようにガンガン血圧を下げられてい
LDLコレステロール値が高いだけではアテローム性動脈硬化は起こらない その1
LDLコレステロールはいまだに「悪玉」と呼ばれ続けています。しかし、単にLDLコレステロール値が高いだけでは問題にはなりません。よく目にするのが、血管の中のLDLが内皮細胞をすり抜けて内膜に至り、そこで酸化してマクロファ
冠動脈疾患のリスクはインスリン抵抗性が最も重要
中性脂肪が高かったり、HDLコレステロールが低かったりすることは、心血管疾患のリスクを増加させると考えられています。中性脂肪/HDLコレステロール比の上昇はLDLを小さな危険なsdLDLに変化させる可能性を高くします。(
なぜ日本だけがくも膜下出血が増えているのであろう?
今回の研究を読む前は、くも膜下出血も糖質過剰症候群ではないかと考えていました。それは脳動脈瘤の発生に炎症が強く関係していることや、血管のグリコカリックスも関係していると考えられるからです。また日本のデータでは肥満との関連
赤血球の形状の変化と病気 その3
「その1」「その2」では赤血球の形状が高血糖や鉄によって変化することを書きました。糖尿病での赤血球の形状の変化は血管の合併症をもたらすと考えられ、鉄イオンが非酵素的血液凝固を活性化し、走査型電子顕微鏡(SEM)で実証可能