ホーキング博士とスタチン

先日3月14日、偉大な科学者であるスティーブン・ホーキング博士が亡くなりました。76歳でした。

彼はご存知のように、21歳でALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気になりました。体がどんどん動かなくなった後も先進的な宇宙論を示し続けていました。

ALSは重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患です。いまだに有効な治療法は確立されていませんし、原因もはっきりとはわかっていません。5~10%ぐらいは遺伝のようです。

題名のホーキング博士とスタチンとはどのような関係があるのでしょうか?博士とは実際は直接関係なく、ALSとスタチンが関係しています。

先日新しい衝撃的な報告が発表されました。スタチンがALSに大きき関連しているというものです。スタチンが神経細胞を損傷させる可能性が高いことは長い間言われてきています。神経のシナプスは、主にコレステロールで作られています。コレステロールは、神経細胞を囲んで保護するミエリン鞘の健康を維持するために必要とされています。おそらく、スタチンがコレステロール合成を阻害する直接的な効果により、神経細胞を損傷させると考えられます。

スタチンによってどれほどALSのリスクが増加するのか?

スタチンの種類オッズ比(ROR)
ロスバスタチン(クレストール)9.09
プラバスタチン(メバロチン)16.2
アトルバスタチン(リピトール)17.0
シンバスタチン(リポバス)23.0
ロバスタチン(メバコール)107

1.2倍や2.3倍などというかわいい数字ではありません。9倍~107倍です。

ALSは世界中で増加しているとも言われています。その原因ははっきりはしないのですが、このような明らかな、非常に大きなリスクの増加を認めるとなれば、スタチンが原因の一つと言っていいと思います。

そして、恐らくはこのことを製薬会社はすでに知っているはずです。コレステロールの合成を阻害して良いわけがないのです。コレステロールは体に重要な物質ですから。

皆さんはALSに怯えながらスタチンを続けますか?スタチンをやめて糖質制限をして健康を目指しますか?

 

「Amyotrophic Lateral Sclerosis Associated with Statin Use: A Disproportionality Analysis of the FDA’s Adverse Event Reporting System」

「スタチン使用に関連する筋萎縮性側索硬化症:FDAの有害事象報告システムの不均衡分析」(原文はここ

要約

前書き:
スタチン使用に関連する筋萎縮性側索硬化症(ALS)様症状の報告における明らかな上昇は、米国および欧州のデータベースを介して得られたデータから以前に記載されている。

目的:
この研究の目的は、各スタチンとの間のALSとALS様の状態の報告オッズ比(ROR)を比較するための米国FDA有害事象報告システム(FAERS)データを調べることであった。

方法:
我々は、RORの式を使用して、スタチン系薬剤ごとに別々に報告されたALSおよびALS関連条件の不均衡率を評価した。FAERSデータは2015年9月まで分析された。

結果:
ALSのRORは、すべてのスタチンについて上昇し、親油性スタチンについてはおそらく上昇が高かった。RORの範囲はロスバスタチンおよびプラバスタチン(親水性)の9.09(6.57-12.6)および16.2(9.56-27.5)、アトルバスタチン、シンバスタチンおよびロバスタチン(親油性)で17.0(14.1-20.4)、23.0(18.3-29.1)および107(68.5-167)であった。シンバスタチンについては、57.1(39.5-82.7)のRORが、運動ニューロン疾患に関して別個に存在した。

結論:
これらの知見は、有意に上昇したALS報告が個々のスタチン剤に及ぶことを示す以前の証拠を拡張し、スタチンの使用に関連したALS様症状の潜在的な上昇の懸念を追加する。

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