低脂質高糖質の食事は空腹時でもレムナントリポタンパク質を激増させる

レムナントリポタンパク質の有害性は何度も書きました。(「レムナントコレステロールは心臓に悪い! だったら、糖質制限でしょ!」など参照)空腹時のレムナントが残っていることについては「レムナントリポタンパク質は食後12時間経っても大量に残っている」でも書きました。

今回の研究が示しているのは、脂質が低く糖質たっぷりの食事は、通常の食事(糖質制限ではない)と比較しても、空腹時にも関わらず、レムナントを激増させるようです。(図は原文より)

上の図は食事の内容です。対照群の1日の食事はPFCバランスではエネルギ-比でタンパク質:脂質:炭水化物(糖質)は16%:35%:50%です。(足しても100になりませんが、プラスマイナスの幅がありますので、このままにしておきます)飽和脂肪酸は37gで、コレステロールは283gです。食物繊維は30g。炭水化物(糖質)は354gでかなり多めです。その炭水化物の内単糖は160gも摂っています。

一方低脂質高炭水化物の食事のPFCバランスは17%:15%:68%です。飽和脂肪酸は18gで、コレステロールは150gです。食物繊維は45gとここまで見ると、一般的な古い考えではこちらの食事の方が健康的に思えます(実際は違いますが)。炭水化物は499g!単糖は220gとなっています。

このような食事を同じ人が両方の食事を摂って、その違いを比較しました。まず空腹時の脂質の状態を調べました。

NLというのは正常脂質血症の群で、HTGというのは高中性脂肪血症の群です。それぞれの対照群と低脂質高炭水化物群で血中の脂質を見てみると、空腹時の中性脂肪値がかなり違いがあるのはわかります。NLの対照群では空腹時の中性脂肪が68であるのですが、低脂質高炭水化物群では100、HTGの対照群では149、低脂質高炭水化物群では228にもなります。つまり、低脂質高炭水化物の食事は対照の食事と比較してかなり中性脂肪値を増加させることがわかります。

また、LDLコレステロールやHDLコレステロールは低脂質高炭水化物群で低下しました。LDLだけでなく、HDLも低下しています。逆にVLDLは低脂質高炭水化物群でかなりの増加を示しています。

一般的な古典栄養学的に考えると高脂質、高飽和脂肪酸、高コレステロールの食事の方が中性脂肪値やVLDLコレステロール値が高くなりそうですが全く逆の結果です。

次に空腹時のアポリポタンパク質のapoB100とapoB48の両方を測定しています。apoB100はVLDLやLDLを構成してるアポリポタンパク質ですが、中性脂肪が豊富なリポタンパクであるVLDLのapoB100の測定値です。apoB48はカイロミクロンのアポリポタンパク質です。カイロミクロンの非常に短い半減期を考えると、12時間の絶食の後の空腹時ではほとんど残っていないと考えられます。しかし、実際には食事により空腹時にもまだたくさんのレムナントが残っているようです。

対照群と比較すると低脂質高炭水化物群ではapoB100でおよそ2倍、apoB48は2倍以上の増加です。空腹時のapoB48が多いということはカイロミクロンのレムナントが大量に残っていて、それがVLDLと競合し、VLDLもなかなか消失せずに残ってしまっていると考えられます。そのようなことにより、VLDLのレムナントもカイロミクロンのレムナントも中性脂肪をたくさん含んでいるので、中性脂肪値が非常に高値になってしまうのです。

糖質をたくさん摂ると中性脂肪値が高くなります。逆に糖質制限ではみなさんの血液のデータからも明らか(「驚きの結果!糖質制限におけるHDLコレステロールと中性脂肪 みなさんの血液データから その2」参照)なように非常に中性脂肪値は低くなります。

LDLよりもHDLと中性脂肪値が最も重要と考えています。糖質摂取量と中性脂肪値は明らかに関連しています。空腹時の中性脂肪値が100以上ある方は、糖質量がまだ多いのではないでしょうか?

「Effects of a low-fat, high-carbohydrate diet on VLDL-triglyceride assembly, production, and clearance」

「低脂肪高炭水化物の食事がVLDL中性脂肪の集まり、生産およびクリアランスに及ぼす影響」(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする