筋トレでインスリンを分泌するための糖質(炭水化物)は必要ない その1

筋トレの後に筋肉を増量するのにプロテインを飲んでいる人も多いかと思います。その際、筋肉の増量にはインスリンが必要であり、そのために糖質(炭水化物)をたっぷり摂取しなければいけない、と考えている人がいると思います。ボディービルダーの方もそうではないかと思います。(違っていたらごめんなさい)

ダルビッシュ選手も筋肉を増やすときには糖質をしっかり摂り、その後糖質制限をして、体重を絞るということをやっていたと聞きます。

では、筋トレで筋肉を増量する際に、本当に糖質が必要なのでしょうか?

タンパク質に関するインスリンの働きは、タンパク質の合成を促進することと、タンパク質の分解を抑制することです。インスリンは糖質にだけ反応して分泌されるわけではありません。タンパク質の摂取でも分泌されます。以前も書いたようにインスリンはタンパク質による分泌の方が本来の働きではと思っています。

この研究では、トレーニングの後に炭水化物だけ、タンパク質だけ、タンパク質+炭水化物の3つのグループに分け測定しています。タンパク質群はホエイ濃縮物37.5グラム(ホエイタンパク質30g、ラクトース5gと1g未満の脂肪)を与え、炭水化物群は34.5グラムのマルトデキストリンを与え、タンパク質+炭水化物群には、37.5グラムのホエイ濃縮物(30gのホエイタンパク質)および34.5グラムのマルトデキストリンが与えられました。ただ、研究中の食事に関しては食事日記を使用しているので、トレーニング後に与えられた上記のもの以外の食事はコントロールされていない部分が多いのも否めません。(図は原文より)

上の図は除脂肪量(骨は除く)、つまり筋肉量で、aが総除脂肪量、bは総除脂肪量の変化量、cが体重で割った1kg当たりの除脂肪量、dは1kg当たりの除脂肪量の変化量、eは脚の除脂肪量、fは脚の除脂肪量の変化量です。白いバーは炭水化物群、グレーのバーはタンパク質群、黒いバーはタンパク質+炭水化物群です。

そうすると、bで示すように、全体の筋肉量の増加量は全ての群で差を認めませんでした。しかし、dで示すように体重で割った1kg当たりの筋肉量の増加はタンパク質群では炭水化物群と比較して有意に多くなりましたが、タンパク質+炭水化物群はその2つの群の中間に留まりました。また、fに示すように脚の筋肉の増加はすべての群で差はありませんでした。

上の図は脂肪量です。aが総脂肪量、bは総脂肪量の変化量、cが体幹の脂肪量、dは体幹の脂肪量の変化量、eは腹部の脂肪量、fは腹部の脂肪量の変化量です。そうすると、b、d、fで示すように脂肪量は炭水化物群と比較してタンパク質群で有意に低下しています。タンパク質+炭水化物群も低下していますが、タンパク質群と比べるとその変化は小さくなりました。

上の図は大腿の断面積ですが、どの群も増加し差は認めませんでした。

つまり筋トレの後にタンパク質を摂ると確かに筋肉量は増加しますが、そこに糖質(炭水化物)を加えると、タンパク質のみの場合よりも増加量がやや少なくなるようです。ということは、筋トレでインスリンを分泌するための糖質(炭水化物)は必要ないということです。タンパク質のみで分泌されるインスリン量だけで十分と思われますし、それよりも多くインスリンが分泌されると意味がないか、または効果が減少するのかもしれません。

糖質のたっぷり入ったプロテインを飲むことにより確かにグリコーゲンは補充されるかもしれません。そして筋肉も増加するでしょう。しかし、インスリンを分泌するという目的で糖質は全く必要がないと思われます。糖質たっぷりで血糖値が上昇することによりAGE(終末糖化産物)も産生されます。AGEがくっついたタンパク質でできた筋肉は非常に質の悪い筋肉と考えられます。

筋トレ後も糖質制限の方が効果的かもしれませんね。

「The effects of whey protein with or without carbohydrates on resistance training adaptations」

「炭水化物の有無にかかわらずホエイタンパク質が筋トレ適応に及ぼす影響」(原文はここ