食事を変えれば糖尿病を逆転できる

2型糖尿病が一生付き合っていかなければならない病気だと思っているのなら、その神話はウソです。そう思い込まされているだけです。あなたが2型糖尿病となって治療しているにもかかわらず改善しないのであれば、それは治療法と食事法が間違っているのです。(「2型糖尿病は慢性疾患ではない!医療が慢性にしているだけ」参照)

糖尿病の専門医は必ずしもあなたに最善の方法を教えてくれるわけではなく、学会のガイドライン通りの治療をする医師がほとんどです。その医師たちのこれまでの経験を考えれば、患者が治るとは思っていない治療法でも、それが学会のやり方です。

しかし、病気を治すのは自分自身です。糖質たっぷりのカロリー制限食と糖尿病薬をいくら続けてもあなたは糖尿病のままです。食事を変えればひょっとしたらビックリするくらい早く逆転ができるかもしれません。

今回は3人の糖尿病の人の紹介です。どの患者もインスリンを使用し、10~25年の糖尿病歴です。彼らは24時間の間欠的断食(インターミッテントファスティング)を1日おきまたは週に3回行いました。

患者の特徴は次の通りです。

年齢性別2型糖尿病の治療年数治療併存症断食の頻度/期間
患者140男性20インスリングラルギン58単位

インスリンアスパルト22単位

SGLT2阻害薬カナグリフロジン300 mg

メトホルミン1g

高血圧
高コレステロール血症
週3回、7か月間
患者252男性25インスリンリスプロミックス単位-38 / 32 25IU慢性腎臓病
腎細胞癌(腎切除術2004)
高血圧
高コレステロール血症
週3回、11か月間
患者367男性10インスリンリスプロ朝25〜30単位、夜間20単位

メトホルミン1g

高血圧
高コレステロール血症
1日おき、11か月間

6時間にわたる栄養セミナーを受けた後、週に3回の24時間断食を始めました。24時間断食の日は夕食のみ、断食のない日は昼食と夕食を摂りました。つまり朝食は食べません。食事は低炭水化物のものを推奨されました。

7~11か月後どのようになったでしょうか?3人全員がインスリンを中止することができました。

開始HbA1c(%)最終HbA1c(%)最終糖尿病治療薬初期重量(kg)最終重量(kg)最初の胴囲(cm)最終的な胴囲(cm)インスリンを止めるまでの日数
患者1117カナグリフロジン300 mg83.873.8100875
患者27.26なし6150.4897018
患者36.86.2なし97.188.112311013

しかも、もっとも早い人でたった5日で大量に必要であったインスリンを止めることができたのです。長い人でも18日でインスリンを離脱しています。2人はすべての薬を止め、1人は1種類のみの薬だけです。3人とも低血糖のエピソードはありませんでした。患者1の人はこの断食が難しくなくできたと報告しています。

HbA1cの推移は以下のようです。

患者3の人は、断食が「簡単」であり、このような食事を開始する前にかつて経験していた炭水化物への欲求がなくなり、より高いエネルギーレベルを経験したと報告しています。

現在、医師も栄養士も「3食しっかりとバランスの良い食事」を推奨しています。しかし、3食しっかり摂る必要はあるのでしょうか?私は1日2食ですし、多くの糖質制限を実践している人は1~2食です。しかも朝食を抜いている人も多くいます。巷では朝食を抜くことが不健康だという人がいますが、根拠はありますか?1日3食や朝食を食べることが健康的であることを示す根拠を知っている人がいたら教えてください。実は全く科学的根拠はありません。

24時間の断食は実際には1日1食であれば、毎日24時間断食をしていることと同じです。糖質制限をすれば、空腹はあまりなく、断食も難なくできます。そして継続も無理なくできます。もちろん断食期間中、水やコーヒー、茶およびボーンブロスなどの液体を無制限に飲むことができます。一般的なマルチビタミンサプリメントにより適切な微量栄養素を摂取しても構いません。24時間以内の断食ならサプリメントは必要ないと思いますが。

糖尿病の人に対して糖質たっぷりのカロリーだけを制限する食事法を推奨するのは非常におかしな話です。血糖値を下げたいのに血糖値を上げる糖質をしっかり摂らせているのですから。「糖尿病食」とは「糖尿病のままで居続けるための食事」です。

「糖質制限食」は「糖尿病の逆転を起こす食事」です。しかも、間欠的に断食を併用すればさらに改善のスピードが速くなる可能性があります。食事と食事の間隔は長い方がインスリンが分泌されていない時間が長くなり、健康的なのです。体重が減り、お腹周りは減少、中性脂肪値は低下、HDLコレステロールは増加、ケトン体も増えていいことばかりです。24時間が無理だとしても、朝食を抜くだけでも十分だと思います。朝食を抜けば16時間程度は断食できます。夕食は糖質制限であればお腹いっぱい食べることができます。

もちろん断食を併用しなくても、糖質制限をしっかりやるだけで2型糖尿病を逆転することは十分可能です。一生の病気にする前に早く糖質制限を始めましょう。

 

「Therapeutic use of intermittent fasting for people with type 2 diabetes as an alternative to insulin」

「インスリンの代替として2型糖尿病の人への間欠的な断食の治療的使用」(原文はここ

4 thoughts on “食事を変えれば糖尿病を逆転できる

    1. 登梛正さん、コメントありがとうございます。

      糖尿病を逆転できて良かったですね。
      今後も可能な限り良い情報を提供していきたいと思います。

  1. こんにちは。
    うちの母も2型糖尿病(合併症なし)でしたがぼくの勧めで糖質制限をはじめて血糖値は正常値にまで落ちてきていますね。主治医の内科医は糖質制限に否定的なひとなので内緒にしているそうですが血糖値が正常になってきているのを見て不思議がっているそうです。
    父も同じく糖質制限をはじめて血圧が下がって体重も減ってすっきりしてきております。
    健康的に長生きしてほしいので本当に良かったなと思っているところです。

    1. 登山好きランナーさん、コメントありがとうございます。

      血糖値が下がって不思議がっている頭の固い内科医の顔が目に浮かびます。
      お父さんもお母さんも糖質制限で健康に向かい良かったですね。

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