五十肩(凍結肩)は高血糖が原因かもしれない

五十肩と俗に言われている凍結肩で苦しんでいる方もいると思います。50歳前後の人で、肩の動きが悪くなり、痛くて腕の可動域が非常に制限されます。

日本整形外科学会のホームページではその原因と病態について次のように書かれています。

「中年以降、特に50歳代に多くみられ、その病態は多彩です。

関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。」

実際の原因ははっきりわかっていないとされていますが、上の説明では老化→炎症→癒着→凍結肩、となっています。しかし、私は最初の「老化」というのには非常に疑問を持っています。何をもって「老化」とするのでしょうか?老化は誰にでも起こるのに、凍結肩はみんなに起きることではないのはなぜでしょうか?原因がわからないとき、老化のせいにすることは医学の世界にはよくあることです。老化のせいにすれば患者さんはみんな「仕方がないな」と思ってしまうからです。非常に都合の良い言葉です。

私は多くは糖質過剰摂取による食後高血糖とそれに伴ってAGE(終末糖化産物)の産生が起き、筋肉、腱、結合組織のコラーゲンがAGEのくっ付いた質の悪いものになり、炎症を起こすことにより、凍結肩が起きると考えています。つまり「老化」ではなく「糖化」です。

コラーゲンの半減期は組織によって非常に大きく異なります。骨で1~2年、皮膚で14.8年、軟骨では117年と言われています。筋肉、腱、筋膜(結合組織)のコラーゲンの半減期は詳しくは知りませんが、非常に長いと考えられ、いずれにしてもAGEがくっ付いてできたコラーゲンは分解されにくくなります。そして、AGEはコラーゲンの表面を改変して、修復を阻害したり、炎症を悪化させたりし、コラーゲンは硬く、弱くなってしまいます。

さらに高血糖の結果としての肩関節の周りにも微小循環障害が起き、その循環障害は、組織低酸素症、フリーラジカルの過剰産生をもたらし、最終的に潜在的なアポトーシスにつながるのです。そして、関節組織の破壊および変性や線維化をもたらす可能性があります。

糖尿病の人の肩の障害の有病率は27.5%であり、一般的な人の5.0%と比較して非常に高いことが示されています。

18の研究のメタアナリシスがあります。(図は原文より)

上の図は非糖尿病の人と比較した糖尿病の人の凍結肩のリスクです。なんとそのリスクは5倍です。関連があることと因果関係があることは違いますが、5倍にもなるリスク増加は果たしてただの関連でしょうか?

上で書いたメカニズムを考えると、因果関係とも考えられます。もちろん糖尿病でなくとも、高血糖が起こることにより、AGEが蓄積して、凍結肩をもたらすと考えられるのです。

つまりは普段の糖質過剰摂取が、頻繁な血糖値スパイクを起こし、AGEをどんどん産生しているのです。

凍結肩になってからでは遅いので、普段から糖質制限を行うことにより予防ができると考えられます。不幸にもなってしまったら、リスクがないわけではありませんが、サイレントマニピュレーションがお勧めです。

「Adhesive capsulitis of the shoulder and diabetes: a meta-analysis of prevalence」

「癒着性肩関節包炎と糖尿病:有病率のメタアナリシス」(原文はここ