尿酸値が高いことは悪いことなのか? その3 パーキンソン病

以前の記事「尿酸値が高いことは悪いことなのか? その1 骨と筋肉」に続いて「尿酸値が高いことは悪いことなのか? その2 認知症」では、尿酸値が高い方が認知症のリスクが低いことを書きました。

今回は認知症にもなる、2番目に一般的な神経変性疾患であるパーキンソン病と尿酸値の関係についてです。

13の研究のメタ分析で、合計4,646人(2,379人のパーキンソン病患者および2,267人の対照)が対象です。(図は原文より)

上の図はパーキンソン病とコントロール群の尿酸値を比較したものです。パーキンソン病ではコントロール群と比較して、有意に尿酸値が低いことを示しています。

上の図の上は非アジア地域の人と、下はアジアの人のものです。アジア人ではより顕著に尿酸値が低いこととパーキンソン病が関連があることが示されています。

上の図は上が男性、下が女性です。どちらも同様にパーキンソン病では尿酸値が低いのがわかります。

もちろん、尿酸値が高いことが直接パーキンソン病に保護的なのかはわかりません。しかし、少なくとも尿酸値が低い状態は認知症やパーキンソン病のリスク因子である可能性が高いでしょう。

アルツハイマー病と同様に、パーキンソン病でも酸化ストレスの増大があり、それに対する抗酸化物質としての尿酸の役割は大きなものである可能性があります。

ますます、薬で尿酸値を下げる意味をもう一度見直す必要があると思ってしまいます。

 

「Serum uric acid levels in patients with Parkinson’s disease: A meta-analysis」

「パーキンソン病患者の血清尿酸値:メタアナリシス」(原文はここ

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