エネルギー消費は運動しているときだけではなく、当然寝ているときにも起きています。この寝ているときのエネルギー消費量は、食事や運動によって変化するのでしょうか?
今回の研究では、18〜30歳の健康な男性を対象に実験しました。
最初は脂肪は37%、炭水化物は48%、タンパク質は15%の食事を5日間食べ、次の3日間は様々な条件の食事をします。高脂肪食条件は、脂肪50%、炭水化物35%、およびタンパク質15%を与え、低脂肪食条件は、脂肪20%、炭水化物65%、およびタンパク質15%を与えました。それぞれの食事の条件で、運動する群と非活動群に分かれました。摂取エネルギー量は安静時エネルギー消費量をもとに非活動群では安静時エネルギー消費量×1.4、運動群では安静時エネルギー消費量×1.8としました。
運動は毎時3マイル、3%傾斜のトレッドミルの歩行を1日3回、エネルギーバランスを維持するように行われました。結果は以下のようです。(図は原文より)
上の図は、Aが睡眠中のエネルギー消費量の変化、Bはその個々の変化、Cは24時間の呼吸商の変化です。●は高脂肪食運動群、○は高脂肪食非活動群、■は低脂肪食運動群、□は低脂肪食非活動群を表しています。
呼吸商はどの栄養素がエネルギーとして使われているかを推測できるもので、糖質がメインであれば1に近づき、脂質がメインであれば0.71に近づいていきます。24時間の呼吸商が上昇する場合には糖質が多くエネルギー源となっていると考えられ、逆に低下するのであれば脂質が多く使われていると考えられます。
そうすると、AとBを見ると、明らかに高脂肪食運動群で睡眠中のエネルギー消費量が増加しています。高脂肪食非活動群と低脂肪食運動群は横ばい、低脂肪食非活動群は逆にエネルギー消費量が低下してしまっています。
Cのグラフを見ると、高脂肪食の両方の群ともに呼吸商が低下し、脂肪が多くエネルギー源になっているのがわかります。一方低脂肪食の両方の群は呼吸商が上昇しており、糖質が多くエネルギー源になっていることがわかります。
糖質を過剰に摂取していると、運動しても睡眠中のエネルギー消費量が変化せず、糖質過剰摂取してさらに運動もしていない場合には逆に睡眠中のエネルギー消費を低下させる可能性があるということになります。
一方、糖質を制限して高脂肪食を食べて、運動もすれば寝ているときでさえ消費エネルギーが増加することになります。
以前の記事「エネルギー消費量は食事で変わる」でも書いたように、「カロリーはカロリー」ではなく、どの栄養素を摂取するかによってエネルギー消費量も変化するのです。カロリーが同じであればどの栄養素の同じなのではありません。だから、カロリーだけを計算することは非常に無駄なことです。
糖質制限をするだけでも当然体脂肪がエネルギーに使われて体重が減少しますが、運動も加えればさらにエネルギー消費量が増加し、体重の減少が大きくなるかもしれません。
眠っている時間は1日の3分の1から4分の1程度なので、その時間帯のエネルギー消費量は無視できません。
「Interaction between dietary fat and exercise on excess postexercise oxygen consumption」
「運動後の過剰酸素消費に対する食事脂肪と運動との相互作用」(原文はここ)
眠っている間の体重減少ってけっこうありますよね。
最近は親子ともに朝食抜き(orプロテインorMCTゼリー)、昼は低糖質麺やマンナンヒカリご飯を利用した糖質控えめのお弁当、夜は主食抜きでできるだけ糖質カットという感じにしていますが自身は+αで朝、昼はココナッツオイル大さじ1杯珈琲と一緒に摂取、おやつや酒のお供にうチーズ類、最近は特にクリームチーズを食べるようにして脂質を意識するようにしています。ただ、自分自身は標準体重以下になっているのでこれ以上の体重減はなかなか厳しいのだろうとは思ったのですが逆に日曜日の奈良マラソン以降、体重が一気に増加しちゃってどうしたものかと考えてるところです。平均して58kg前後をキープしていたのがレース翌日57kgから二日目に59kgと徐々に増えて今朝はついに60.4kgに。逆に体脂肪率は16%前後だったものが今朝は12%まで下がっていました。フルマラソンをまともに走ったのが実は今回がはじめて(2年前は途中からほぼ歩いた)なので体の変化に戸惑っています。脂質を意識して食べてるので以前より摂取量が増えているのは確かなのでそのせいなのかフルマラソン後の体の変化なのかしばらく様子見てみようと思います。週明けからRUNも再開するので落ちなければ食事見直します。
登山好きランナーさん
フルマラソンやウルトラマラソン後に体重が増えることはよくあることです。レース中は水分しか摂っていないことを考えると、
レース直後の体重増加は水分が過剰なのでしょう。
しかし、その後日の体重増加は、炎症などにより血管透過性が亢進し筋肉などの組織の浮腫が起きるのか、
傷んだ組織を修復する過程でタンパク質や水分がその組織に移動するのか、
またレースという過酷な状況で体が急性の飢餓状態になり、体が様々な栄養素を吸収しやすくなり、蓄積しやすくなっているのではないかと推測しています。
真実はわかりませんが。人間の体は面白いです。
体重がもとに戻ることが一つの回復の目安だと思います。