2019年3月の血液検査データ

糖質制限を始めてどれくらいたったでしょうか?最近血液検査をするたびに、毎回、このデータにどんな意味があるのかを考えています。基準値に収まれば健康で、その範囲を外れたら異常である、という単純なものではありません。食事が変われば、血液データも変わるからであり、一般的なデータの基準値は糖質過剰摂取状態での基準値だからです。

2019年3月の血液の検査のデータを提供したいと思います。

TSH:0.781μIU/ml(0.500~5.000)
F-T4:1.67ng/dL(0.9~1.7)
F-T3:2.70pg/mL(2.3~4.0)

全く問題ない値です。恐らく、糖質過剰摂取ではTSHが増加し、T4からT3への変換が増加し、FT4は減少しFT3は増加します。そうだとすると、糖質制限では反対の現象が起きても不思議ではありません。TSHは低下し、FT4は増加しFT3は減少します。私の甲状腺の値はまさにそのようになっています。基準値範囲ですが、TSHは下限ギリギリ、FT4は上限ギリギリ、FT3は下限近くです。そう考えると糖質制限で低T3になるのは別に不思議な現象ではなく、当たり前の現象なのかもしれないのです。基準値範囲が糖質過剰摂取での範囲なので、FT3が高めの範囲の設定になっているだけなのです。

以前の記事「糖質制限のときの甲状腺ホルモン低下(低T3症候群)」で書いたように、糖質制限でのT3低下は問題ではなく、そのときにエネルギー切れや倦怠感を感じるのであれば、それはエネルギーの摂取不足や塩分摂取不足によるものではないかと考えられます。

体調が問題なければ、基準値を少しはみ出したって問題ないでしょう。

空腹時血糖値:93mg/dL(110未満)
空腹時インスリン値:2.8μU/mL(2.2~12.4)
HbA1c:5.1% (6.2未満)

血糖値も空腹時インスリン値も良い結果です。HbA1cも良い値です。

インスリン抵抗性 HOMA-IR:0.64(1.6以下)と非常にインスリン抵抗性が低いですね。

総ケトン体:273μM/L(131以下)
血中βヒドロキシ酪酸:254μM/L(85以下)
アセト酢酸:19μM/L(55以下)

ケトン体は検査上の正常値(基準値)を大きく上回っています。しかし、今回はかなり低めですね。どうしてかはよくわかりませんが、問題ないでしょう。

尿酸:6.1mg/dl(3.6~7.0)

中性脂肪:34mg/dL(50~149)
総コレステロール:329mg/dL(150~219)
HDLコレステロール:93mg/dL(40~80)
LDLコレステロール:205mg/dL(70~139)

昨年10月のデータ(「2018年10月の血液検査データ」参照)より、LDLコレステロールも総コレステロールも低下してしまいました。コレステロール値には季節性があるようで、冬の方が高い傾向にあると言われていますが、私の場合は逆のようです。(下に掲載した論文参照)どちらにしても全く問題ないです。スタチンが好きな医師であれば、すぐにスタチンを処方される値ですが。

中性脂肪/HDLコレステロール比:0.37(1.3以下) と抜群の値です。

レムナント様(RLP)コレステロール:2.9mg/dL(7.5以下) とレムナントも相変わらず非常に少ない状態です。

クレアチニン:0.92mg/dL(0.65~1.09)
eGFR:69mL/min
BUN:19.9mg/dl(8.0~20.0)

今回はシスタチンCは調べていません。

今回はクレアチニンが若干高いため、eGFRは低めです。厳密な値ではないので、クレアチニンが高くなり続けるようであれば、またシスタチンCを調べようと思います。

GOT:15U/L(10~40)
GPT:12U/L(5~45)
γGTP:16U/L(79以下)

総蛋白:7.7g/dL(6.5~8.2)
アルブミン:4.9g/dL(3.7~5.5)

血色素量(Hb):15.2g/dL(13.6~18.3)
白血球数:4520/μL(3500~9700)
赤血球数:535万/μL(438~577)

全て、問題ありません。肝機能良好です。貧血もありません。

ナトリウム:141mEq/L(135~145)
カリウム:4.1mEq/L(3.5~5.0)
カルシウム:9.5mg/dL(8.6~10.2)

マグネシウム:2.4mg/dL:(1.7~2.6)

全て正常です。理想的な電解質です。

最初にも触れましたが、実際には糖質制限をしている場合の血液検査の基準値は不明です。食事が変われば体も変わりますので、これまでの糖質過剰摂取をしている人から得られた基準値がそのまま当てはまるかどうかはわかりません。

「人間ドック受診者におけるLDLコレステロール値の季節変動」(日本語の論文です)(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 40代男性 より:

    はじめまして。
    いつも興味深く拝見しております。
    私も中年にさしかかり健康が大きな関心事です。
    食事と運動には気遣っていますが健康診断の項目の中で脂質異常だけ改善されません。
    ドクターシミズ様も総コレステロール値とLDL値は一般的な基準からすれば高いようですね。
    本当に大丈夫なのかは血管の中を覗いてみないと分からないのではないでしょうか?
    私もドクターシミズ様と似たような数値ですので気がかりです。
    素人考えのコメント、失礼しました。

    • Dr.Shimizu より:

      40代男性さん、コメントありがとうございます。

      本当に大丈夫か?血管の中は実際に覗けないので、頸動脈エコーでは見ていますが、問題ありません。
      以前の記事「LDLコレステロール値は役に立たない」で書いたように、LDLコレステロールは高くても低くても心臓の血管は詰まってしまいます。つまり、LDLコレステロールと心血管疾患との関連は非常に怪しいです。
      LDLコレステロール値の基準値は糖質過剰摂取者のものしか存在していません。
      糖質制限ではかなりの割合でLDLコレステロール値は高くなります。それが良いことなのか悪いことなのかのエビデンスはまだ存在しません。
      しかし、その他の因子はどれも良い方に変化します。だから私はLDLコレステロール値は気にしていません。
      後日、LDLコレステロールとの関連についてまた記事にしようと思います。