2011年3月11日、未曽有の大地震を経験し、福島の原子力発電所がメルトダウンを起こし、今もなお放射能で汚染された大量の水が海に捨てられています。8年経っても事故を起こした原発の中の調査さえままならない状況です。
1986年のチェルノブイリ原発事故後、先天性心疾患の発生率の増加が近隣諸国で報告されたそうです。日本の状況はどうでしょうか?(図は原文より)
上の図は2007年から2014年までの日本胸部外科学会の年次調査のデータからのものです。出生10万人当たりの先天性心血管奇形の手術件数です。一般的に、形態学的異常は、胎内での発生の早い段階で起こるとより深刻になる傾向があります。この 研究では、心臓の器官形成前後の期間に従って分類しました。 心臓の奇形の種類により、発生の早い段階のA:「Early」とその後のB:「non-Early」に分け、奇形の複雑さによりC:「Complex」とD:「non-Complex」に分けています。
2011年を境にその後の4年間はAとCの図に示すように「Early」と「Complex」が増加しています。発生早期で起きる奇形の多くは複雑なので、当然でしょう。
上の図はそれぞれの心臓奇形の種類ごとのグラフです。様々な種類の奇形が増加しているのがわかります。
上の図は新生児、乳児である1歳未満の手術(A、C)と1歳から17歳時での手術(B、D)のグラフです。1歳以降の手術は変化がありませんが、1歳未満の複雑な心臓奇形の手術はやはり2011年以降増加しています。複雑な心臓奇形ほど生まれて間もなくの手術が必要になる可能性が高いです。「non-Early」の奇形では2011年前後で変化はなく、複雑な心臓奇形が少ないので、1歳以降の手術も変化していないというより減少しています。
このように、2011年以降先天性の心臓血管奇形による手術は約14%増加しています。
先天性異常である停留精巣に対する手術は、2011年の福島の原発事故の後、全国で13.4%増加したそうです。
このような先天性の疾患の増加は単なる偶然でしょうか?
もちろんこのような増加の原因を原発事故だという確かな証拠はありません。
国はちゃんとした調査をしているのでしょうか?していたとしても因果関係はわからないとか、否定するでしょう。調査しても得たデータを改ざんして、統計の不正をするのは得意ですから。
日本は原子爆弾を落とされた、世界で唯一の被爆国です。そして、チェルノブイリ原発事故は起きていますが、非常に少ない原発事故を起こした国です。それなのに、政府は未だに原発を推進し、企業は世界に原発を売りつけようとしています。
昨年、北海道は地震の被害に遭いました。(「北海道の地震」参照)北海道全域が停電となるブラックアウトを経験しました。その地震が起きた場所は、これまで指摘されてきた活断層とは違います。北海道電力も地震が起きる可能性が高い場所にわざわざ火力発電所を作ったわけではないので、予想外の地震でブラックアウトになったのでしょう。この地震が泊原発の直下で起きたら大変なことになっていたかもしれません。活断層は関係ありません。しかし、原発の再稼働を検討する際に活断層の有無が問題になっています。活断層があろうがなかろうが巨大な地震を起こす可能性があります。
そうであるならば、どこの原発も危険であるのです。福島の事故以来しばらくは原発が全て止まっていたのに日本は電気供給が間に合っていました。東電がパフォーマンスのように計画停電はしましたが、今では夏の猛暑で電気需要が増えても、節電を訴えることもありません。
この国、この世界に原発は必要ありません。
福島の原発事故の復旧、後処理は未だに筋道さえ見えていません。8年経った今でもです。汚染水も増えるばかりです。海に汚染水を捨てています。海は東電のものではなく、世界全ての共有です。予知なんてできるはずないのに、南海トラフ大地震が危ない!と警告するぐらいなら、それが来る前に全ての原発を廃炉にすべきではないでしょうか?
少子高齢化で、人口も減少していく日本で、さらに多くの電力が必要になるのでしょうか?原発は決して低コストではありません。そして、このような事故を起こした原発はクリーンなエネルギーとは程遠い存在です。
決して感情的に原発反対をしているのではありません。責任が取れないのに、それを推し進めることは大きな問題なのです。福島の状況を早期に改善し、すぐに再び人間が住めるようにできるのであれば、そのときに原発の必要性を考えれば良いでしょう。しかし、全く無理なのです。8年経っても何もできないのですから。せめて、まずは福島の問題が解決してから、原発再稼働の是非を検討すべきです。これ以上の犠牲はいりません。
世界の動きは、脱原発です。日本が売りつけようとした原発を多くの国が白紙に戻しています。
原発はいりません!
「Nationwide Increase in Complex Congenital Heart Diseases After the Fukushima Nuclear Accident」
「福島原発事故後の複雑な先天性心疾患の全国的な増加」(原文はここ)
清水先生の反原発のご意見、大変嬉しく思います。このご意見は、この地球上に生きる1人の人間としてなのでしょうか?それとも1人の医師としてなのでしょうか?
もし1人の人間としてのご意見であるのならば、沖縄県大浦湾の辺野古の埋め立て工事についても反対していただければ嬉しく思います。土砂が投入されていない箇所では軟弱地盤が4割を占めると報道されています。さらにそこは活断層地帯だと地質工学に詳しい大学の先生がおっしゃっていることです。最近の調査で海面から30メートルの底にさらに60メートルのマヨネーズ地盤があると言うことが判明しています。先だって政府は合計90メートルの海底ではなく70メートルと数字を言い換えております。なぜ言い換えたのでしょうか?言うまでもなく日本国内では70メートルまでしか砂杭が打てる船がないからですね。N値0の地盤に大型建造物を建設するのに杭の長さがたらなければ必ずや地盤沈下していきます。黒を白と言い換えるこの国のやり方は全く信用に値しません。
以上大変失礼いたしました。
ジェームズ中野さん、コメントありがとうございます。
医師としての意見ではなく、人間としての意見という方が近いです。
ただ、辺野古の問題と原発の問題は全く次元違うので、反対意見を述べることはできません。
この2つの問題の違いは、代替案があるかどうかという大きな違いがあります。
原発は無くなっても他の発電で十分に間に合います。火力発電や太陽光発電など代替がすでに存在しています。そして、実際の原発事故が起き、
大きな被害も出て、現在も多くの人が苦しんでいます。
もし、原発と各世帯で自転車などを漕いで自家発電をするという2つの選択しかないのであれば、私は我慢して原発を選びます。
しかし、辺野古は代替案を出すことができません。代替案の言えない状態で反対意見を述べることはクレーマーと大して違いはありません。
辺野古に反対するのはなぜですか?軟弱地盤を改良できれば、または軟弱地盤が存在しないのであれば、辺野古に賛成ですか?
軟弱地盤であろうと、活断層であろうと、被害は米軍以外には起きません。米軍はわかっていて承諾しているのであれば、
それはそれです。税金の無駄遣いにはなりますが。原発事故の被害の大きさと比べ物になりません。
辺野古に反対して、自分の住んでいる近くに米軍の飛行場ができるとしたら、積極的に承諾できますか?
辺野古に反対したとして、他の選択肢は、今のまま普天間にするか、辺野古以外の沖縄のどこかにするか、沖縄以外の都道府県にするか、
米軍に撤退してもらうか、などがあります。米軍が撤退したら、現在の中国や韓国、ロシアなどの近隣の国との状況を考えると、
日本は自国で徴兵制を行うのでしょうか?それよりは米軍にお願いしている方が現実的です。
米軍に頼った場合、沖縄以外の都道府県でいったいどこが引き受けますか?引き受けるところはないでしょう。
もちろん、賛成はしていませんが、でもどうしたら良いかという答えも持っていません。
自分なりの答えを持っていない状態では反対もできません。
沖縄の人も苦しんでいるところでしょう。反対はするけど、その代替案が見つからない状態です。
沖縄から出て行ってもらいたいと思っても、ではどこに行けば良いのでしょうか?
1年ごとに持ち回りののようなことができればいいですが、そんなことできるはずがありません。
逆に、ジェームズ中野さんの代替案は何ですか?
戦争のない世界にできるのが一番望ましいですが。非常に難しい問題です。
①原発と各世帯で自転車などを漕いで自家発電をするという2つの選択しかないのであれば、私は我慢して原発を選びます。
清水先生のご意見とは違いますが、私は迷わず自転車こぎをいたします。
②辺野古は代替案を出すことができません。代替案の言えない状態で反対意見を述べることはクレーマーと大して違いはありません。逆に、ジェームズ中野さんの代替案は何ですか?
代替え案等必要はありません。そもそも私は若い頃から反戦青年委員会にシンパとして活動していました。代替え案を提示せよと言うのは政府自民党と同一土俵での話になりますね。普天間基地は不要、辺野古の埋め立ては即時中止せよ。とりあえずはこれが全てですね。沖縄県には日本の米軍基地の70%が集中しています。先生もご存知ですよね。これをいびつとして何と言うのでしょうか?代替え案については政府が考えるべき問題ですね。私たち反戦主義者はその出された案に対してどうなのかを考えることになりますね。
③軟弱地盤であろうと、活断層であろうと、被害は米軍以外には起きません。
はたしてそうでしょうか?戦闘機の離発着のたびに爆音に悩まされた人々がたくさんいらっしゃいます。先生一度、沖縄の米軍基地周辺に1年間ほどお住まいになられたらいかがでしょうか?戦闘機の爆音がご自身の生活にどのような影響及ぼすか、きっとお分かりになると思います。
④自分なりの答えを持っていない状態では反対もできません。
沖縄の人も苦しんでいるところでしょう。反対はするけど、その代替案が見つからない状態です。
沖縄県だけに、沖縄県民だけに負担を押し付けていいのですか。そもそも代替え案を提示することが必要なのですか?それはプラスマイナスで日本国内における米軍基地の数は変わらないことになりますね。ではなく日本から米軍基地を、米軍そのものを撤退していただくって言う発想です。何か問題ですか。現実的ではないですか。やってみる価値はないですか。
⑤原発事故の被害の大きさと比べ物になりません。
どういう比べ方をされたのでしょうか?今まで沖縄県が受けてきた被害、その見積もりを教えてください。精神的な被害も含めてです。
⑥辺野古に反対して、自分の住んでいる近くに米軍の飛行場ができるとしたら、積極的に承諾できますか?
言うまでもなく、積極的に承諾できるわけはありません。問題はそこですね。だからこそこの日本からアメリカ軍の基地をすべて撤退していただきたいと思います。その部分を活動に生かせるかどうかです。できないこととはわかっていてもやろうとするその気持ち。糖質制限もそう、できないかもしれないけどやってみようと言うその気持ち。先生もよくわかっていらっしゃいますよね。
以上大変失礼いたしました。本来ブログと言うのは本人プライベートな日記なわけです。にもかかわらずおよそ糖質制限とは無関係な沖縄県の現状をアップしていただいたことをありがたく思います。これからもよろしくです。ご迷惑ならば、できるだけコメントをしないようにいたします。
ジェームズ中野さん
世界が早く理想的な状況になると良いですね。
理想は黙っていても、行動しなくても、やってくるわけではありません。楽観的にいつか理想の世界がやってくるだろう。ではないんですよ。