週に3個以上の卵が心臓に悪い、コレステロール摂取量の増加は心臓に悪いという研究がまた出てきました。しかも一流医学雑誌JAMAに出ました。
週に3個以上の卵を摂取、心疾患のリスク増大か 米研究
3/18(月) Yahooニュースより(記事はここ)
(CNN) 1週間に卵を3~4個食べる人や、食事から1日当たり300ミリグラムのコレステロールを摂取する人は、そうでない人に比べて心疾患や早死にのリスクが高い――。そんな調査結果がこのほど医学誌JAMAに発表された。
論文を執筆した米ノースウエスタン大学のビクター・ゾン氏によると、卵の黄身は特にコレステロール値が高く、卵1個には大きなもので約186ミリグラムのコレステロールが含まれる。
研究チームは、2万9000人あまりについて平均で17年半にわたって追跡調査した米国内の6研究グループのデータを詳しく調べた。
その結果、心血管系の疾患を発症していたのは計5400人で、うち1302人は脳卒中(死者を含む)、1897人は心不全(同)を発症し、113人はそのほかの心疾患のため死亡していた。それ以外の原因で死亡した患者は6132人だった。
今回の調査では、食事からのコレステロール摂取が1日当たり300ミリグラム増えると、心疾患に関連したリスクは3.2%高まり、早死にする可能性は4.4%増えるという結果が出た。
卵は1日当たりの消費量が半個増えるごとに、心血管系疾患のリスクは1.1%上昇し、早死にリスクは1.9%上昇するとしている。
この結果は、過去の研究と矛盾する部分もある。その理由として、過去の研究では、卵の消費と他の不健康な行動(運動不足や喫煙、不健康な食生活など)との関係を考慮していなかった可能性が考えられる。
加えて、コレステロールの多い食品は一般的に、飽和脂肪や動物性たんぱく質も多く含まれる。
一方、今回の研究では、そうした要因も包括的に評価したとゾン氏らは述べている。
今回の研究にはかかわっていないコロラド大学医学校のロバート・エッケル氏は、医師にとっても患者にとっても、このテーマは重要だと指摘する。
同氏によると、卵の消費や食事からのコレステロール摂取と、心血管系疾患との関係は長年の論議の的になっているが、最近の研究では重要性は薄いと考えられていた。
しかし今回の研究は従来の研究に比べてはるかに包括性が高いとエッケル氏は指摘、「心臓にいい食生活に対し、卵の消費やコレステロール摂取が及ぼす悪影響を考えると、コレステロールの多い食品の摂取を制限することの重要性を見過ごすことはできない」と解説している。
この記事を読むと、なるほど卵やコレステロールはやっぱり摂り過ぎは良くないな?と思ってしまうかもしれません。平均して17年間追跡し、最大で31年間も追跡しています。
この研究は本当でしょうか?この研究の問題点はどこでしょうか?
実は平均して17年間追跡していますが、参加者はいつものように食事のアンケートでデータを収集しており、前年や前月何を食べたかを調査票に書きます。あなただったら覚えていますか?しかも、そのような食事の調査はたった1回でした。あなたは17年間(最大31年間)同じものを食べ続けますか?
このようなデータを分析したところで、科学的根拠と言えるでしょうか?しかし、何も知らない人はこの記事を読んで信じてしまう可能性があります。JAMAももっとちゃんとしてほしいですが、このレベルが一流医学雑誌だということです。
以前の記事「1日3個の卵は健康的であるかもしれない」「卵を食べよう!認知症の観点から」などで書いたように、非常に卵は健康的な食材です。卵の摂取量が多いと、大きい粒子サイズのLDLを増加させ、HDLの重要な機能である抗酸化作用を増加させ、さらに抗酸化物質の血中の濃度も増加させるのです。LDLコレステロールは増加する可能性もありますが、糖質制限をしている限り、LDLコレステロールは大きなサイズで、良質なLDLです。
何を信じるかはあなた次第です。私は今日も朝から卵を食べます!
JAMAは邪魔!
「Associations of Dietary Cholesterol or Egg Consumption With Incident Cardiovascular Disease and Mortality」
「食事性コレステロールまたは卵の消費と偶発的な心血管疾患および死亡率との関連」(原文はここ)
私は2014年から卵を4個/日 摂っています。
当時からスーパー糖質制限実践中です。
これまでにコレステロールの問題はありません。
検査値は 2018年1月、2017年3月、2016年3月の並びです。
総コレステロール:246、209、176
HDL:121、106、77
LDL:91、83、86
たーちゃんさん、コメントありがとうございます。
総コレステロールは基準値以上ですが全く問題ないと思います。
コレステロール悪玉説はなかなか収まりませんね。
シミズ先生 何時もながら情報ありがとうございます。今日はコメントさせて頂きます。
最近は食事制限でコレステロールを抑制しても血中のコレステロールはそれほど変わらないからFDAや厚生労働省、日本動脈硬化学会も制限を解除しました。紹介の論文はこの事実に合致しません。粥状動脈硬化が何故起こるかのエビデンスが明確でないから、専門の医師も、LDLコレステロールが悪玉(心筋梗塞の原因物質)と信じて正しくない報告をしています。心筋梗塞の原因が粥状動脈硬化である事は動かない真実であるが、最近粥状動脈硬化が何故起こるかの仮説が発表されました。これによると動脈硬化になりやすい人となりにくい人をまず見極めてから、その人に合った治療をする必要があります。
紹介の論文はこれらを区別せずごちゃまぜのデータですから、過去の神話(コレステロールが悪玉)を超えることができなかったと思われます。今後は動脈硬化になりやすい人となりにくい人をまず検査して後、論文を書くよう是非皆さんにアドバイスして頂きたいと念願しています。2019-3-19 T松田
T松田さん、コメントありがとうございます。
本当に心筋梗塞の原因が「粥状動脈硬化である事は動かない真実」でしょうか?心臓の血管に粥状動脈硬化があったとしても、
まだ十分に血流がある状態でも心筋梗塞を起こす人もいます。まだ「動かない真実」までは行っていないと思います。
また、動脈硬化になりやすい人となりにくい人が、特別な検査ではなく誰でも簡単にわかる方法は存在しますか?
あれば教えてください。
コメント拝見しました。少々説明不足で誤解を受けたようです。
ご指摘いただきましたように、「心筋梗塞の原因が粥状動脈硬化である事は動かない真は・・」は、少々説明不足でした。心筋梗塞の原因は、確かに粥状動脈硬化だけではないですね。この辺を飛ばして記載してしまいました。ご指摘有難うございました。
2019-3-20 T松田