白血病も糖質過剰症候群である その1

池江璃花子選手が白血病を発表して、かなりの時間が経ちました。そして、最近軽い運動を開始したと言っていました。さらに次のようなつぶやきがありました。


これに対して、多くの人が励ましや良かったという内容のメッセージを送っています。「食べたいものを食べれるようになると良いね」という内容のメッセージもあるのですが、本当に食べたいものを食べることが良いかどうかは非常に難しい問題です。

今回の著書「糖質過剰」症候群では、様々な疾患と糖質過剰摂取について取り上げていますが、その中に「がん」も含まれています。ほとんどのがんは糖質過剰症候群だと考えています。もしかしたら全てのがんが糖質過剰症候群かもしれません。がんも種類が多いので、現在のところ全てとは言えません。

その中で白血病は糖質過剰症候群なのかは、本を書いている段階では確信を持っていませんでした。

しかし、原稿を書き上げてから、次のような論文を見つけました。

「Type I insulin-like growth factor receptor signaling in hematological malignancies」

血液悪性腫瘍におけるI型インスリン様成長因子受容体シグナル伝達」(原文はここ

血液のがんである白血病やリンパ腫にIGF-1が大きく関わっていることが書かれています。IGF-1は乳がんをはじめ、様々ながん、病気に関わっています。詳しくは「糖質過剰」症候群を読んでいただけると助かります。

IGF-1 の受容体(IGF-1R)とIGF-1は、主にアポトーシスの抑制と細胞の形質転換の誘導によって、腫瘍の確立と進行に重要な役割を果たすと多くの研究が結論づけています。しかし、白血病などの血液のがんに対するIGF-1RやIGF-1の役割の研究は非常に少ないようです。

IGF-1Rが過剰に発現することは、腫瘍の発生および進行、転移、および治療に対する抵抗性において重要な役割を果たすことを裏付ける証拠が明らかになってきています。

急性白血病も慢性白血病も全てのタイプとは言えないまでも、いくつかのタイプでIGF-1R、IGF-1 が非常に増加しているようです。

例えば慢性骨髄性白血病の細胞ではIGF-1Rが非常に増加し、そしてIGF-1Rの発現はその白血病の進行と直接相関するようなのです。IGF-1Rは、慢性期の患者では30%の発現率だったのが、急性転化期になった患者において73%まで増加したのです。

つまり、IGF-1を増加させるようなことは避けるべきなのです。糖質過剰摂取では高インスリン血症になり、さらに高IGF-1にもなります。糖質過剰摂取は多くのがんにエサをあげているのと同じなのです。それは白血病にも当てはまると考えられるのです。

「好きなものを好きなだけ食べる」というのは健康という幻想、妄想の中であれば問題ありませんが、現実の様々な病気が顔を表したのであれば、「好きなもの」を食べていることは、その食材によっては病気を促進したりすることもあるのです。

命がかかわる病気でもう何をやってもダメで、「死」を受け入れたのであれば、何を食べても良いと思います。しかし、「生きる」という希望を持っている限り何を食べても良いとは到底言えません。

しかし、現実の世界では「がん患者にあんみつを勧める栄養士」で書いたように、医師も栄養士も、食べられるものを食べるというアドバイスをする場合が少なくありません。

白血病も糖質過剰症候群だと考えます。ポップコーンもチャーハンもチーズドックもマックのポテトも寿司も糖質の塊です。若い女性なのであれも食べたいこれも食べたい、というのは普通のことでしょう。ただ単に願望を書いただけであることを祈ります。

アボカドは良いですが。

あくまで判断は自分自身です。

コメント

  1. ねけ より:

    たとえば癌の既往歴や、心血管疾患、糖尿病などを抱える80歳前後の両親に、糖質制限の重要性を訴え続けてはいるものの、もうこの歳だから好きなもの食って死ぬと、冗談だか本気だか分からない調子でごまかします。

    もちろん両親といえど人生の選択は私が強制することは出来ませんから、最終的には本人にゆだねるしかありません。理解をしてもらう努力を続けるだけです。その上で選択は自由意思だと思います。

    ですが。

    最近ふと思うことがありまして。
    例えば脊柱管狭窄症等の場合、高齢で糖質制限を始めたとしてどの程度快復するものかと。
    食生活の変更は我慢や苦痛を伴うものですが、果たしてその価値がどの程度見込めるものだろうと、なかなか難しくなってしまいました。

    症状の緩和や病原の改善にしても、やはり可逆不可逆の問題はあると思います。
    高齢の両親に、無理して糖質制限を勧めることの意義と意味、悩んでおります。

    • Dr.Shimizu より:

      ねけさん、コメントありがとうございます。

      私も高齢の両親に食事を変えるよう説得はしていません。糖質制限の話をしたり、私の著書を渡したりはしていますが、
      食事を選ぶのは本人ですから。食生活の変更がどの程度苦痛かは本人次第でしょう。
      外来の患者さんにも高齢の方には強く糖質制限は勧めず、糖質を減らすこととタンパク質を増やすことを中心に話をしています。

      脊柱管狭窄症で糖質制限をしても恐らく狭くなった脊柱管が拡大はしないと思います。
      しかし、炎症は起きにくくなり、症状の改善は多少ある可能性はあると思います。

      認知機能低下に悩んでいるのであれば、糖質制限を強く勧めるのは良いと思いますが、それ以外はどうでしょうか?
      80まで生きてきたのですから、本人がすすんでやらないのであれば、そのままで良いのではないでしょか?
      あくまで私個人の意見ですが。

  2. モブE より:

    池江選手と直接の関係者あるいは顔見知りでないのであれば、彼女の与り知らぬところでネチネチと食べたいものに文句をつけるのは非常識ですね。
    糖質さえ非難できれば道徳的に非常識を貫いてもいいんですか?
    この記事を読む限り、白血病と糖質摂取の関係についてはあくまで持論で確定されておらず、むしろアスリートではない分糖代謝機能の点で劣っている清水氏の方が糖質中毒と見なされると思いますが。
    大体、糖質制限を薦める人は元々糖質依存症だったという統計データもありますよ。
    今は糖質制限しているので、というのは通用しません。
    糖質について批判する際は過剰に摂取していた過去の己を省みるのが常識です。

    • Dr.Shimizu より:

      モブEさん、コメントありがとうございます。

      不快な気分にさせたのなら、そのことについては申し訳ありませんでした。
      ただ、考え方、価値観の違いだと思います。
      彼女は自らフルネームでツイッターで不特定多数の人が読むことを前提でつぶやいております。
      そのつぶやきに対して、自分の考えを述べたに過ぎません。
      ネチネチ書いた覚えはありませんし、文句でもありません。

      一方で、一般的な話として、一生懸命病気と闘っている人に、「頑張って!」と励ましたり、
      「絶対に治るからね!」などという根拠のないコメントに苦痛を感じている人もいると思います。
      それについては何とも思われないのでしょうか?

      もちろん、今回の記事でも持論を展開しておりますが、論文も示しており完全な私の妄想ではありません。
      もし、がんに対して糖質摂取が安全であるという根拠をお持ちでしたら教えていただけると嬉しいです。
      その内容に納得できるのであれば、私も考えを変えなければなりませんし、謝罪の記事も書きます。

      後半の部分は非常に面白いコメントなので、記事にしたいと思います。

  3. ねけ より:

    ありがとうございます。
    認知症に対する不安や恐れももちろんあります。

    総合的に、糖質制限を勧めたいことに変わりはありませんが、最終的な決断は本人の意思によるということは常に肝に銘じています。

    私自身も誰かに人生を強要されたくないですしね(笑)
    いずれにしても、出来る限り苦痛と後悔の少ない終末を迎えて欲しい、迎えたいものです。
    そのために何をするか、何が大事か、と言うことだと思っています。

    • Dr.Shimizu より:

      ねけさん、コメントありがとうございます。

      人生の終わりの迎え方というのも、難しいですね。
      何が本人にとって大事かですからね。