糖尿病のない人における血中のC-ペプチド値と死亡リスク

多くの人は、普段の血液検査でC-ペプチドを測定してはいないでしょう。C-ペプチドはインスリンの前駆物質であるプロインスリンの構成成分です。すい臓のβ細胞で分泌直前に酵素によって分解されてインスリンとC-ペプチドとなります。C-ペプチドはインスリン分泌能の評価に用いられます。

今回の研究では、アメリカの糖尿病がない人のC-ペプチドを測定し、全原因死亡率、心血管疾患関連死亡率、冠動脈疾患関連死亡率との関連を調べています。

糖尿病の既往歴がない40歳以上の5,902人が対象です。血中のC-ペプチド値の平均は0.78nmol/L(日本の単位では約2.36ng/mL)でした。比較的高めですね。(図は原文より)

上の図は、C-ペプチド値で4つのグループに分けたときの、全原因死亡率、心血管疾患関連死亡率、冠動脈疾患関連死亡率です。C-ペプチド値の最低群は< 0.440 nmol/L、次が0.440~0.692 nmol/L、その次が0.693~1.018 nmol/L、最高群は> 1.018 nmol/Lです。

最低群と比較して最高群のそれぞれの死亡リスクの増加は、全原因死亡率で1.80倍、心血管関連死亡率で3.20倍、冠動脈疾患関連死亡率で2.73倍でした。

C-ペプチド値が1 ng/mL上昇すると、全原因死亡リスクは1.41倍、心血管関連死亡リスクは1.70倍、冠動脈疾患関連死亡リスクは1.67倍それぞれ上昇しました。

C-ペプチド値は、グリコヘモグロビンや空腹時血糖値よりも、死亡率をより正確に予測しました。

C-ペプチドの増加は、インスリン過剰分泌、インスリン抵抗性による高インスリン血症である可能性が高いでしょう。糖尿病がない時点でも、糖質過剰摂取でC-ペプチドの増加が起こります。そして、それが全原因死亡や冠動脈疾患にも大きな影響を与えています。

つまり、インスリン過剰分泌は非常に危険で、死亡率を上げるのです。

医療の世界では、心血管疾患をLDLコレステロールのせいにばかりしていますが、本当は糖質過剰摂取が原因です。できる限りインスリンを出さなようにしましょう。

心血管疾患は糖質過剰症候群です。

「Serum C-peptide levels and risk of death among adults without diabetes mellitus」

「糖尿病のない成人における血清C-ペプチド値と死亡リスク」(原文はここ

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