超悪玉腸内細菌は糖質大好き

クロストリジウムディフィシルという「超悪玉」腸内細菌は、健康な人では「善玉」腸内細菌によって抑え込まれますが、抗生剤などの使用や免疫力の低い状態になると、非常に増加し、強い毒素を出し、腸の炎症や重度の下痢などを引き起こし、時には重症化し死亡することもあります。院内感染の問題も非常に重要です。

この細菌を詳細に分析したところ、現在2つの異なる種に進化していることを発見しました。その一つはクレードA と名付けられ、病院の患者からの検体の約70%を占めていることを発見しました。このクレードAは消毒薬である過酸化水素に対して強く、耐性を持っています。そして、この細菌はなんと、精製された糖質を大好物にしているのです。しかも、特に果糖が大好物のようです。糖質を迅速に分解できる遺伝子を持っているので、人間が糖質を摂取するとそれをエネルギーにしてしまうのです。(図は原文より)

この研究はマウスを使用しているものです。完全に人間で再現されるかどうかは不明ではありますが、非常に大きな意味があると思います。上の図のaは過酸化水素消毒剤の濃度(横軸)に対する、細菌の生存率です。新しい種であるクレードA(青)は非常に高率に生存していることがわかります。

bは横軸が左から順にブドウ糖、果糖、リボースで、縦軸がそれらの糖質が存在するときにどれくらい細菌が増殖するのかを示しています。そうすると真ん中の果糖が最もクレードA(青)の細菌の増殖が多いことがわかります。

cは横軸がbと同じように糖質の種類、縦軸が細菌の胞子(芽胞)形成増加率です。クレードAではブドウ糖や果糖で非常に多くの胞子(芽胞)を形成していることがわかります。

dは伝播サイクルを示しています。消毒剤に耐性のある胞子(芽胞)が増加し、精製された糖質の存在下で増殖が増加し、その細菌が糖質の存在下でさらに胞子(芽胞)を増加させるのです。

ただ、通常はブドウ糖や果糖などの糖質は小腸で吸収されます。通常はクロストリジウムディフィシルは小腸ではあまり病変を示しませんが、時に小腸に及ぶこともあります。この超悪玉の細菌が小腸で糖質を受け取る可能性もありますし、消化吸収能が低下したり、糖質摂取量が増加すると、大腸にも糖質が流れ込む可能性があるでしょう。そうすると、クロストリジウムディフィシルは非常に増殖能を高め、人間を攻撃してしまうと考えられます。

そうだとすると、病院での食事を検討する必要があります。抗生剤を使用している人、すでに強い下痢をきたしている人、クロストリジウムディフィシル感染が疑われたり、感染が判明している人には、糖質禁止の食事に変更すること必要なのかもしれません。消毒を徹底しても、細菌の方がどんどん進化してしまいます。

いっそうのこと病院食は全て、糖質制限食にすべきでしょう。そうすれば院内感染も激減するかも…?

「Adaptation of host transmission cycle during Clostridium difficile speciation」

「クロストリジウム・ディフィシル種分化中の宿主伝達サイクルの適応」(原文はここ

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