めまいも糖質過剰症候群である その1

耳の内耳は非常に代謝活動が活発であり、非常に複雑な代謝メカニズムを持ち、非常に複雑な器官であり、身体の恒常性の変化にも非常に敏感です。ブドウ糖やインスリンの血中濃度の変化は、難聴とめまいの原因となる前庭障害を引き起こす可能性があると考えられています。内耳の前庭という部分の機能障害の割合は、糖尿病患者の方が健康な人よりも70%高いという報告もあります。また、めまいの患者の87.7%が経口ブドウ糖負荷試験において、ブドウ糖またはインスリン代謝障害を持っているという報告もあります。

拙著「「糖質過剰」症候群」では難聴について書きましたが、今回の記事はめまいについてです。

上の図はアメリカでの糖尿病の人の前庭障害の有病率を示しています。(この論文より)表の上から順に、糖尿病の期間、HbA1c、末梢神経障害、網膜症です。糖尿病に期間が0~5年と比較して、6年以上では2倍以上前庭障害を起こす可能性が高くなり、HbA1cが7以上では1.6倍、末梢神経障害が重症であると2.1倍、網膜症が重症であると2倍前庭障害を起こす可能性が高くなります。

めまいの原因として最も多い良性発作性頭位めまい症は、内耳の一部分に収まっているカルシウムの粒である耳石が、頭の位置の変換によって、そこから剥がれて内耳の別の部分に入ったときに生じると考えられています。この良性発作性頭位めまい症も糖質過剰摂取と関係していると考えられます。今回の研究では良性発作性頭位めまい症の再発と高血糖や高インスリン血症との関係を分析しています。(図は原文より)

上の図は経口ブドウ糖負荷試験で正常を示した場合の再発について示しています。深い緑のバーが正常、黄色いバーが異常、左が再発なし、右が再発ありです。そうすると、再発ありの場合には圧倒的に正常の結果を示し人は少なく、正常な結果が得られた場合の再発の相対的なリスクは0.2225でした。

上の図は経口ブドウ糖負荷試験での正常と異常を示した人での良性発作性頭位めまい症の再発の割合を示しています。緑のバーが正常、黒が異常、左が再発なし、右が再発ありです。高インスリン血症を示した場合の再発のリスクは4.6647倍でした。

上の図は経口ブドウ糖負荷試験で高血糖を示したかどうかでの違いを示しています。高血糖を示した場合の再発のリスクは2.4761倍でした。

糖尿病、食後高血糖などでは、微小血管障害および末梢神経障害などの組織病理学的変化をきたします。それにより血流が障害され、前庭機能の障害につながる可能性は十分に考えられます。

1型糖尿病の人では、健康な患者と比較して、耳石の破片の有病率がはるかに高いと言われています。(その論文はここ)そして1型糖尿病の年数に比例して、そのような破片の移動の有病率も増加するのです。それにより、1型糖尿病では良性発作性頭位めまい症の罹患率が高くなります。

高血糖も高インスリン血症もどちらも良性発作性頭位めまい症を起こす可能性が高くなります。1型糖尿病について考えると、高血糖がメインの原因かもしれません。ただ、内耳の内リンパ水腫と高インスリン血症が非常に関連しているようなので、どちらも原因であるでしょう。

私も以前、糖質過剰摂取時代はめまいがありました。糖質制限をしてから非常に改善しました。いずれにしても、めまいがある人は糖質制限が必要だと思います。

「Hyperinsulinemia and hyperglycemia: risk factors for recurrence of benign paroxysmal positional vertigo」

「高インスリン血症と高血糖:良性発作性頭位めまいの再発の危険因子」(原文はここ

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