「患者よ、医者から逃げろ 」を読みました

夏井先生の新刊「患者よ、医者から逃げろ  その手術、本当に必要ですか?」をさっそく読ませていただきました。



実に面白く、一気読みしました。内容はヤケドの治療についてのものなのですが、それだけにとどまらず、実に深い、広い情報満載でした。夏井先生の本は新しいのが出るたびにグレードアップしていますね。

文章も私のような稚拙な文章とは違い、壮大な物語の小説のように引き込まれます。膨大な知識と情報、ユニークな表現の数々に圧倒されます。

夏井先生のホームページをいつも読んでいる人では、症例の写真等はお馴染みかもしれませんが、本の内容は遊び心もいっぱいで、各章のタイトルを見るだけでも面白いです。

熱傷の治療も糖尿病の治療も問題は同じですね。専門医とガイドラインが諸悪の根源です。ガイドライン通りに治療すれば、病院は儲かるし、訴えられることはありませんが、患者のQOLは非常に悪くなります。「善意」の医師たちが患者を苦しめています。以前にいた病院では植皮をいっぱい行っていました。こんなもんなのかな?と思っていましたが、矛盾も感じていました。形成外科医は傷をきれいに治すスペシャリストと思っていたのですが、植皮の傷は非常に見た目で醜く、採皮した部位も痛々しい状態で、ずっと痕が残ってしまっていたからです。一方では傷をきれいにし、一方では非常に見た目が悪い外観を作ってしまっているのです。

私の専門のペインクリニックでもガイドラインは役に立たないと考えています。慢性の疼痛の治療のガイドラインは脳を鎮静させるだけの薬を第1選択にして、全く原因を改善しようとしていません。患者は副作用との戦いを強いられ、長期に薬漬け人された脳は、薬からなかなか離脱できない状況も生まれることもあります。

また、この本のサブタイトル「その手術、本当に必要ですか?」ですが、本当に必要かどうか疑う手術は、本当にいっぱい行われています。医師の言われたまま手術を受けることが本当にいいことなのかどうかを真剣に検討すべきです。

いくつか気付きもありました。それをペインクリニックに生かせないか?といろいろと考えています。

夏井先生に負けないように、私も頑張りたいと思います。

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コメント

  1. 西村典彦 より:

    私の父は8年ほど前、悪性リンパ腫で他界しました。正確には癌で死亡したのではなく、抗がん剤投与中の感染症が原因でした。
    悪性リンパ腫は半年ほどかけて6回の抗がん剤投与が標準治療ですが、2回の投与で癌細胞は消失しました。しかし、その後もマニュアルにしたがって6回の投与、最後の6回目の入院時に感染症で人工弁周辺の心筋の壊死が原因で他界しました。後で知人に聞いたところ、その方のお父様は3回で打ち切ったそうです。そう言う選択肢を明確に病院側に伝えるだけの知識がなかった事を非常に悔やみました。

    そして私の糖尿病が発覚した現在、自己責任において糖質制限と言うメソッドを選択し実践しているのですが、それは父を亡くした時にマニュアルやガイドラインに沿った医療の限界と弊害を強く感じたことが大きいかもしれません。何事も自主性を持って行動すれば後悔する事はないと思います。

    • Dr.Shimizu より:

      西村典彦さん、コメントありがとうございます。

      抗がん剤についてはがんの種類や状況で違いはあると思いますので、知人とお父様の状況が同じだったのかどうかはよくわかりません。
      2回でがん細胞が消失と言っても、本当に全部消失したのかはわかりません。

  2. 鈴木武彦 より:

    ご紹介の夏井先生の著書、早速Amazonで注文いたしました。

    先生の(何年か後には一般論になるであろう)持論が、更に研ぎ澄まされて展開されている事を期待して、到着をまちたいと思います。

  3. ミホ より:

    シミズ先生、こんにちは。

    遅ればせながら、私も読みました。
    プロローグがまるで再現ドラマでも見ているかのようで、一気に引き込まれました。

    夏井先生の素敵なところは、小さなわが子に火傷を負わせてしまった親御さん達への心のケアまでされているところだと思います。
    まさに患者のQOLを一番大事にされている真に心のある医師だと感じます。
    読みながら涙が出てきてしまいました。

    シミズ先生の気付きがこれからの治療にどのように反映されて行くのか、楽しみにしています。
    (ハードル上げすぎ?)

    • Dr.Shimizu より:

      ミホさん、コメントありがとうございます。

      本当の治療とは何なのかを考えさせられます。
      私の治療に反映させられるかどうかは今後やってみないとわかりませんが、追究をしていきたいですね。