脳は砂糖と人工甘味料を区別できるのか? その1

私たちは砂糖も人工甘味料も「甘い」と感じます。この甘さの感覚を脳は同じものと判断しているのでしょうか?それとも区別しているのでしょうか?

今回の研究では機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で脳の活性化を分析しました。(図は原文より)

上の図はaがショ糖(スクロース)で、bは人工甘味料のスクラロースによる脳の活性化の画像です。砂糖と人工甘味料の両方が脳の主な味覚経路である前頭回の弁蓋部と島を活性化していました。甘味に対する快感は左脳の島で感じているいるようです。その部分はショ糖でも人工甘味料でも同様に反応していました。

しかし、その反応の強さを比較すると上の図のように、ほとんどの部位でショ糖の方が人工甘味料よりも強く反応していました。

上の図はaがショ糖の機能的つながり、bはショ糖と人工甘味料の機能的つながりの比較です。cはショ糖の甘味に対する快感の評価に関連する機能的なつながりを示しています。

意味していることは、中脳や尾状核を含むドーパミン作動性の味覚の報酬系の反応を示しています。ショ糖のみこの報酬系が反応しました。人工甘味料では反応は認められませんでした。

つまり、甘い感覚はショ糖でも人工甘味料でも感じ、意識はその違いを区別できないのですが、脳は実際には区別できているようです。

これは、脳の報酬系はエネルギーになる刺激に反応するように条件付けられていることを示唆しています。報酬系が反応しないのであれば、人工甘味料に対して依存や中毒は起きない可能性があります。

しかし、そんな単純ではないかもしれません。それについては次回以降で。

「Sucrose activates human taste pathways differently from artificial sweetener」

「ショ糖は、人工甘味料とは異なる方法で人間の味覚経路を活性化します」(原文はここ

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