十分なタンパク質を摂っていれば、ロイシンの効果はない

BCAA(分岐鎖アミノ酸)には、バリン、ロイシン、イソロイシンが含まれていますが、特にロイシンが筋肉を合成するのに重要だと考えられています。アスリートなどではこのロイシンやBCAAを多く含むサプリメントなどを使っている人もいるでしょう。

また、高齢者にも筋肉を増やしたい、という目的でこのようなサプリメントを愛用している人もいるかもしれません。

しかし、十分なタンパク質を摂取している人では本当にプラスアルファのアミノ酸が必要なのでしょうか?

今回の研究では20代の男性を対象に、筋力トレーニングによって誘発される筋量と筋力の増加に対するロイシンの効果があるかどうかを調べています。彼らは1日に1.8±0.4g/kgという十分な量のタンパク質を摂取しています。そのうえでロイシンは効果があるのでしょうか?(図は原文より)

上の図のAが筋肉の断面積、Bが断面積の変化量です。グレーがロイシン摂取群、白がロイシンなしです。変化量を見れば、ロイシンの効果がないことがわかります。

また、他の研究で、高齢者を対象にしたものであっても、3か月のロイシンの筋肉量増加、筋力増強効果は認められませんでした。(ここ参照)

恐らく、ロイシンやBCAAの筋肉に対する効果を示している研究では、企業の絡みがあるのも少なくないと思います。そして、確かにサプリメント系は通常の食事のタンパク質よりも吸収が早く、一時的にはタンパク質合成が増加することも考えられます。しかし、急速に血中濃度が上がったものは、急速に低下するでしょう。タンパク合成はたった1~2時間で終わるものではありません。十分に食事でタンパク質を摂取していれば、1日を通してみたら、もしかするとアミノ酸サプリメントの効果はほとんどないのかもしれません。

逆に考えれば、サプリメントの効果がある場合、十分な量のタンパク質が摂取されていない可能性もあります。

高齢者では、いまだに野菜が健康的な食事だと考え、白米と野菜の食事がメインの人も多いでしょう。そのことが筋肉の減少に影響している可能性は高いと思います。

肉、魚、卵をしっかり摂りましょう。そして可能な限り動きましょう。

「Leucine Supplementation Has No Further Effect on Training-induced Muscle Adaptations」

「ロイシンサプリメントは、トレーニングによって誘発される筋肉の適応にそれ以上の影響を与えない」(原文はここ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    ライザップ高額プロテイン情報、ありがとうございました。

    高額なアミノ酸サプリなどよりも卵、肉、魚、最高ですね。
    卵はもちろん鯖水煮缶などは安いし美味しいです。(炊飯器の温泉卵機能も活用してます)
    チーズやバターもいいですね。

    • Dr.Shimizu より:

      鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      食事が十分にできるのであれば、天然のもので十分でしょう。

  2. じょん より:

    清水先生、こんばんは。
    HMBのサプリもありますが、HMBはロイシンの代謝物だと思うので、ロイシンと同様にタンパク質をしっかりとっていれば、HMBの効果もないのかもしれないですね。
    毎日の栄養が大切ですね。

    • Dr.Shimizu より:

      じょんさん、コメントありがとうございます。

      mTORばかり活性化させていたら、がんのリスクを上げてしまいそうですね。