むずむず脚症候群では糖質制限を

脚を動かしたいという強い欲求が存在し,また通常その欲求が不快な下肢の異常感覚に伴って生じる、むずむず脚症候群。

原因は多因子性と考えられています。人種による差もあり、欧米よりもアジアでは有病率が低く、日本では1~4%程度と考えられています。性差もあり女性の方が1.5~2倍程度多くなっています。遺伝的な因子もあると考えられています。

パーキンソン病との関連も認められ、脳の神経の伝達物質の一つのドパミンが上手く働かないことが原因の一つとも考えられています。また、原因の大きな一つとしては、鉄欠乏でしょう。鉄は体内でドパミンを作るのに使われているので、鉄が不足するとドパミンの量が減少し、神経の情報伝達がうまくいかなくなると考えられています。確かに鉄欠乏の改善がむずむず脚症候群の改善につながる場合もあるようです。

しかし、むずむず脚症候群は糖尿病との関連も指摘されています。

ある2型糖尿病の124人についての研究では、対照(他の内分泌障害の患者)と比較して大きくむずむず脚症候群が多いことがわかりました。糖尿病のうち22人の患者(17.7%)と対照では5人(5.5%)がむずむず脚症候群でした。対照と比較して2型糖尿病であるとむずむず脚症候群になる可能性が4倍以上になりました。

糖尿病性多発神経障害があると糖尿病でむずむず脚症候群になる可能性は7.88倍でした。(表は原文より改変)

パラメータ糖尿病(n = 20)対照(n = 5)P値
ヘモグロビン g/dL13.7±1.313.6±1.50.8
クレアチニン mg/dL0.85±0.10.82±0.20.6 0.6
フェリチン ng/mL128.7±75.5107.7±38.90.4
葉酸 ng/mL6.4±3.74.6±20.1
ビタミンB12 pg/mL468.0±146.4404.0±250.70.6 0.6
TSH uUI/mL2.1±1.21.2±0.80.07
fT3 pg/mL2.9±0.43.4±0.80.06
fT4 pg/mL12.2±1.614.2±2.50.1

TSHとfT3では有意性の傾向が認められましたが、フェリチンを含めて、ほとんどの代謝パラメーターは糖尿病と対照の間で異なりませんでした。

そう考えると、むずむず脚症候群はある種の末梢神経障害である可能性が高いと思います。

一方、パーキンソン病も糖質過剰によるものと考えられ、2型糖尿病とパーキンソン病との関連の可能性が指摘されています。脳のインスリン抵抗性により、インスリンシグナル伝達の喪失が脳の神経細胞のミトコンドリア機能障害と酸化ストレスを引き起こし、続いてドパミン作動性神経の喪失と記憶機能障害を引き起こす可能性があると考えられています。(ここ参照)

パーキンソン病とむずむず脚症候群の共通性、インスリン抵抗性とパーキンソン病との関連などを合わせて考えれば、むずむず脚症候群の原因の大きな一つは糖質過剰摂取であると考えられると思います。

むずむず脚を感じたら、まず糖質制限、鉄欠乏があるのであれば、併せて鉄補給を行うと良いと思います。

糖質過剰症候群

「Association of restless legs syndrome in type 2 diabetes: a case-control study」

「2型糖尿病におけるむずむず脚症候群の関連:症例対照研究」(原文はここ