先日テレビ番組で、小さな男の子の兄弟が大量のバナナを食べているシーンを見かけました。二人とも大食いで、肥満です。親が率先して子供に食べさせています。何もわからずに喜んで食べている肥満の兄弟。ただの虐待です。
このような親も問題ですが、そのような家族を取り上げて笑っている番組制作をしているテレビ局も大いに問題です。
大人が爆食いしているのは、それはそれで大人ですから個人の自由です。しかし子供はまだわかっていません。
食育は親の仕事です。
子供の頃から高インスリン血症を示し、肥満となると大人になってからも健康上の問題があるでしょう。
今回の研究では子供の頃の高インスリン血症、肥満と大人になってからの精神疾患との関連です。空腹時のインスリン値とBMIを子供のときから24歳になるまで測定しています。インスリン値は5,790人のデータ、BMIは10,463人のデータを分析し、精神疾患との関連を調べています。(図は原文より)
上の図は横軸が年齢、縦軸はAがZ変換(詳細は省略)というものを行った空腹時インスリンレベル、BがBMIです。
空腹時インスリンは安定して低いクラス1、わずかな増加のクラス2 、持続的に高いクラス3とに分けました。BMIも安定して平均のクラス1、減少したクラス2、思春期発症のわずかな増加のクラス3、思春期発症の大幅な増加のクラス4、持続的に高いクラス5に別れました。
上の図は分けたクラスごとの大人(24歳)になったときの精神疾患が起きる可能性を示しています。ARMSはリスクのある精神状態、PEは精神疾患の経験を示しています。上から明確精神疾患の経験、精神疾患のリスクのある精神状態、精神障害、うつ病のエピソードです。
持続的に高い空腹時インスリンレベルのクラス3は、精神疾患のリスクのある精神状態の可能性が5.01倍、および精神障害の可能性が3.22倍でした。うつ病は有意ではありませんでした。思春期に発症したBMIの大幅な増加のクラス4では、うつ病の可能性が4.46倍でした。
上の図は性別による違いです。左が男性、右が女性です。
持続的に高い空腹時インスリンレベルのクラス3は男性で、精神疾患のリスクのある精神状態の可能性が4.48倍、および精神障害の可能性が3.94倍でした。思春期に発症したBMIの大幅な増加のクラス4は、女性でうつ病の可能性が6.28倍でした。
精神疾患、うつ病も糖質過剰摂取と関連していると考えられます。小さな子供のころからその有害性が蓄積されて、大人になって様々な症状を発症する可能性があります。
子供に糖質たっぷりのジュースやお菓子などを与えたり、山盛りのご飯を食べさせるなどしてインスリンの大量分泌をさせて肥満にさせるのは、もはや虐待です。
糖質過剰症候群糖質制限
「Longitudinal Trends in Childhood Insulin Levels and Body Mass Index and Associations With Risks of Psychosis and Depression in Young Adults」
「小児期のインスリンレベルと肥満度指数の縦断的傾向および若年成人の精神病とうつ病のリスクとの関連」(原文はここ)
バナナ、危険ですね。糖質制限に理解のあるDr.でもバナナやリンゴは栄養豊富、ということで
推奨されていたりします。
食物繊維が豊富ということで、リンゴを爆食いしたら案の定、果糖の威力でしょうか、
増量/浮腫てきめんでした(個人的経験、感想です)。