円形脱毛症はストレスなどによってできると思っている人も多いのかもしれません。もちろん、ストレスも関連するでしょう。しかし、逆に精神疾患を呈しやすい背景の人が円形脱毛となるのかもしれません。脱毛がさらにストレスともなるでしょう。
恐らく円形脱毛症は多因子性でしょう。では糖質との関連は?
以前の記事「毛が抜け始めたら糖質制限?」で書いたように、男性型脱毛症(AGA)はインスリン抵抗性が関連しているのではと考えられます。しかし、円形脱毛症ではどうでしょうか?
ある研究では、円形脱毛症と健康な人を比較すると、有意に円形脱毛症で空腹時インスリンなどが高くなっていました。(図は原文より)
上の図はaが空腹時インスリン、bが空腹時C-ペプチド、cがインスリン抵抗性を表すHOMA-IRです。左側が健康なコントロールで、右側が円形脱毛症の人です。
空腹時インスリンの中央値は4.80対11.22µIU/ml、C-ペプチドの中央値は1.40対2.10ng/ml、HOMA-IR の中央値は1.01対2.70µIU/mlでいずれもコントロールと比較して円形脱毛で有意に高かったのです。
円形脱毛の人がインスリン抵抗性となりやすいのか、それともインスリン抵抗性が円形脱毛に関与しているのか?
円形脱毛症と他の自己免疫疾患との関連も指摘されています。円形脱毛症自体が慢性の炎症性の自己免疫疾患です。
自己抗体による毛包などへの攻撃によって脱毛している可能性があります。円形脱毛症では毛包細胞に対するIgG抗体が認められているそうです。(ここ参照)
また、酸化ストレスも関与しているようです。
炎症、酸化ストレス、自己免疫疾患という因子を考えれば、糖質過剰摂取は原因ともなりうるし、増悪因子ともなり得ます。
一時期、糖質制限で抜け毛が多くなるとか、円形脱毛症になるとか、という記事やテレビ番組があったようですが、それは恐らく間違った糖質制限でしょう。極端なカロリー制限であったり。
私は糖質過剰摂取による高血糖、インスリン抵抗性、終末糖化産物などにより炎症、酸化ストレスの増加、血流障害、およびインスリンのシグナル伝達障害、糖化した毛包への自己抗体の産生、などが起きてるのではないかと思います。
円形脱毛症や抜け毛が糖質制限で改善した人がいましたら教えて下さい。
糖質過剰症候群
「Patients with alopecia areata show signs of insulin resistance」
「円形脱毛症の患者はインスリン抵抗性の兆候を示す」(原文はここ)
炎症、酸化ストレス、自己免疫疾患、、、様々な病院があり、それら病因の大元の原因として、糖質過剰(異常)摂取は影響しているでしょうね。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
大元が一番重要です。