頭痛を起こす病気は様々あります。その中で頻度は多くはありませんが、特発性頭蓋内圧亢進症というのは、次のような症状があります。(ここ参照)
特発性頭蓋内圧亢進症は、頭蓋骨内部の圧力(頭蓋内圧)の上昇を特徴とします。この病気の誘因は不明です。
・頭痛が毎日のように起こり、ときに吐き気、かすみ目、複視を伴います。頭の中で雑音が聞こえることもあります。
・頭蓋内圧が上昇する原因がほかにないかを調べるため、頭部の画像検査と腰椎穿刺を行います。
・適切な治療を行わないと、視力が失われる可能性があります。
・減量や、脳内の液体を減らすための利尿薬の投与、減圧を目的とした定期的な腰椎穿刺が役立つことがありますが、手術が必要になる場合もあります。
特発性頭蓋内圧亢進症を発症する人は、およそ10万人に1人とわずかで、通常は妊娠可能年齢の女性です。ただし、過体重の若齢女性では20倍多くみられます。過体重の人が多くなるにつれて、この病気の患者も増えてきています。
今回の研究はイギリスのウェールズのものです。2003年から2017年までの15年間のデータを分析しました。その期間に特発性頭蓋内圧亢進症の1,765人を特定しました。85%は女性でした。15年間で特発性頭蓋内圧亢進症が6倍に増加し、10万人あたり12人から10万人あたり76人に増加しました。同じ15年間で、ウェールズの肥満率は人口の29%から40%に上昇しました。
上の図はイギリスのウェールズの特発性頭蓋内圧亢進症の有病率や発生率です。オレンジが女性、青が男性、緑は男女合わせたものです。
過体重で、さらに明らかに肥満では大きく有病率が高くなっています。特に女性では物凄く有病率が高くなっています。
特発性頭蓋内圧亢進症の原因はいまだはっきりわかっていません。しかし、ここまで肥満と性別に関連しているのは、ホルモンの影響と糖質過剰摂取が関連している可能性が高いと思われます。
日本の肥満の割合は以下のようです。(ここ参照)
BMI | 18未満 | 18~22 | 22~25 | 25~30 | 30~35 | 35以上 |
日本 | 5 | 37 | 32.9 | 20.9 | 3.5 | 0.6 |
まだまだ欧米と比較すると過体重、肥満の割合は低いです。日本も女性ではあまり変化していませんが、男性で増加しています。
頭痛だけでなく失明のリスクもある肥満、危険ですね。
糖質過剰症候群 糖質制限
「Incidence, Prevalence and Healthcare Outcomes in Idiopathic Intracranial Hypertension: A Population Study」
「特発性頭蓋内圧亢進症における発生率、有病率および医療転帰:人口調査」(原文はここ)
肥満を指摘された方は反発するばかりで、
致命的な病気にでもならない限り自覚しないでしょうから、悩ましい問題ですね。
鈴木武彦さん、コメントありがとうございます。
自覚は人それぞれです。血液検査の異常値で危機感を持つ人もいれば、病気になっても何も変えない人もいます。
それは個人の自由ですが、私は少しでも長く健康でいたいので、今の食事を摂っています。