糖質制限をしていれば、体の脂肪を燃やすことは当たり前の現象です。しかし、糖質過剰摂取では脂肪を燃焼するかどうかは気になるところかもしれません。
私は普段コーヒーもたくさん飲みますが、お茶はウーロン茶が多いです。
今回の研究ではウーロン茶が脂肪燃焼にどれくらい効果があるかを調べています。同時にカフェインの効果も調べています。それぞれのドリンクは1日に朝と昼に1缶ずつ与えられ、1日量として、100mgカフェイン、97mgカテキン、125mgポリフェノールを含むウーロン茶、またはカフェイン100mgのみ、プラセボの3つのドリンクを14日間飲みました。20〜56歳の健康な12人の非肥満男性が対象です。食事は15%のタンパク質、25%の脂質、60%の炭水化物という糖質過剰の通常の食事です。(図は原文より、表は原文より改変)
上の図は上から順に中核体温、心拍数、交感神経活動、副交感神経活動です。
プラセボと比較して、覚醒時および24時間の中核体温は、カフェインおよびウーロン茶で高かったのですが、睡眠中の3つの間の差は有意ではありません。カフェインの心拍数は、覚醒時、睡眠時、および24時間でプラセボの心拍数よりも有意に低く、睡眠中および24時間のウーロン茶の心拍数よりも有意に低かくなりました。24時間にわたる交感神経活動(LF / HF)は、プラセボよりもカフェインで有意に低くなりました。カフェインの覚醒、睡眠、および24時間の副交感神経活動(HF)は、プラセボよりも有意に高く、睡眠中および24時間以上のウーロン茶よりも有意に高くなりました。睡眠パラメーターに統計的に有意な差はありませんでした。
プラセボ | カフェイン | ウーロン茶 | |
---|---|---|---|
24時間 | |||
エネルギー消費量(kcal / min) | 1.17±0.26 | 1.16±0.27 | 1.16±0.24 |
呼吸商 | 0.90±0.05 | 0.88±0.05 | 0.88±0.047 |
脂肪の酸化(kcal / min) | 0.29±0.20 | 0.36±0.20 | 0.35±0.17 |
炭水化物の酸化(kcal / min) | 0.74±0.29 | 0.68±0.27 | 0.67±0.27 |
中核体温(°C) | 36.5±0.5 | 36.6±0.4 | 36.7±0.5 |
心拍数(拍/分) | 65±8 | 62±8 | 64±10 |
LF / HF | 6.85±3.03 | 5.88±2.86 | 6.31±2.79 |
HF(ms 2) | 315±259 | 502±394 | 393±296 |
覚醒中 | |||
エネルギー消費量(kcal / min) | 1.31±0.20 | 1.30±0.21 | 1.30±0.17 |
呼吸商 | 0.91±0.05 | 0.90±0.04 | 0.90±0.04 |
脂肪の酸化(kcal / min) | 0.27±0.20 | 0.35±0.20 | 0.33±0.18 |
炭水化物の酸化(kcal / min) | 0.89±0.24 | 0.82±0.22 | 0.82±0.20 |
中核体温(°C) | 36.6±0.6 | 36.8±0.4 | 36.8±0.4 |
心拍数(拍/分) | 68±6 | 66±6 | 67±9 |
LF / HF | 7.21±2.41 | 6.49±2.52 | 6.58±2.37 |
HF(ms 2) | 252±201 | 427±372 | 366±266 |
睡眠中 | |||
エネルギー消費量(kcal / min) | 0.91±0.13 | 0.89±0.14 | 0.91±0.11 |
呼吸商 | 0.86±0.05 | 0.85±0.05 | 0.84±0.04 |
脂肪の酸化(kcal / min) | 0.32±0.20 | 0.36±0.20 | 0.39±0.15 |
炭水化物の酸化(kcal / min) | 0.45±0.13 | 0.41±0.13 | 0.39±0.12 |
中核体温(°C) | 36.3±0.4 | 36.3±0.3 | 36.3±0.4 |
心拍数(拍/分) | 58±6 | 54±7 | 56±9 |
LF / HF | 5.59±3.95 | 4.58±3.01 | 5.28±3.44 |
HF(ms 2) | 511±290 | 684±380 | 472±346 |
3つのドリンクのエネルギー消費量は、覚醒、睡眠、または24時間で同様でした。プラセボと比較して、覚醒、睡眠、または24時間のカフェインおよびウーロン茶では呼吸商が低くなりました。睡眠中のウーロン茶ではカフェインよりも呼吸商が有意に低くなりました。つまり、ウーロン茶の方が睡眠中に脂肪酸化が大きいことを意味しています。ウーロン茶に含まれるカフェインはカフェインドリンクと同量なので、ウーロン茶の効果はカフェインによる効果ではないことを示してます。
プラセボと比較して、カフェインとウーロン茶は、覚醒、睡眠、または24時間の脂肪の酸化を増加させ、炭水化物の酸化を減少させました。どちらかというと脂肪の酸化が大きく増加するのは空腹時であるように見えます。恐らく、食後はインスリン分泌が増加しているので、それに対抗して脂肪を燃焼させる効果は乏しいのでしょう。
ウーロン茶のカテキンなのかポリフェノールなのか、または未知の成分なのか、とにかく何かが作用してこのような現象が起きているのでしょう。しかし、これが健康に与える影響、そして体重変化に与える影響はわかりません。
ただ、糖質入り飲料を飲むよりは格段に健康的であり、体重増加も起きないのは明らかでしょう。糖質制限をすれば、ウーロン茶の力が無くても脂肪は燃焼しまくりですが、糖質制限を行っている人でウーロン茶やカフェインがどのような効果があるのか知りたいですね。
「Subacute Ingestion of Caffeine and Oolong Tea Increases Fat Oxidation without Affecting Energy Expenditure and Sleep Architecture: A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blinded Cross-Over Trial」
「カフェインとウーロン茶の亜急性摂取は、エネルギー消費と睡眠の構造に影響を与えることなく脂肪の酸化を増加させる:無作為化プラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験」(原文はここ)
烏龍茶はじめ各種お茶、炭酸水(コストコで、ミネラル炭酸水が1本あたり¥26)、オイルやバター入りコーヒーなどを飲用してます。最近ようやくゼロコーラなどの人口甘味料飲料、飲まない習慣が身についてきたようです。
トランプ大統領の執務室あったという「ダイエットコーラボタン」が、バイデン氏になったら撤去されたそうです。
糖質制限、トランプさんも意識されていたのでしょうか。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
トランプさんが糖質制限?そんなわけありません。あの体ですから。