アルコール依存症の人がアルコールから離脱するのに、禁断症状に苦しむことがあると思います。
アルコールを飲み続けると、脳の神経細胞はブドウ糖ではなく、アルコールの代謝産物である酢酸ばかりをエネルギー源として利用するように変化してしまうようです。そのため、禁酒すると酢酸が急減し、エネルギー源を失ってしまうのです。
そうすると、糖質制限をしている人はみんな知っているケトン体を増やせば脳のエネルギーは賄えるのでは?と思うでしょう。その通りのようです。
ケトン食はアルコール離脱症状を軽減するようです。(図は原文より)
上の図はAは尿中のケトン体のアセト酢酸、Bは血中のβ-ヒドロキシ酪酸です。水色KDはケトン食群、紺色SAは通常食です。当然ケトン食でケトン体が大きく増加しています。
離脱症状を軽減するためにベンゾジアゼピンが使われますが、Aはその使用量です。ケトン食では大幅にベンゾジアゼピンが少なくなりました。Bは食事療法開始前の入院時のベンゾジアゼピンを必要とする割合です。黒い部分が必要な人です。Cは食事療法の開始後にベンゾジアゼピンを必要とする人の割合です。通常食よりもケトン食でベンゾジアゼピンを必要とする患者は少なくなりました。
Aに示すようにアルコールを想起させる刺激に対し、ケトン食の方がアルコールに対する欲求は低下しました。Bは食べ物の刺激によって引き起こされた欲求についてですが、これは両群で違いはありませんでした。CとEはアルコールおよび食べ物に対する脳の反応性を見ています。ケトン食の方が反応性が増加しています。しかし、私にはこの結果についてはあまり理解できません。
上の図は脳の代謝物を見ています。CおよびDはケトン体で、ケトン食の方が増加しています。EおよびFはアミノ酸で、グルタミン酸およびグルタミンはケトン食の方が増加していました。GおよびHは神経炎症マーカーであるミオイノシトール(mI)およびコリン(Cho)で、ケトン食の方が低下していました。(ミオイノシトールは第3週では差はありませんでしたが)
通常食と比較してケトン食ではベンゾジアゼピンの必要性が低下し、低ミオイノシトール(mI)とコリン(Cho)で示されるように、神経炎症の減少も起きているようです。脳に対するケトン体の有益性だと思われます。
糖質制限をしている人に中には、アルコールを結構飲む方もいるでしょう。アルコールを大量に飲みながら糖質制限をしたら、脳がどのようになるのか興味もありますね。しかし、アルコールはほどほどにしましょう。
「Ketogenic diet reduces alcohol withdrawal symptoms in humans and alcohol intake in rodents」
レギュラーガソリンでディーゼル車は故障しますし、EVcarはガソリンで走りません。 最近は水素燃料車も有り、エネルギーも多様です。ソーラーカーも普及していくのでしょうか。
人類も糖質・脂質・蛋白質などエネルギー源多様(太陽光が利用できれば便利ですが)。 しかし、美味しく依存性が高い糖質を長期間摂取し続けた結果「故障」してしまうのが 「糖質過剰症候群」なのでしょうね。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
エネルギーとして使えるというレベルと、良質なエネルギー源とというレベルは違いますからね。
糖質をとらないようになってから、それ以前と比べて、お酒が弱く(早くまわるように)なりました。やはり、関係あるのだと考えています。
齊藤克弘さん、コメントありがとうございます。
実は私は糖質制限をしてからの方がお酒が強くなりました。なぜだかわかりません。