お米、特に玄米にはヒ素がいっぱい

ここのところ、お米不足と値段の高騰が連日のように報道されています。備蓄米を放出したとか、実際にはそれが小売業者に届いていないとか、スーパーに並んでいないとか、いろいろ言われています。しかし、私は糖質制限をしているため、全くピンと来ていません。国は本気でどうにか対処しようとはしていないばかりか、減反政策を継続し、お米を国民に届けずに、輸出しているくらいですからね。あえて高騰させています。

ところで、お米にはヒ素がいっぱい入っていることはご存じでしょう。農林水産省の以前の調査によると、下の図のように、総ヒ素の摂取量は魚介類からが最も多くなっています。(図はここより)

上の図は1日の総ヒ素摂取量です。半分以上は魚介類からですね。次に野菜や海草ですが、ほとんどは海草でしょう。魚介類に多く含まれるのは、有機ヒ素の⼀種であるアルセノベタインで、⽐較的無毒であると考えられています。しかし、最も毒性の強い無機ヒ素で見ると、次の図のようになります。

無機ヒ素の全体のおよそ67%は米からなのです。。⼀般的に無機ヒ素含有量が最も⾼い⾷品の⼀つは⽶です。

ヒ素は毒性のある半⾦属元素であり、いかなる量でも安全とは考えられていません。低⽤量のヒ素への慢性曝露は、⽪膚がん、肺がん、膀胱がんの原因としてよく知られており、腎臓がん、肝臓がん、前⽴腺がんとの関連も指摘されています。糖尿病、⼼臓病、免疫学的影響など、慢性ヒ素曝露によるがん以外の健康影響の可能性についても指摘されています。

⽶をたくさん⾷べる⼈が、⾷べない⼈よりも肺がんや膀胱がんの発⽣率が⾼いという証拠はありません。しかし、⽐較的⾼濃度のヒ素を含む⽶を頻繁に⾷べる⼈は、膀胱の細胞にがんに関連する可能性のある遺伝子の損傷がある可能性が⾼いことを実証した研究が発表されました。(ここ参照)

アメリカでは下の図のように、1日または1週間での米製品の摂取の推奨量が示されています。(図はここより)

ライスを見てみると、大人で週に2サービング(1サービングは1/4カップ、40~50gくらいですか?)、子供は1.25サービングです。1週間の量ですよ!玄米には同じ種類の白米よりも平均で80%も多く無機ヒ素が含まれていたそうです。玄米は様々な栄養素が、白米と比較して多いので健康的だと思っている人も多いでしょう。栄養素も豊富かもしれませんが、有毒な物質も豊富なのです。ライスケーキ(お餅)1食分で子供の1週間の摂取量の上限にほぼ達し、ライスシリアルやライスパスタ1食分でも上限量を超える可能性があります。

分析された製品はいずれも急性毒性レベルに達していませんが、長期の低用量曝露による健康影響は不明です。アメリカFDAによると、ヒ素曝露による健康への悪影響は、ヒ素の種類(有機または無機)、曝露量、ヒ素に曝露した人の年齢など、さまざまな要因によって異なります。多くの研究で、ヒ素曝露とがん、心血管疾患、糖尿病、高血圧、肥満との関連が指摘されています。

様々な研究により、妊娠中の女性、胎児、新生児がヒ素に曝露されると、妊娠に悪影響を及ぼすことが実証されています。子宮内での無機ヒ素曝露は、出生児のDNA損傷と正の相関関係にあります。最近の健康リスク評価では、ヒ素を含む米および米を原料とした食品(シリアル、ケーキ、クラッカーなど)の摂取は、特に乳児および小児においてがんリスクの増加につながることが報告されています。

スウェーデンも次のような推奨を行っています。(ここ参照)

•6歳未満の子供(就学前児童)には、ライスドリンクを与えないでください。(ライスドリンクって何?と思ったら、こんなものがあるのですね。)

•6歳未満の子供(就学前児童)には、お餅を与えないでください。6歳以上の子供と⼤⼈は、他の⽶製品の摂取量に応じて、お餅を時々⾷べることができます

•⽶および⽶製品(お粥、⽶麺、お粥スナック(?)など)の摂取を、⼦供は週4回、⼤⼈は週6回に制限してください。現在、スウェーデンにおける⽶および⽶製品の平均的
な消費者は、週に約3回⽶および⽶製品を⾷べています。

•⽶を⾷べるときは、必ずしも玄米を選ぶ必要はありません。

イギリスの米製品の調査をした研究では、発がんリスクを回避するには、1歳までの乳児は28種類の米を1日最大20 gに制限する必要がある、と報告しています。(ここ参照)

オーストラリアでも、スーパーで売られている子供向けの米製品の75%に、乳幼児が安全に摂取できる米に関するEUのガイドラインを超えるヒ素濃度が含まれていたことが判明しました。(ここ参照)

それにしても、日本では欧米の米や米製品に対する制限とは全く異なるというか、全く規制がありません。日本人の子供は毎日お米を食べていますし、しかも3食食べている場合もあるでしょう。親が変に健康志向だと玄米を毎食のように食べている家庭もあるでしょう。グルテンフリーが広まって、米は健康的だと考え、米粉を使ったパンを食べている人もいるでしょう。米のとぎ汁を料理に使う人もいるかもしれません。米ぬかも健康的だと摂取している人もいるかもしれません。間食にも米製品のお菓子などを食べている人もいるでしょう。

米や米製品の全てに無機ヒ素が入っています。日本人は大丈夫なのでしょうか?

欧米では未熟な代謝機能を持つ子供をより厳重に守る姿勢を示していると思われます。しかし、日本では「米文化」の影響が色濃く残っています。米を崇拝しています。日本では米は食の基盤・文化・農業政策の中心とも言えます。米の摂取を控えるように国が言えば、社会的・経済的に大きな影響が出るため、政治的に極めて言いづらいのでしょう。国民の健康に配慮したものではありません。「見て見ぬふり」のようなものです。これもまた日本的です。

米は糖質も豊富ですが、無機ヒ素も豊富です。こんな不健康な食材に高いお金を出す必要はありません。これを機に糖質、お米から離れてはいかがでしょうか?

「Arsenic content and exposure in brown rice compared to white rice in the United States」

「米国の玄米のヒ素含有量と曝露量と白米との比較」(原文はここ

「Arsenic in brown rice: do the benefits outweigh the risks?」

「玄米に含まれるヒ素:メリットはリスクを上回るのか?」(原文はここ

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