アルツハイマー病は3型糖尿病だと考えています。糖質過剰症候群です。糖質過剰摂取を続けていれば、認知症リスクは非常に高まってしまいます。
軽度認知障害の状態から認知症になるまでのスピードは、糖質過剰摂取を続けているとどうなるでしょうか?
今回の研究では糖尿病または前糖尿病(糖尿病予備軍)と軽度認知障害から認知症になるリスクやスピードを分析しています。対象は1,265人の非認知症の人で、そのうち963人は認知的に問題なく、302人は軽度認知障害をベースラインで持っていました。
まずは認知的に問題ない人が追跡期間のうちに軽度認知障害になるリスクについては糖尿病や前糖尿病では有意に増加しませんでしたが、認知症になるリスクは増加し、ベースラインですでに前糖尿病で1.64倍、糖尿病で2.1倍でした。
すでに軽度認知障害の人がアルツハイマー病になるリスクはベースラインですでに前糖尿病で5.73倍、糖尿病で2.83倍でした。
(図は原文より)
上の図は軽度認知障害の人が認知症になるリスクです。横軸は年数です。実線が糖尿病および前糖尿病のある人、点線は無い人です。
ベースラインから認知症の発生までの期間の中央値は、糖尿病または前糖尿病患者で1.83年、糖尿病や前糖尿病ではない人で5.01年でした。つまり糖尿病または前糖尿病は、軽度認知障害から認知症への進行するスピードを平均3.18年加速したことになります。
軽度認知障害から認知症になるリスクが前糖尿病の方が糖尿病よりもかなり高いのは非常に興味深いです。糖尿病になってしまうと薬の投与が行われることが多く、それにより高血糖が幾分少なくなるかもしれません。しかし前糖尿病では恐らくほとんど効果のないカロリー制限という食事療法と運動の推奨だけでしょう。そうすると、前糖尿病であることは糖尿病よりも食後の血糖値スパイクを頻繁に、強く起こしている可能性があります。さらに、前糖尿病の方がすい臓のβ細胞はまだインスリン分泌能力があり、インスリン抵抗性が高くなっている可能性があります。
つまり、治療している糖尿病よりも、効果の少ない食事療法以外ほとんど何もしていない前糖尿病の方が高血糖となり、インスリン抵抗性が増加している可能性があるのです。
いずれにしても、認知症予防にはまずは糖質制限でしょう。
「Accelerated progression from mild cognitive impairment to dementia in people with diabetes」
「糖尿病患者における軽度認知障害から認知症への進行の加速」(原文はここ)
「何でも食べられる物を」と,甘い物が食事量が減った高齢者には与えられてますね。 m見る側の安心の為としか思えません。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
エネルギーになれば何でも良いという発想は止めないといけませんね。