トレーニングをしている人の糖質制限

アスリートやトレーニングをしている人では、理想的な筋肉、筋力を達成するために食事は重要でしょう。糖質制限をすると筋肉が減少してしまうと思っている人もいるかもしれません。

13の研究を分析した研究があります。参加者が健康で、18 歳以上の身体的に活動的な男性または女性で、14 日以上ケトン食を摂取している(1日炭水化物50g未満または血中のケトン体であるβ-ヒドロキシ酪酸>0.5mmol/L) 研究が選択されました。(表は原文より改変)

持続期間 (d)ケトン食コントロール
体重 (kg)脂肪量 (kg)除脂肪量 (kg)計算されたエネルギーバランス (kcal/d)体重 (kg)脂肪量 (kg)除脂肪量 (kg)計算されたエネルギーバランス (kcal/d)
84−3.6−2.9−0.7−338−0.9−0.4−0.5−52
84−1.70−1.7−241.61.10.5132
42−3.5−2.8−0.4−6450.20.10.125
21−2.1−2.2−0.1−1002
84−3−2.5−0.5−290−0.3−0.30−34
84−7.7−5.9−1.8−6930.1−0.60.7−58
84−5.9−4.60.3−517−0.8−0.50.1−55
28−1.7−1.70.0−577
56−0.8−1.40.6−2501.3−0.92.2202
420.5−0.20.4−340.10.5−0.4102
56−1.4−1.1−0.3−1930.9−0.41.4−38
56−2.2−1.1−0.7−2020.80.40.783
70−2.6−4.21.5−5450.6−2.22.7−253

上の表はそれぞれの研究の結果です。栄養素摂取量はケトン食群では平均2318kcal、炭水化物8%、脂肪70%、タンパク質22%、コントロール群では2433kcal、炭水化物52%、脂肪29%、およびタンパク質19%でした。

その集計結果は、体重がケトン食で2.7kg減少し、コントロールでは0.3kg増加していました。脂肪量はケトン食で2.3kg減、コントロールでは0.3kg減少しました。筋肉量の目安となる除脂肪量はケトン食で0.3kg減少し、コントロールで0.7kg増加しました。体組成の変化に基づく推定エネルギーバランスは、ケトン食で-339kcal/d、コントロールで+5kcal/dでした。

つまり、トレーニングをしている人、アスリートでも、糖質制限やケトン食で体重は減少しますが、そのほとんどは脂肪量の減少であり、筋肉量はほとんど減少しません。筋肉量の減少はほとんどが水分でしょう。

糖質制限で筋肉が減少するというのはウソです。

トレーニングをしていても安心して糖質制限ができますね。

 

「Body composition changes in physically active individuals consuming ketogenic diets: a systematic review」

「ケトジェニックダイエットを摂取している身体的に活動的な個人の体組成の変化:系統的レビュー」(原文はここ

2 thoughts on “トレーニングをしている人の糖質制限

  1. どのトレーニング雑誌を読んでも、筋肉をつけるためには、タンパク質とともに糖質の摂取を必須に挙げていますね。周りにもプロテイン愛用者がいっぱいいてますが、みんな口を揃えて糖質が大事と言います。トレーニーの中にはステロイド使用者も最近は多いと聞きますし、健康よりも筋肉って…。まあ人それぞれなんですけど。

    1. かみさん、コメントありがとうございます。

      アスリートも健康よりも記録ですし、人それぞれ目的が違っても当然です。
      気が付いたときに手遅れでなければ良いのですが。

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