代謝的に健康な肥満の人は本当に健康?

肥満であっても血液検査上、問題ない方もいます。糖尿病であっても、薬である程度空腹時血糖値やHbA1cが落ち着いて、その他の数値も問題なければ、肥満のままでいる人もいます。

代謝的に健康な肥満というのは、本当に健康なのでしょうか?様々なリスクはどうなのでしょうか?

今回の研究ではイギリスで381,363人の人を対象に分析しています。

6つの項目、血圧、CRP、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、HbA1cのうち、少なくとも4つの代謝的に健康な基準を満たした参加者は、代謝的に健康であると見なされました。(結構健康の基準が甘い気がしますが)

MHN=代謝的に健康な非肥満、MHO=代謝的に健康な肥満、MUN=代謝的に不健康な非肥満、MUO=メタボリックシンドローム肥満です。(図は原文より)

図2

上の図は糖尿病の発症率です。代謝的に健康な非肥満と比較すると、どの群もかなりリスクが高くなっています。代謝的に不健康な肥満では13倍近いリスクで、代謝的に健康な肥満であっても4.32倍です。

図3

上の表の上から順に、アテローム性動脈硬化性心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中、心不全、呼吸器疾患、慢性閉塞性肺疾患の発症率、全原因死亡、致命的なアテローム性動脈硬化性心血管疾患、心筋梗塞、脳卒中、心不全、呼吸器疾患、慢性閉塞性肺疾患です。多くの項目で、代謝的に健康であっても肥満だとリスク増加が認められます。

ベースラインで肥満のあった代謝的に健康な肥満の人々のうち、3分の1以上が3〜5年以内に代謝的に不健康になりました。

上の図はまとめです。代謝的に健康な肥満はもちろんですが、肥満でなくても代謝的に不健康な非肥満の人は当然様々なリスクが高くなります。肥満かどうかだけではなく、代謝的に健康かどうか、というのは重要でしょう。

また、検査の数値だけで健康かどうかを評価するのも限界があるでしょう。異常値が出た時点でかなり病状が進行していることも珍しくないでしょう。

まずは糖質制限ですね。

糖質過剰症候群

「Are people with metabolically healthy obesity really healthy? A prospective cohort study of 381,363 UK Biobank participants」

「代謝的に健康な肥満の人は本当に健康ですか?381,363人の英国バイオバンク参加者の前向きコホート研究」(原文はここ

4 thoughts on “代謝的に健康な肥満の人は本当に健康?

  1. 明らかに肥満の方より、MUN=代謝的に不健康な非肥満の場合、生活改善の動機づけが難しそうですね。                                      体形や代謝疾患有無にかかわらず、糖質制限などの健康習慣に取り組むべきですね。         

    ただ、世の中には勘違い健康法があふれていますが、、、

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      勘違い健康法をいわゆる「専門家」が推奨しているのが問題でしょう。

  2. 亡くなる前、彼がどんな状態であったかは全く知りませんが、小林亜星氏が88歳まで生きられたことにとても驚いています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です