経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)はかなり危険な検査かもしれない

糖尿病の診断に用いられる経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)は通常、75gのブドウ糖を含んでいます。75gですよ?

コカ・コーラには100mlあたり11.2gですから、500mlのペットボトルでも56.5gです。それよりもさらに20g近く糖質が多いのです。

先日の夏井先生のホームページの記事に紹介されていたかなり以前の記事「「コーラと同じ量の砂糖が入った水は飲めたもんじゃない」は本当か」を読むと、炭酸などが入っていない状態では50g以上の糖質を含んだ水は飲めたもんではないということがわかります。300ml、つまり糖質30gでもかなり辛そうで、気持ちが悪くなっています。

ポカリスエットは100mlあたり糖質6.2gなので、500mlだと31gです。ポカリには炭酸は入っていませんが、塩分などの電解質でごまかされて飲むことができるのでしょう。コーラもスポーツドリンクもいかに異常な飲み物かがわかります。

話を元に戻して、OGTTは75gの糖質を一気に摂取するという、拷問のような検査です。糖質制限をするのであれば、糖尿病という診断名さえ必要ありません。糖尿病という診断名は治療するため、薬を処方するために必要です。糖尿病かどうかのラインはきちっと線が引かれているものではありません。数値はいわゆる専門家たちが勝手に決めたものです。その数値以下であればたった1でも下回れば安全圏にいるわけではありません。しかも体重が大きく違う人が同じ糖質量を摂取して出される結果で糖尿病かどうかを決めるなんておかしな話です。普通で考えれば、体の大きさで糖質量を変えるべきです。(「OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)はかなり適当な検査」参照)

OGTTは非常に危険な高血糖、高インスリン血症を招く検査です。1回だから良いのかもしれませんが、糖尿病という称号が欲しいのでなく、糖質制限をするのであれば必要のない検査です。

OGTTは高血糖以外にもリスクのある検査かもしれません。(図は原文より)

上の写真は保存剤として安息香酸ナトリウム60mgを含むブドウ糖50g(100ml、韓国製)を飲んで検査を受けた人の胃の内視鏡の画像です。合計235人の患者、平均年齢は50.0歳(19〜85歳)の66人の患者(28.1%)に上のような急性の出血性の胃の損傷、炎症病変が認められました。この50gのグルコース溶液の浸透圧は2.78Osmと高く、摂取速度は1分以内です。文献によると、浸透圧が高く(500mOsm/L)、糖質摂取速度が速い(> 1.0〜1.5g/min)と、胃腸の症状が悪化する可能性があるそうです。50gでこんなことになるのであれば75gだともっと多くの人がもっとひどいことになる可能性もあります。もちろん今回の保存料の安息香酸ナトリウムが原因かもしれません。

通常の血液検査で糖尿病かもと思ったり、言われたりしたら、検査で確認するよりも糖質制限を始めてしまった方が安全です。

 

「Acute gastric injury after ingestion of substrate with hyperosmolar glucose and benzoate inversely related with small intestinal bacterial overgrowth」

「小腸細菌異常増殖と逆相関する高浸透圧グルコースおよび安息香酸を含む基質の摂取後の急性胃損傷」(原文はここ

4 thoughts on “経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)はかなり危険な検査かもしれない

  1. 医療は誰の為?(医療も様々でしょうが。)

    ついでに現在の、新型コロナウィルス感染症による日本の医療崩壊って本当なのですか?
    (地域や、医療機関の種類にもよるのでしょうが。)

    1. 鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。

      医療は誰のためでもありません。自分のためです。
      新型コロナウイルスで東京では重症者用のベッドの20%ほどしか使用していません。死者は連日1~2人の世界です。
      これで医療崩壊するでしょうか?
      札幌も重症者5人です。札幌のような都市で5人で医療崩壊するはずがありません。

  2. 妊娠すると、妊娠糖尿病の検査があります。胎児への悪影響はないんだろうかと思いつつ、拒否もできずに大人しく受けました。
    すごく甘いなと思いつつ飲めてしまうのが恐ろしいですよね。

    1. 中山さん、コメントありがとうございます。

      1回だけなら問題はないと思いますが、糖質制限をしている人にとっては拷問のような検査ですね。

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