朝食を食べない子供はバカになる?負け組になる? その2

朝食の重要性は食品産業などとつながっているため、正当な評価はされていません。以前の記事「朝食を食べない子供はバカになる?負け組になる? その1」のように、一部のいわゆる専門家は朝食を食べないと脳が働かず、成績が低下したり、自分の希望の会社に入れないなどと非常に悪質なウソを言います。

今回の研究では子供たちの朝食がどれくらい利益になっているのか、様々な研究のシステマティックレビューです。

まずは朝食を摂るか摂らないか、での急性効果です。つまり、朝食を抜くと脳が働かず、注意力や記憶力に影響があるのか?を分析した研究を集めています。(表は原文より改変)

朝食ありvs朝食なし
認知領域総研究朝食の利点無効朝食なしの利点
注意2113143
記憶15893
実行機能13781
精神運動機能4221
言語4211
合計2432349

注意力に対する朝食の利点を示したのは13の研究で朝食が無効(利点なし)を示したのは14の研究で、さらに3つの研究は朝食なしの方が利点があったものでした。朝食の利点を示した13の研究のうち5つは、効果があったのは男子だけであったり、中央値より下の知能指数を持つ子供たちであったり、栄養不足の子供たちに限られていました。朝食の負の効果を示した3つでは、栄養価の高い朝食の子供や女子にだけ認められました。

記憶に関しても朝食が利点があるというのは8件の研究、利点なしは9つの研究、朝食ないしの方が利点があるのが3つの研究でした。

さまざまな朝食の種類の影響はどうでしょうか?

朝食タイプの急性効果
GI / GLエネルギー高炭水化物対タンパク質
認知領域総研究より高いGI / GLの利点無効低GI / GLの利点より高いエネルギーの利点無効低エネルギーの利点高炭水化物の利点無効高タンパクの利点
注意14146021011
記憶12154200010
実行機能5231000010
精神運動機能3020010000
言語2001010000
合計1541412241031
GI(グリセミックインデックス)、GL(グリセミックロード)についての是非は置いておいて、朝食で高GI/GL食に利点があることを示したのは、注意力や記憶どちらについてもたった1つの研究のみで、このような高GI/GL食が無効であるか、低GI/GL食の方が利点があるという研究の方が多くなっていました。様々な影響を見ても高炭水化物食の利点を認めた研究はゼロでした。本当に朝に脳がブドウ糖を欲しているのであれば、高GI/GL食や高炭水化物食の利点がもっと得られるはずです。
家で朝食を摂ってこない子供に対して学校の朝食プログラム(SBP)という制度もあるようですが、
学校の朝食プログラム(SBP)の影響
認知領域総研究SBPの利点無効SBPがないことの利点
注意8470
メモリー5140
実行機能4220
精神運動機能3210
言語0000
合計119140

学校が朝食に介入しても無効であるという結果の研究の方が多いのです。

つまり、朝食を摂取することが学力、注意力、記憶力など脳に対して影響はない、または人によっては有害である可能性もあるのです。さらに朝食に糖質いっぱいのものを食べることはやっぱり有害と考えられます。

朝食を摂るかどうかは、それぞれの家庭で考えれば良いですが、きちっと考えた食育において朝食を摂らないのであれば、それは非常に良いことだと考えます。逆に親の怠慢での食育を全く考えていない状態の朝食は摂っても摂らなくてもあまり変わらないでしょう。学力や注意力は朝食では決められません。

朝食を摂る摂らないだけでなく、1日の食事の回数など、エビデンスもないのにいわゆる専門家やマスコミは1日3回の食事の重要性を連呼しています。ときに朝食を抜くと太るなんてことも言っていたりします。本当に太る?それは次回以降で。

「The Effects of Breakfast and Breakfast Composition on Cognition in Children and Adolescents: A Systematic Review」

「朝食と朝食の構成が子供と青年の認知に及ぼす影響:系統的レビュー」(原文はここ

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コメント

  1. 鈴木 武彦 より:

    「朝食を摂るか摂らないか、での急性効果」
    極端な話、認知症状が見られる高齢者といわゆる健常者について、
    それぞれ朝食無し、有りで比較検討したようなものでおかしいですね。

    きっとしっかりパンやご飯などの朝食を摂って研究されたのでしょう。