相変わらず、医療の現場では食欲が低下したときなど、口当たりが良いもの、何でも食べたいもの、などを食べるようにアドバイスされます。それはがんの患者さんにおいても同様です。手術後や化学療法後でもです。
高血糖はがんの増殖やがん細胞の細胞死からの保護、浸潤、転移、抗がん剤の効果の低下などに関係していると考えられています。それなのに何でも食べて良いのでしょうか?
今回は乳がんの診断後の様々な種類の糖質(炭水化物)と乳がんおよび全原因死亡との関連を分析しています。ただ、いつものように食事アンケートなのでデータの質は低いかもしれません。
対象はステージI〜IIIの乳がんの女性8,932人。平均11.5年間の追跡し、乳がんによる死亡は1,071人、すべての原因による死亡は2,532人でした。
上の図は糖質の摂取量により5つのグループに分けたときの乳がんによる死亡(左)のリスクと全原因死亡(右)のリスクです。上から総糖摂取量、追加(添加された)糖摂取量、天然糖(食品に含まれ、成分として添加されていない糖)、ショ糖、果糖です。
乳がん診断後の総糖摂取量が多いほど、すべての原因による死亡のリスクが高いことと有意に関連していました(ハザード比Q5vsQ1 = 1.23)。追加糖摂取量の増加は、すべての原因による死亡のリスクの増加と有意に関連していました(ハザード比Q5vsQ1= 1.20)。天然糖の摂取は、死亡リスクとは関連していませんでした。ショ糖摂取量が多いと、乳がんおよびすべての原因による死亡のリスクが高くなりました。また果糖摂取量が多いほど、乳がんの死亡は1.34倍、すべての原因による死亡は1.16倍でした。
上の図はどのような食材からの炭水化物なのかによる違いを分析しています。上からフルーツ、フルーツジュース、野菜、全粒穀物、精製穀物、豆、じゃがいもです。
フルーツジュースからの炭水化物の摂取量の増加は、乳がんおよびすべての原因による死亡のリスクの増加と有意に関連し、野菜からの炭水化物は、すべての原因による死亡のリスクの低下と有意に関連していました。ジャガイモからの炭水化物の高い摂取は、乳がんの死亡のリスクが高いことと関連しており、精製穀物からの炭水化物は、すべての原因による死亡のリスクが高いことと関連していました。
質の低いデータでの研究なので、非常に興味深い結果ではあります。フルーツジュースは果糖たっぷりなのでやはりリスクは高いと思います。
10月はピンクリボン月間です。乳がんは近年非常に増加しています。がんは糖質過剰症候群です。糖質はがんのエサです。糖質制限でリスクを抑えましょう。
「Types of carbohydrate intake and breast cancer survival」
「炭水化物摂取の種類と乳がんの生存」(原文はここ)
読んだ話ですが、ヒポクラテスは食事を非常に重要視。
専門分科・高度化した現代医療は食事軽視なんでしょうかね。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
現代は薬こそ治療であると思っているのでしょうけど、なぜ病気になったかを考えなければなりません。
食事が最重要です。