サケは栄養価が高いのですが、天然ものと養殖では脂質の量がかなり異なります。一切れ80gで比較してみましょう。
秋鮭、紅鮭は天然もので、大西洋鮭は通常養殖です。(表のデータはここより)
秋鮭 | 紅鮭 | 大西洋鮭(アトランティックサーモン) | |
タンパク質 | 17.84g | 18g | 16.08g |
脂質 | 3.28g | 3.6g | 12.88g |
炭水化物(糖質) | 0.08g | 0.08g | 0.08g |
EPA(エイコサペンタエン酸) | 168mg | 216mg | 680mg |
DPA(ドコサペンタエン酸) | 68.8mg | 58.4mg | 320mg |
DHA(ドコサヘキサエン酸) | 320mg | 384mg | 1120mg |
AA(アラキドン酸) | 11.2mg | 16mg | 54.4mg |
オメガ3合計 | 0.65g | 0.74g | 2.59g |
オメガ6合計 | 0.06g | 0.09g | 0.43g |
飽和脂肪酸 | 0.53g | 0.65g | 2.53g |
一価不飽和脂肪酸 | 1.31g | 1.4g | 4.29g |
多価不飽和脂肪酸 | 0.73g | 0.82g | 3.03g |
ビタミンD | 25.6μg | 26.4μg | 8μg |
オメガ3の量は養殖の方が圧倒的に多いですが、ビタミンDは天然ものの方が非常に高くなります。養殖の鮭は色を良くするために色素で着色しているし、抗生物質も大量に使われていることを考えるとオメガ3だけでは判断できないでしょう。しかし、ますますスーパーの並ぶサケは養殖が多くなっています。
そんな養殖のサケですが、どうやら2005年と比較すると2020年ではオメガ3も減少しているようです。(図は原文より)
ヨウ素含有量は2005年に最も高く、中央値は9.0µg/100gでしたが、その後大幅に減少し2012年には2.1と最低含有量に達しました。2011年から2020年まで、含有量の中央値は2.1〜5.4µg/100gの間で比較的安定しています。セレン含有量は2005年に25µg/100gで最も高く、その後大幅に減少し、2015年に10と最低含有量に達し、2015年から2020年にかけて、セレン含有量は大幅に増加しました。ビタミンDは比較的安定しています。
脂質も比較的変動はしていませんが、その内容はどうでしょうか?
2005年から2020年にかけて、総オメガ3脂肪酸の含有量は39%減少しましたが、総オメガ6脂肪酸の割合は2倍以上になっています。EPA+DHAの含有量は、2005年の2.75g/100gから2020年の1.07g/100gと60%以上大幅に減少しました。つまり、オメガ3が減少して、その代わりオメガ6が増えたようです。これは恐らくエサの問題でしょう。
まあ、天然ものか養殖か、どちらを食べるかはそれぞれでしょう。私は天然が好きです。でも北海道のサケは今年も不漁のようです。残念。
「Temporal variations in the nutrient content of Norwegian farmed Atlantic salmon (Salmo salar), 2005–2020」
「ノルウェーで養殖されたタイセイヨウサケの栄養素含有量の時間的変動、2005〜2020年」(原文はここ)
不調を感じて初めて生活習慣や食事を見直すことは多いと思います。
予防の為に食品を全てオーガニック的な天然の物にすることは困難ですが、
食事習慣のなかでも糖質制限は無理なく簡単にできる健康習慣、と感じます。
鈴木 武彦さん、コメントありがとうございます。
オーガニック=ヘルシー、栄養価が高い、ではないですからね。