今年も1年ありがとうございました 免疫血栓と新型コロナウイルス

早いもので、もう2021年も終わろうとしています。今回は今年最後の記事です。今年も昨年に引き続き新型コロナウイルスに振り回された1年となってしまいました。昨日の東京の検査陽性者は久々の76人という人数です。また、煽り系のいわゆる専門家が騒ぎ出しそうですね。(この記事参照)また5類に下げるタイミングを逃してしまうのでしょうか?

さて、拙著「肥満・糖尿病の人はなぜ新型コロナに弱いのか 「糖質過剰」症候群II」で書いたように、アポトーシスでもネクローシスでもない、第3の細胞死「NETosis」は非常に重要なメカニズムです。好中球細胞外トラップ(NETs)は免疫血栓を形成し、病原体から体を守ります。

しかし、過剰になると様々な血管内に大きく広範囲の血栓を作り、臓器障害を起こし、最悪死亡してしまいます。

恐らく、新型コロナウイルスの重症化、死亡の本質はこのNETsの過剰形成でしょう。

(図は原文より)

上の図は新型コロナウイルス感染における肺血管の血栓を示しています。アスタリスク(*)は小動脈、白く囲んだのが中程度の動脈です。そして、緑色になっているのはすべてNETsによる血栓です。そこらじゅうの血管がビッチリ血栓で詰まっているのです。

NETs形成はブドウ糖および解糖系に依存しています。つまり、糖質過剰摂取により過剰反応を起こす可能性が高くなると考えられるのです。

普段の食事から高血糖を回避し、NETs形成や血栓を起こしにくい状態を保つことが重要です。血栓も糖質過剰症候群で起こりやすくなります。まずは糖質制限が基本です。年末年始も糖質過剰摂取に気を付けてください。

今年も1年、私のひとりごとにお付き合いいただきありがとうございました。何とかまた1年このブログを継続することができました。また、来年はパワーアップできるか、ダウンするのかはわかりませんが、私のペースで更新できたらいいな、と思っています。

来年もよろしくお願いいたします。

それではみなさんよいお年をお迎えください。

 

 

「Patients with COVID-19: in the dark-NETs of neutrophils」「COVID-19の患者:好中球の凶悪なNETs」(原文はここ

6 thoughts on “今年も1年ありがとうございました 免疫血栓と新型コロナウイルス

  1. 先生のお陰もあり、糖質制限を始めとした体調管理が身についてきた今日この頃。
    糖質依存の根は深く、油断するとあっという間に糖質過剰に逆戻りです。

    今年も有難うございました。
    来年も同様に、確かな根拠に基づく説得力あるブログを継続して頂ける事を願っています。

  2. 清水先生、いつも情報発信をしていただきありがとうございます。これだけの論文を紹介いただくことは大変だと思います。
    来年も楽しみにしています。
    良いお年をお迎えください。

  3. 清水先生、今年も大いに学ばせていただきました。ありがとうございます。

    多くのデータを解説していただく事ももちろんありがたいのですが、私にとってはその都度ご使用なさるお言葉がもっとありがたいです。

    例えば、「老化は便利な言葉」でしょうか。
    それ以来、老化は誰しも抗えないですが、老化と云う言葉で済まさない、免罪符にしないと心しています。

    来年もよろしくお願いいたします。

    1. 太田さん、コメントありがとうございます。

      私は非常に文章が下手だと自分で思っています。
      何とか私の考えが伝わっているのであれば幸いです。

      よいお年をお迎えください。

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