肥満は結腸直腸がんのリスクを高くします。特に内臓脂肪はリスクを高めるでしょう。女性の場合、閉経後に内臓脂肪の蓄積が増加する人が多いようです。
今回の研究では、内臓脂肪の多い閉経後の女性が結腸直腸がんを発症する可能性を分析しています。結腸直腸がんと診断された497人の女性と318人の明らかに健康な女性を比較分析しています。平均年齢は60.73歳で、同じアジアの韓国人のデータです。(図は原文より)
上の図は内臓脂肪面積を3つのグループに分けたときの結腸直腸がんの有病率です。内臓脂肪面積が少ない順でQ1:<67.98cm2、Q2:67.98–91.67cm2、Q3:> 91.67cm2です。明らかに内臓脂肪が多いほど有病率は高くなっています。最も内臓脂肪面積が高いグループでは70%近い値になっています。
上の図は、内臓脂肪面積に応じた結腸直腸がんの有病率の可能性を示しています。最も面積の少ないQ1と比較して、最も面積の大きいQ3では様々な調整をした後でも、結腸直腸がん全体で約3倍、結腸(大腸)がんで約3.5倍、直腸がんで約4倍、がんのステージ別でも3.64倍~3.8倍になっていました。
多くの閉経後の女性ではお腹の周りに大量の脂肪を蓄えています。閉経したから、年をとったから仕方がないと思っている人も多いでしょう。ただ単に加齢による体型の変化としか考えていない人もいるかもしれません。しかし、内臓脂肪の蓄積は食事の問題です。
お米やパンなどの糖質はもちろん、多くの人が果物は健康的だと思わされていて、大量の果物を毎日のように摂取しています。果物に含まれる大量の果糖は、最も内臓脂肪を増加させます。大量の糖質、果物を食べていても注意する医師は少ないでしょう。
お腹が出てくるのは、加齢のせいではありません。現在の食事が間違っているからです。お腹の脂肪が気になりだしたら、すぐに糖質制限を始めましょう。もちろん、そうなる前から糖質制限をした方が良いですが。
がんも内臓肥満も糖質過剰症候群です。
「Visceral Fat Accumulation Is Associated with Colorectal Cancer in Postmenopausal Women」
「内臓脂肪の蓄積は閉経後の女性の結腸直腸がんと関連している」(原文はここ)
以前は「恰幅良い」「貫禄ある」など肯定的表現もありましたが、現在はあきらかにメタボリック症候群。
りっぱな太鼓腹の方を見かけると(大きなお世話ですが)こちらが心配になります。